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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その14

この記事にはネタバレが含まれます。

【13日目】 1月22日(水)
この日もコーヒーとトーストで朝食を取りながら談笑する4人の姿から1日が始まる。この映像を見ていったい誰が解散直前のグループと思うだろうか?たとえどんなに想像力を働かせたとしても、僕にはそんなことが可能であるとは思えない。たしかに多少の軋轢はあったかもしれない。だが、彼らはそれらを過去に何度も乗り越え、1969年1月のこの時点でも尚息の合った、仲の良いグループだったのだ。歴史の修正が必要である。

"Going Up The Country"
ジョンの会話の中に出てくるキャンド・ヒートの曲。ポールが即興で歌っている。

"Dig A Pony"
"I've Got A Feeling"
1日ごとに切れのある演奏になってきているのがわかる。この2曲は完成が近いようだ。

この日もジョンはよく喋る。そして、彼が喋れば喋るほどバンドの雰囲気はよくなっていくように感じられる。この日ジョンも演奏に対して様々な指示を与えているが、それらを他のメンバーはごく自然に受け入れているように見える。ビートルズ初期~中期にかけてはきっとそうしてきたのだろう。これは僕の推測だが、トゥイッケナムではジョンはその役割を放棄しかけていたのではないだろうか?それゆえバンドの秩序が乱れ始めていた。だが、たとえ一時的であったにせよ、ジョンはその役割を今一度演じることに決めたのだと思う。このときビートルズはビートルズに戻っていた。たしかにこの時点では・・・。

そして、この日一つの大きな出来事が起こる。当時ロンドンにいたビリー・プレストンがレコーディング中のビートルズを訪問するのである。実は彼らはハンブルグ時代に出会っていた。ビートルズがデビュー前の話である。

再開を喜ぶビートルズ4人。場の雰囲気はにわかに和やかになり、ジョンがビリーに早速セッションへの参加を打診する。この突然のオファーをビリー・プレストンは即答で受け入れる。

そして実際、ビリー・プレストンの参加はバンドのサウンドに驚くべき変化をもたらすことになる。それは僕のような素人が聴いてもハッキリとその違いがわかるほどのものなのだが、実のところこのドキュメンタリーを観るまではビリー・プレストンの功績がここまで大きなものだとは思いもつかなかった。今まで当たり前のように『ドント・レット・ミー・ダウン』や『ゲット・バック』を聴いていた僕にとって、それはまさしく「啓示」とも言えるほど衝撃的なものであった。
ここまでリハーサルシーンで何度となく聴き続けてきたこれらの曲が、まるで新たな命を吹き込まれたかのように躍動し、ビートルズ本来の輝きを取り戻し始めたのだ。

これは実に驚くべき事実である。ビートルズサウンドはけっしてビートルズ4人だけで作られなくてはならないものではなかった。かつてエリック・クラプトンの参加により『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』がビートルズ最高傑作の一つに数えられることになったように、ビリー・プレストンの参加は行き詰まっていたバンドに新たな方向性と突破口を与え、楽曲をさらなる高みに押し上げる原動力となったのである。

しかも、それはただ単にサウンド面だけにとどまらなかった。ビリー・プレストンという人は実に穏やかで、陽気で、周囲を明るくするキャラクターをも備えていたのである。彼は演奏している時も、それ以外の時もほとんどにこやかに微笑んでいて、ともすればピリピリした雰囲気になりがちな現場を和やかにしてくれる中和的な役割も演じていたのである。

バンドメンバーのビリーに対する称賛が続く。
ビリーを加えた『アイヴ・ガット・ア・フィーリング』の演奏を終えたあとでジョンが言う、「君は仲間だ」。ジョージ「エレピの音はいいね」。
次に『ドント・レット・ミー・ダウン』・・・ジョン「素晴らしい」。ジョージ「ビリーのお陰だ。10日も行き詰まってた。」。ポール「数週間だ」。

"Save The Last Dance For Me"
グリン・ジョンズがマスターテープを交換する間、即興で披露された曲。ジョンとポールがヴォーカルをとっている。

ビリー・プレストンの参加で大きく流れが変わった。セッション13日目が終了した。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その13

この記事にはネタバレが含まれます。

【12日目】 1月21日(火)
今日もスタジオに一番早く到着しているのはリンゴである。
リンゴが言う、「昨日はここに入って何かほっとしたよ」。
リンゼイ・ホッグ監督「確かにトゥイッケナムは妙な何かがあったね」
リンゴ「僕らにはこっちのほうがいい」
これはビートルズだけでなく、おそらくあの場所にいた全員が感じていたことではないだろうか。僕には霊感はないが、霊能力のある人が見ればあの場所はひょっとしたら「霊的にあまりよくない場所」だったのかもしれない、などと余計な事まで考えてしまった(笑)。

アップル社地下の仮設スタジオは白壁で明るく、この部屋に入ってくる人の表情までもが明るく見える。その上リストアされた映像は驚くほど鮮明で、これが50年前に撮影されたものとはとても思えない。本当に昨日撮ったビートルズの映像を見ているようである。ビートルズが現代に蘇る。改めて現代テクノロジーの進化と、ピーター・ジャクソン監督のプロフェッショナルな手腕に感謝だ。

リンゴの次にスタジオに現れたのはジョージ。脱退騒ぎがあったにもかかわらずその表情は明るい。もうすっかり吹っ切れているように見える。

次にジョンとヨーコが姿を見せ、この日最後に姿を現したのはポールだった。

ここで重要な注釈が加えられている。それは予定されていたビートルズのTV特番が中止となり、代わりに映画が撮られることになったという説明である。つまり映画『レット・イット・ビー』は最初から制作を意図されていたものではなく、当初はビートルズのTV特番、そしてそれに伴うライヴ演奏が予定されていたということである。映画はあくまでも後付けなのだ。僕自身も今回初めてこの事実を知った。

それにしてもなんという変わりようだろう。新しいスタジオに移動した瞬間、誰もが笑って楽しそうにしているように見えるのだ。トゥイッケナムではあまり感情を表に出さなかったジョンまでもが、まるで人が変わったように笑顔がこぼれる。

"You Are My Sunshine"
ジョンが上機嫌でギターを弾きながら唐突に歌い始める。即席のコントロールルームではグリン・ジョンズが慌てる様子がカメラに捉えられている。

"New Orleans"
この日のビートルズは皆機嫌がよく、見ていてこちらまで笑顔になってしまうほどだ。冗談抜きでトゥイッケナムの呪いから解放されたかのようだ(笑)。

"Queen Of The Hop"
"Gilly Gilly Ossenfeffer Katzenellen Bogen By The Sea"
"Forty Days"
グリン・ジョンズが未だ機材のセッティングに追われている中で、ビートルズは他のアーティストの曲をランダムで演奏している。

そしてポールが言う「よし、何かやろう。ボーイズ、仕切り直しで本気でやろう。」

"Too Bad About Sorrow"
レノン/マッカートニー作。流れるのは数秒。

"Dig A Pony"
歌詞を除き、かなりレコードのテイクに近づいてきている。メンバーはトゥイッケナムの時よりもはるかに多く話し、十分なコミュニケーションを取っているように感じられる。この日のシーンだけを見ていれば、ビートルズは本当に仲がいいと誰もが思うだろう。

"My Baby Left Me"
ジョンが歌い、ポールがドラムを叩いている。そしてリンゴがポールのベースをおそるおそる弾き始める。これはおそらく午後健康診断に行っていたリンゴの不在中にポールがドラムを叩いていて、そこにリンゴが帰ってきたときの様子をカメラに収めたものと推測される。

"Hallelujah I Love Her So"
"Milk Cow Blues"
ジョンが連続してヴォーカルを取っている。

"Good Rockin' Tonight"
ポールが新聞のゴシップ記事を読み上げているところに、ジョンがヴォーカルをかぶせて歌っている。

"Dig A Pony"
ようやく録音の準備が整い、レコーディングが開始される。ジョンが「テイク1」と言っている。

"Shout!"
ジョンは相変わらず上機嫌だ。そしてこのことがバンド全体の士気に影響していることは一目瞭然である。

続いて4人は今録音したばかりの曲を聴くために即席のコントロールルームへと移動する。ドキュメンタリーの中で、この繰り返しが何度も映し出されるのだが、このことは今まで映画『レット・イット・ビー』関係の写真が「どこで」「何を」していた写真なのかを理解する上で非常に役に立った。今回のレコーディングでは、ビートルズは録音した曲を全員で何度も何度もその場で聴き直し、確認しながら作業を進めていったのである。当然のことながらプレイバックを聴く4人の表情は真剣そのものである。

レコーディングを始めたとたん、4人の演奏は目に見えてよくなってゆく。それはリハーサルの時のものとは「質的に」異なっている。まるで何か魔法でもかけられたかのように曲がタイトに仕上がってゆくのである。

"Madman"
レノン/マッカートニー作。ヴォーカルはジョン。

"I've Got A Feeling"
今日初めてポールがリードヴォーカルを取る。今日は明らかに「ジョンの日」だ。

"Don't Let Me Down"

ここでこのドキュメンタリーで初めて「キーボード奏者がいるな」という話がなされる。これはのちにビリー・プレストンの加入により現実となる。この決定はこのプロジェクトの中でおそらく最も賢明な選択の一つに数えられるであろう。

"She Came In Through The Bathroom Window"
ジョンがエレキピアノを弾いている。ポールがジョンに弾き方を教えているシーンが印象的だ。

こうして新スタジオ移転2日目(レコーディング1日目)が終了する。帰るときもメンバーは皆上機嫌で、セッションが極めて順調であることを表わしている。明らかに「何か」が変わったのである。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その12

この記事にはネタバレが含まれます。

【11日目】 1月20日(月)
年明け1月2日からスタートしたリハーサルだったが、今日はもう1月20日。当初の予定は大幅に変更された中で新スタジオリハーサル初日を迎える。だが未だスタジオは完成していなかった。

しかし、ともかくスタジオ未完の状態で本日からリハーサルは再開され、録音は翌1月21日(火)から開始の予定となったのである。

というわけで、この日撮影は許可されず、ビートルズ4人がアップル社に入ってゆく姿だけが次々に映し出される。一つ興味深いのはジョン、ジョージ、リンゴの3人が車で現場に現れたのに対し、ポール1人だけが「歩いて」きたように見えることである。
これについてもちろん僕はなんの確信もない。しかし、ポールはロンドンの自宅からアビイ・ロード・スタジオまでよく歩いて行っていたと言われているし、このときも徒歩ではなくても地下鉄やバスを使ってなんていうのは案外あり得ることなのかもしれない、なんて思った次第。

アップル社の前にビートルズの追っかけファンがたった2人しかいなかったのも興味深かった。さあ、明日からいよいよ新スタジオでのリハーサル&レコーディングだ。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その11

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【10日目】 1月16日(木)
トゥイッケナム・スタジオ最終日
この日はマル・エヴァンズがリンゴのドラムを片付けているシーンから始まる。繰り返しになるが、世界一のバンドであるにもかかわらず、ここでも作業にバイトなどは雇わず、基本的に身内だけで何もかもこなしているところが興味深い。

なんと驚いたことに、この日ポールだけがデモ録音のため一人トゥイッケナムスタジオに姿を現し、ピアノの前で演奏を始める。

"Oh! Daring"
ここでポールが演奏したのはまたしても新曲『オー!・ダーリン!』。彼はいったい何曲ストックを持っていたのか・・・。しかも、どれもこれも並みの曲ではないときている・・・。

続いてリバプールから戻ったジョージの姿が映し出される。彼はグリン・ジョンズと共にアップル社地下の新スタジオを見に出かける。そして、そこで2人はレコーディング機材に大きなノイズが発生するのを発見することになる。

1月17日(金)
またしてもトラブル発生。すぐに2人はジョージ・マーティンに助けを求め、解決策としてアビイ・ロード・スタジオから機材が貸し出されることとなる。

1月18日(土) 19日(日)
機材の設置は週末に行なわれた。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その10

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【9日目】 1月14日(火)
ジョージがいない3人のビートルズによるリハーサルが続く。
この日は冒頭からポールがピアノの前に座り、カチンコ係の青年に弾き語りを披露するシーンから始まる。まだジョンとリンゴはスタジオに姿を見せていない。

"Bonding"
まずはレノン/マッカートニーの未発表曲で小手調べ。

"Martha My Dear"
次にピアノから流れてきたのはファンにとってはとてもなじみ深いメロディー、なんと『マーサ・マイ・ディア』のイントロだ!!僕は改めてその旋律の美しさに聴き惚れてしまう。ヴォーカルなしでもいいからポールにはこの曲をライヴで演奏してほしかった・・・。

"I Bought A Piano The Other Day"
やはりポールの次に現れたのはリンゴだった。
ポール「リンゴ、調子はどうだい?」2人は上機嫌で連弾ピアノ演奏を即興で披露する。なんというか、とても心温まる場面だ。やはりポールとリンゴはかなり相性がいい。ちなみにこの曲のクレジットはレノン/マッカートニー/スターキーとなっている。

"Woman"
次に飛び出した曲はポールがかつてピーター&ゴードンに提供した曲だ。この曲に関するポールの裏話で辺りはとても和やかな雰囲気となり、リンゼイ・ホッグ監督もグリン・ジョンズも微笑んでいる。ここには人を純粋に楽しませる才能に長けたポールの性格の一端が表れている。

スタッフの一人がポールに尋ねる。「作曲はピアノ?ギター?」
ポール「近くにある物」
スタッフ「曲は頭の中に来る感じ?」
ポール「そうだ。今朝もこんな曲が頭に・・・」

"The Back Seat Of My Car"
そこでポールが歌い始めた曲はなんとアルバム『ラム』に収録された名曲『バック・シート』だ。このアルバムが発売されたのは1971年だが、1969年1月にすでに構想ができていたとは驚きである。ビートルズ後期からこの時期にかけてのポールの才能の爆発には実に驚くべきものがある。まさにその勢いは誰にも止められないといった感じだ。

"Song Of Love"
これもレノン/マッカートニーのクレジットがついた未発表曲である。

とにかくポールの即興演奏は実に実にすばらしい。彼のそばにいたら僕は何時間だって聴いていられるだろう。

その後はジョンも合流し、スタッフを交えた話し合いの場面がしばらく続く。ここはハッキリ言ってファンでなければ退屈になってしまうようなある意味冗長なシーンとも言えるのだが、よく見ればメンバーの素顔が垣間見える貴重なシーンとも言える。僕にとって特に印象的だったのは、ジョンが調子に乗って饒舌になると、ポールがとても嬉しそうな顔をしたことだ。ここに彼らの関係性の一面が現れているように思う。

"Madman"
これもレノン/マッカートニーの未発表曲。薄暗いスタジオの中でポールが懸命にベースを弾いている。

ここで撮影はカット。

ポール「ジョージは明日帰ってくるはずだ」
ジョン「明日には会えるわけだな?」

そして以下のテロップが流れる。
「翌日のリハーサルは中止され、ジョンたち3人は再びジョージと会った。」

1月15日(水) 
以下のテロップが流れる。
「会合は前向きで建設的なものになる。4人はプロジェクトの方向修正で一致する。テレビ特番は中止となった。彼らは自前の新スタジオに移って録音することに。」

4人はトゥイッケナム映画スタジオを離れ、アップル本社の地下に仮設スタジオを作り、そこでレコーディングを継続することに決めたのだった。そして、このスタジオ移転こそが、すべての状況を好転させるきっかけになるのである。

「スタジオを作ったのは、”マジック・アレックス”マルダス。新スタジオ移転は月曜に決定。

よってビートルズの4人は1月16日(木)、17日(金)はオフとなり、セッション再開は1月20日に決定された。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その9

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第2部(Part 2)

【8日目】 1月13日(月)
冒頭、黒い背景に以下のテロップが流れる。
「アルバムと特番のリハーサルが続く中、不満を抱えたジョージが金曜日バンドを脱退する。
日曜日の会合で問題は解決せず、プロジェクトのみならず、グループの先行きも不透明に・・・。」

4人揃っての日曜日のミーティングで問題が解決しなかったことが、当時の状況の深刻さを伝えている。それはまったく冗談ではなかったということだ。
ひょっとしたらジョージ以外の3人の誰かが、もしくは全員が「どうせ彼はすぐに戻るさ」と思っていたかもしれない。だが、日曜のミーティングで3人はジョージを説得することができなかった。ジョージは本気だったのである。

そして週明け月曜の朝、定刻に姿を現したのはリンゴただ一人。
このドキュメンタリーを観るかぎり、とにかくリンゴという人は時間を守る律儀な人であるらしいことがわかる。そして、その次に時間に正確なのはポールだ。

まだ薄暗いスタジオの中で、リンゴとスタッフたちの間で話し合いが始まる。しばらくしてポールとリンダがスタジオに姿を見せ、その話し合いに加わる。

この話し合いの中で重要な点は、脱退話がただ単にジョージについてだけではなかったということである。ここでポールが皆に明かしたのは、日曜日のミーティングではジョンは何も話さず、なんとヨーコが彼を代弁していたということであった。つまり問題は二重に複雑になっていたということだ。

以下、ポールの説明が続く。(少し長いが、重要な場面なので引用する)
ポール「要はジョンとヨーコはずっと一緒にいたいんだ。なら若い2人を一緒にいさせてやろう。皆ビートルズから多くを得た。だからヨーコとビートルズどちらを取ると迫れば、彼は彼女を選ぶ。」
スタッフの誰か「でも前にジョンと話したら、ビートルズでいたいと言った。」
リンゼイ・ホッグ監督「ヨーコが来る前はよく共作を?」
ポール「もちろん。減ってたがね。一緒に演奏しなくなったから。昔は朝から晩まで同じホテルにいた。音楽的には昔より演奏能力は向上している。でも肝心なのは親密さなんだ。ヨーコがいると白い壁についての曲を書いちまう。2人の好みだと思ってね。でも気に入ってもらえない。とにかく2人は一緒にいたいだけだ。だから2人に”ダメだ”なんて言うのはバカげてるよ。職場環境が悪いからストを起こすとか、”これでは働けない”なんて言っちゃダメだ。2人はやり過ぎだが、ジョンは極端だろ。”分別を持てよ”と言ってもムダさ。決めるのは彼だ。口を挟むことじゃない。」
ニール・アスピノール「でも、彼も譲歩はしなきゃ。」
ポール「譲歩させるにはまず僕らが譲らなきゃ。どちらも譲歩しないのはバカみたいだ。多分僕らには父親のようなまとめ役が要る。”恋人は連れてくるな”と言ってくれる人がね。でも解散の理由が”ヨーコがアンプに座ってたから”ではね。50年後には大笑いされるぞ。本当かよってね。”彼が女を連れ込むせいだ””それが理由?”別に地球を揺るがすような争いじゃない。」
ポール「ジョンに電話は?」
ニール・アスピノール「マルが掛けたがずっと話し中だ」

このスタッフとの会話の中でポールが示したものはジョンに対する驚くべき寛容さと、ジョンの性格を最も知り尽くしているがゆえに彼を弁護し、擁護してやろうという非常に強い意志である。ひと言でいって、このポールの対応は極めて大人の対応である。僕には20代の世間知らずのロックスターがやる対応とはとても思えない。

要するに、当時から周囲にいる誰もがヨーコを現場から排除してしまいたいと思っていたということだ。だが、誰も面と向かってはそれを言えなかった。しかし、ポールはそんなジョンとヨーコに対して驚くべき寛容さを示し、大切なのはまず彼らよりも先に自分たちが譲歩することであるとスタッフ全員に訴えたのである。これは偉大な意思表明であり、ポールが単なる目立ちたがり屋、仕切り屋ではなかったことを証明している。実際、あの状況の中にいて、これほどはっきりと事の本質を見抜き、それを全員の前で語ることができた者はポール以外にはあり得なかったであろう。いや、バンドはもっと早く空中分解していたであろう。この時点において、ポールはまちがいなくバンドの解散を阻止したのである。

そして、このドキュメンタリー全体で最もエモーショナルな場面がやってくる。
リンゼイ・ホッグ監督「ジョンに少しは協力しろと迫る気はある?」(この言葉がジョンが全体の事をまったく気にかけていなかったことを示している)
ポール(目に涙を浮かべて)「どうかな・・・」「そして2人だけになってしまった」
リンゴも目を拭う仕草を見せる。
ここで見せるポールとリンゴの表情がすべてを物語っている。少なくとも彼ら2人はバンドが解散することをまったく望んでいなかった。それだけは確かである。

そして、このあと花瓶に仕込まれた隠しマイクで、ジョンとポールが話す「本音」の会話が50年の時を経て初公開される。それは完全に2人だけのプライベートな会話であった。ジョンとポールはお互いの本音を伝え合った。そして、この会話こそが、当時の最悪な状況を改善する大きなきっかけになるのである。

この会話の中で特に僕の心に残ったポールの言葉を引用しておこう。
ポール「でも実際彼(ジョージのこと)は正しいよ。結局は僕らが悪いんだ。全員が別の方向に進んでる。でもいつか来るよ。君(ジョンのこと)が好きなように歌える日が来るさ。ジョージは何の指示もされず好きに弾ける日がね。」
ポール派の僕は声を大にして言いたい。ポールはただの自己中なヤツじゃなかった。彼はビートルズに対する大きな愛ゆえに自分が悪者になることも厭わなかったのだ、と。

そして、再びジョージと話をしようということで意見が一致する。しかし、ジョージはリバプールに帰っており、水曜までロンドンに戻らないという。

というわけで、ジョージが戻る水曜日までは3人でのリハーサルが再開されるのだった。

"Get Back"
ポールは以前と変わらないが、ジョンが心なしか何か吹っ切れたようなすっきりした表情をしているように感じられる。これもポールとの会話の結果なのか・・・。とにかく、このあとジョンが復活するのだ!

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その8

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【7日目】 1月10日(金)
この日は音楽出版社のディック・ジェームズがスタジオでポール、リンゴ、リンゼイ・ホッグ監督、グリン・ジョンズらと音楽の版権等について談笑する場面から始まる。ジョンとジョージはまだ姿を見せていない。ビートルズの曲をノーザンソングスが買ったという話も出てくる。途中でジョージとジョンも合流し、本日のリハーサルが開始される。どうやら4人とも音楽出版にはあまり興味がなさそうだ。

"Hi-Heel Sneakers"
ポールも以前ライヴ等で取り上げていた曲だが、ここではジョンがヴォーカルを取っている。この日はジョンの機嫌が良く、表情もこれまでで一番明るい。

"Get Back"
なんと続いて映し出される場面は、ジョンとポールが立って至近距離で差し向かいに練習を始めるシーンである。この場面に少なからず驚いたファンもきっと多いのではないだろうか。なぜなら、ビートルズが不仲、もしくは不和の状態にあったと延々と語り継がれてきた1969年1月というこの時期において、ジョンとポールがまるで恋人同士でもあるかのように抜群のコンビネーションを発揮して、生き生きとリハーサルを行っているからである。そして、その光景を沈んだ表情で見つめるジョージの姿・・・。まさしく明と暗がくっきりと分かれ、それが見事に映像に収められた貴重な瞬間である。

それはポール対ジョン、ジョージ、リンゴではなかった。それはジョン、ポール対ジョージだったのだ、とポール派の僕はこの場面を見て深く悟ったのであった。少なくとも問題のまさに根っこはここに存在していたのである。

そのような複雑な印象を持つと同時に、僕は差し向かいで楽しそうにセッションを楽しむジョンとポールの姿に心の底から感動した。そして、彼らの関係性がちょっとやそっとでは壊れるはずがないことを実感した。間違いなくこのシーンはビートルズの歴史に新たな1ページを刻むことだろう。そして、こんなシーンが残っていたことを僕はほんとうに嬉しく思う。

しかし、一方ではジョージの「外された感」もまた半端ではない。時にはおどけながら笑顔でセッションを続けるジョンとポール、そして時に激しくドラムを叩くリンゴ・・・。しかしジョージはまったく演奏に加わる様子がない。だが、それでもジョンとポールはまるでそこにジョージがいないかのようにリハーサルを続けるのである。きっとこの光景がそれまで数限りなく繰り返されてきたのではないか・・・。そんな思いが僕の脳裏をよぎった。

ようやくギターを弾き始めるジョージ。その浮かない顔のジョージに向かって明るく演奏の指示をするポール。ポールの言葉はあくまで前向きで、けっして高圧的なものではないのだが、今のジョージにはなにもかもが気に入らないのだった。

ジョージが言う「クラプトンを呼べよ」。それに対するジョンの答えは「ジョージが要る」。ポールの答えは「君が必要なんだ。ただシンプルにやってほしい」。だがジョージは浮かない顔のままだ。ポールができるだけジョージの感情を逆なでしないよう、慎重に言葉を選びながら明るく指示を出そうとしているのが伝わってくる。だが、ジョージは納得がいかない。きっと「自分のやり方で何が悪いのか」とでも言いたいのだろう。だが、ジョンもまったく反論せず、逆に機嫌よくセッションを続けていることから、ポールの指示は基本的に妥当なのではないだろうか。

"Two Of Us"
曲が変わっても相変わらずジョンとポールは上機嫌でセッションを続けている。が、ジョージの機嫌は直らない。虚ろな表情で遠くに視線を投げかけているようだ。

そして、ついにジョージが立ち上がって言う、「辞めようと思う。バンドを辞める。」
ジョン「いつ」
ジョージ「今だ」「代わりを探せよ。音楽誌で募集すればいい。」

なんと映画の撮影中にこの貴重な場面は起こっていたのだった。まさに予期せぬハプニング。ここでリンゼイ・ホッグ監督が言う、「カット」

その後静止画に流されたテロップは・・・
「またクラブで会おう」と言い、ジョージは去っていった。
ジョージの日記
「起床。スタジオへ。昼までリハーサル。ビートルズを脱退。帰宅。」

だが僕がもっと驚いたのはそのあとである。
ジョージがスタジオを去ったのち、昼食を挟んでスタジオに戻ったジョン、ポール、リンゴの3人は、まるで何事もなかったかのように元気全開でリハーサルを再開するのである。

"I've Got A Feeling"
"Don't Let Me Down"

そして、まるでジョージの抜けた穴を埋めるようにヨーコが(悪名高き)雄叫びを上げる!しかも3人共ノリノリときている。

その後ジョージがいなくなったスタジオに全員が集まり自然発生的にミーティングが行われる。
ジョン「辞めるなら辞めさせろ」
リンゼイ・ホッグ監督「ショーやバンドは続けるの?」
ジョン「戻らないならクラプトンを入れる」
リンゼイ・ホッグ監督「脱退騒ぎは前にもあった?」
ジョン「ああ、リンゴがね」

ジョンの強気の発言はきっと不安の裏返しなのであろう。他の2人も努めて明るさを装おうとしているように見える。

ジョージの曲『イズント・イット・ア・ピティ』がバックに流れ、ドキュメンタリーの第一部が終わりを迎える。

最後のシーンは真剣な顔をしたジョン、ポール、リンゴが互いに肩に手を置き、三角形に顔を寄せ合って何事かを囁いている場面である。

そのシーンに以下のテロップが重なる。「3人はジョージと会って復帰を説得しようと決める」

1月10日(土)
以下のテロップが流れる。
「日曜 ヨーコとリンダも交えリンゴの家で会合」
「会合はうまくいかなかった」

ジョージがバンドを辞めるという衝撃的な場面でドキュメンタリーの第一部は終わる。

第一部を見終わっての僕個人の感想は、とにかく息を飲むほどにすべてがすばらしかったということだ。実際ファンにとってこれ以上のプレゼントが考えられるだろうか?いや、あり得ない。結果的にビートルズは最後の最後にこれ以上ない最高、最強のプレゼントを僕たちファンに贈ってくれたのである。彼らは文字通り彼らのすべてを僕たちに与えてくれた。ありがとうビートルズ!(第2部へ続く)

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その7

この記事にはネタバレが含まれます。

【6日目】 1月9日(木)
この日は朝「出勤」してきたポールが、マイケル・リンゼイ・ホッグ監督にリンダを紹介する場面から始まる。その後、立ち話もそこそこに、ポールがスタジオでピアノの前に座り、一人リハーサルを始める。

"Another Day"
なんとピアノヴァージョンの『アナザー・デイ』だ。ご存知ポールのソロ第一弾シングルとなった曲だが、もうこの頃すでに曲の構想はできていたのだ。

スタジオの隅で静かにポールを見守るリンダの姿も何度か映し出される。この頃のリンダは本当にきれい、というかかわいい感じである。

"The Long And Winding Road"
引き続きポールが一人ピアノ弾き語りで歌う。そのピアノに寄りかかるようにして至近距離でマル・エヴァンズが歌詞のメモを取ろうとしている。どうやら歌詞の書き取りが彼の仕事の一つでもあったようだ。ここまでのポールはとてもアイディアに対してオープンで、どんな人の意見も聞き入れようとしているところが見てとれる。
途中でポールが「♪2番はまだ決まってない~♪」とメロディーに合わせながら歌っている。なんと『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』もまたこのリハーサルの最中に作られた曲だったのだ。そして、『レット・イット・ビー』もまたポールが曲名を『マザー・メアリー』と呼んでいることからまだ完成途上であることがわかる。

『ゲット・バック』『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』『レット・イット・ビー』という永遠の名曲3曲が、このスタジオリハーサルの数日間で生み出されたという事実に僕は愕然としてしまった。のちに全米、全英1位となる名曲をたったの数日間で3曲も作ってしまったソングライターは、後にも先にもポール・マッカートニーただ一人だろうと思う。まったく驚くべき才能だ。

"Golden Slumbers"
今度はリンゴがポールのそばに来て座る。アルバム『アビイ・ロード』に収録された名曲の初期のヴァージョンをポールが歌う。

"Carry That Weight"
続いてリンゴが歌うイメージで書いたという『キャリー・ザット・ウェイト』の初期ヴァージョン。ポールが当時いかに多くの引き出しを持っていたか、またいかに曲作りに情熱を注いでいたのかが一連のパフォーマンスから窺い知ることができる。この曲の途中でジョージが「寝坊して朝食を食べずに来ちゃったよ」と姿を現す。今日も一番遅いのはジョンだ。

"The Castle Of The King Of The Birds"
ビートルズ4人の共作。ジョージが珍しくドラムを叩いている。

"For You Blue"
この曲の時にジョンがようやく姿を現す。ポールがジョージに「いい曲だ」と誉め言葉を贈っている。ここまでを観るかぎり、ポールもジョージも互いによいところは認め、誉め合っていることがわかる。

"Get Back"
この曲もまだ生まれたばかりの曲のため歌詞が確定せず、いろいろと試行錯誤を繰り返している過程が記録されている。

"Commonwealth"
レノン/マッカートニーの曲ということになっているが、リハーサル中に時事問題を即興でポールが歌にしたという感じである。

"She Came In Through The Bathroom Window"
ジョンがピアノを弾き、ポールがやや遅いテンポで歌っている。これもまだ初期ヴァージョンだが、またしてもバンドにおけるポールの貢献度が際立つシーンだ。

"Honey Hush"

"Suzy Parker"
ビートルズ4人の共作。

"House Of The Rising Sun"

"Mama, You Been On My Mind"
ボブ・ディランの曲。ジョージがアコースティックギターを弾き語りしている。

"Let It Be"
ここにきて初めてバンドが一丸となり、曲を仕上げようという意志統一が強く感じられるシーンである。メンバーそれぞれの目つきも変わり、本気モードにスイッチが入りかけた・・・という印象を僕は受けた。遊びでやっている時と、スイッチが入った時とでは音がまるで違うことを僕たちはこのあと何度も何度も確認することになるだろう。
ビートルズ4人はたしかに僕たちと同じ人間であったが、彼らが本気で集中モードにはいるとき、そこには常人を遥かに超えた世界が、そしてサウンドが出現した。このドキュメンタリーはその過程を克明に捉えた作品として人類史に深く刻まれるであろう。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その6

この記事にはネタバレが含まれます。

【5日目】 1月8日(水)
今日も先にスタジオに来ているのはジョージとリンゴである。その2人とリンゼイ・ホッグ監督が戦争やテレビ番組などについて話している場面から5日目は始まる。

"I Me Mine"
ジョージが前日の夜観たテレビ番組でワルツが流れていたことからヒントを得て書かれた曲であることが上記の会話から伺える。ちょうどスタジオに姿を現したポールに向かってジョージが言う、「昨夜僕が書いた曲を聴くかい?」「短い曲だ『アイ・ミー・マイン』」
そして、曲を聴き終わったポールの一言は「素敵だ(lovely)」。そして、ジョージに寄り添い、歌詞についてのアドバイスなどをする。おおポール、ちゃ~んとジョージの曲を認めてやってるじゃないか、とポールファンの僕が嬉しくなってしまった場面だ。
だが、この「いい雰囲気」に水を差すのが、そのあとに合流してきたジョンの言葉である。「もう帰れ、俺たちはロックンロール・バンドだぞ」。これに対するジョージの言葉は「気に入ってる」「君が気に入らなくてもいいさ。僕にはピタッときてる。」
この場面を観てもわかるとおり、ポールとジョージは必ずしも仲が悪かったわけではなく、お互い言いたいことを言い合えるフランクな間柄だったといえるのではないだろうか。ただ、ジョージは長年溜まりに溜まったものがあったがゆえに、年下でありながらジョンやポールにとっては生意気な弟分に映った・・・というのが現時点での僕の観察である。

続いて映し出される場面は、ジョンとポールの興味深い会話である。
ポール「曲書いてきた?」
ジョン「いいや」
ポール「ダメ?」「この先マズいぞ。」
ジョン「切羽詰まってからが僕は強いのさ」
ポール「演れるブツがほしい」
ジョン上を見ながら「日曜日は休みだろ」
ポールも上を見ながら「届けてほしいね」
ジョン「ロックンロールを」
ポール「そうしてほしいね」

上記は着実に曲を準備しつつあるポールと、以前のように思ったとおり曲が作れず焦り、苦しんでいるジョンの対照的な姿が映し出されている。しかも、ジョンは一切泣き言は言わない、いや言えない状況にあったのだろう。ビートルズはずっとジョンとポールの2本柱でやってきた。しかし、ここにきても易々と名曲を生み出すポールに比べ、曲作りが遅々として進まないジョン・・・。その内心は非常に不安定な状態であったにちがいない。しかも、ジョージまでもが今まさにソングライターとしての資質を開花させようとしているのだった。

次にリンゼイ・ホッグ監督とビートルズの4人はまたしてもショーの内容について意見を出し合う。しかし、いろいろな案は出るものの、依然として考えはまとまらない。

"Two Of Us"
"Don't Let Me Down"
"I've Got A Feeling"
これまで演ってきた曲のおさらいといった感じで上記3曲が次々に演奏される。

"Stand By Me"
ジョンがソロで取り上げた曲としても有名だが、ここではポールがヴォーカルを取っている。が、残念ながらここでも流されるのはわずか数秒である。

"Maxwell's Silver Hammer"
リハーサル中にジョージのものと思われるギターが床に落ちるというアクシデントが発生。

"You Win Again"
ジョンがピアノを弾きながハンク・ウィリアムズのカバーを歌っている。

"I Me Mine"
曲に合わせてジョンとヨーコがダンスを踊っている。

続いてリンゼイ・ホッグ監督がショーのセットを検討しているシーンが映し出される。だが、相変わらず考えはまとまらない。

ショーについて監督とリンゴが話している途中で印象的なシーンが登場する。リンゴがこう言うのだ、(ピアノを弾いているポールを見て)「それより僕は彼を見ていたい。聴き惚れるよ。」どうやらリンゴは昔からポールの理解者であり、ファンでもあったようだ。

そんなこんなで撮影、リハーサルも5日目が終了。丸1週間が経ったが、音楽も、ライヴも、ドキュメンタリーも依然として方向性が定まらないままである。さて、これからどうなっていくのか・・・。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その5

この記事にはネタバレが含まれます。

【4日目】 1月7日(火)
この日はジョンを除く3人がスタジオ内で会話しているシーンから始まる。

ジョンが時間どおりに来ていないのだった。しかも、それは3人にとってもはや驚くようなことではないことが彼らの会話から感じられる。ポールがリンゴに「君は遅れてきたことがないよね。君はプロだよ。」と言う。だがジョンは今日も遅れていた。そしてその事実が、ジョンが既にビートルズに興味を失いつつあることを推測させる。

だが、このあまり好ましいとは言えない状況の中で、ポールはとんでもないウルトラCをやってのける。

このドキュメンタリー全体の中でも最も重要なシーンの一つがこの直後に起こるのである。

"Get Back"
この状況に業を煮やしたポールがまるで新しいアイディアを探るかのように一人でベースをかき鳴らし始めるのだ・・・。

最初、それは何かまったくわからない。しかし、次第にそれはある曲の形を取り始める・・・。そう、それはファンの耳には馴染みの深いある名曲誕生の瞬間だった!!

こんなことがあっていいのだろうか。なんと、ポールはカメラが回っている今まさにこの瞬間に『ゲット・バック』の主旋律を奏で始めたのである。僕は鳥肌が立った。それは無から有が生み出された瞬間であり、まさに名曲の一つがこの世に産声を上げた瞬間でもあった。その奇跡のシーンがフィルムに収められていたのである。

しかし、このシーンを世に出さずして、いったい何がビートルズの映画と言えるのだろう?ポールファンの僕は驚き、感激と共に怒りの感情が湧き上がってくるのを抑えることができなかった。50年前にこんなにも重要なシーンを封印したマイケル・リンゼイ・ホッグ監督の真意とはいかに???

ポール・マッカートニーおそるべし。やはりビートルズ後期のポールには神が降りていた。そして、その神通力はまだまだ健在であった。その事実をまざまざと見せつけられたシーンである。ジョンの遅刻がなかったなら、ひょっとしたらこの曲は生まれていなかったかもしれない。

その間じゅう黙って聴いていたジョージが言う、「それいいね。音楽的に最高だ。」ここでもジョージはポールに対して冷静に、極めて正当な評価を下している。そして一緒にギターを弾き始める。これはもう立派な共同作業である。

そうこうするうちにジョンが姿を現し演奏に参加し始める。リンゴも移動してドラムを叩き始める。本日のリハーサルが開始される。

次に映し出されるシーンは、マイケル・リンゼイ・ホッグ監督とビートルズの4人がどのようなショーを行うかを話し合う場面である。活発な意見交換を行ってはいるが、話しているのはほとんどが監督とポールの2人だけ。ジョンはまだ夢の中にいるかのようで、あまり話さず、やや目も虚ろである。ドラッグでもやってきたのか・・・。僕は時折その表情にある種の狂気さえ感じてしまった。

"Maxwell's Silver Hammer"
ポールがメンバーたちに明確な指示を与えながら曲を作り上げてゆく過程が記録されている。パーソナル・マネージャー兼ロード・アシスタントのマル・エヴァンズが子供のように目を輝かせながらハンマーを叩く場面も印象的だ。この人はドキュメンタリーの中でビートルズ以外に頻繁に顔を出す登場人物の一人である。またこの作品の中でかなり重要な役割も果たしているので、彼については何度か書くことになるであろう。

"Across The Universe"
ジョンが歌詞がタイプされた紙をマイクスタンドに貼り付けて、それを見ながらリハーサルを行なっているのがなんともご愛敬。譜面台ぐらい先に準備しておけよとも思うのだが、細かいことにこだわらない、このリラックスした雰囲気がビートルズ本来の姿なのかもしれない。

"Rock And Roll Music"
画面に「66年ワールドツアーのオープニング曲」というテロップが流れ、日本武道館公演の様子がリハーサル映像と交互に映し出され、リハーサル4日目の映像が終了する。

超名曲『ゲット・バック』の出現という大きな収穫はあったが、リハーサル自体はあまり進んでいないように思われる1日であった。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その4

この記事にはネタバレが含まれます。

【3日目】 1月6日(月)
土日休みを挟んでのリハーサル3日目。

未だ十分な機材がそろっていないトゥイッケナム映画スタジオにジョージの私物である8トラック録音機が運び込まれる。

ビートルズほどのグループがリハーサルを始めるのにほとんど何も機材がそろっていない・・・。しかし、メンバーたちも大した不快感を表わすことなく高価な私物機材を現場に提供する・・・。時代が違うと言ってしまえばそれまでだが、なんとも言えぬ人間としての大きさ、おおらかさを感じてしまうのは果たして僕だけだろうか。

それにしても、当時すでに音楽界の頂点に君臨していたはずの4人だが、彼らの言動は実に自然で嫌味がなく、まったく偉そうにしている印象を与えないのは驚くべきことであると思う。

"You Wear Your Women Out"
"My Imagination"
3日目のリハーサルシーンはビートルズ4人による共作ナンバー2曲から始まる。ファンならばもう少し聴いてみたいと思うところだが、残念なことにどちらも数秒しか流れない。このドキュメンタリーでは多くの曲が演奏されるが、最終的にアルバムに採用された曲以外のほとんどの曲は10秒以内に切られてしまう。それは編集上やむを得ずなのか、それとも聴くに値しないという判断なのか、そのあたりは未だ不明である。いずれにせよ、さらに長い『ゲット・バック完全版』がいつの日か公開されることはおそらく間違いないであろうと個人的には思っている。

"Don't Let Me Down"
おそらくこのドキュメンタリーで最も多く演奏される曲の一つである。この日のリハーサルでは特にコーラス部分に試行錯誤する過程が克明に記録されている。ここでは主にポールが主導的な役割を果たし、なんとか曲をまとめようという意気込みが強く感じられる(しかしけっして高圧的ではなく協調的である)。
トゥイッケナム映画スタジオにおけるリハーサル全体に言えることだが、ここでのジョンは総じて発言が控えめに思われる。この場面でも曲自体はジョンのものであるにもかかわらず、あえて主導権をポールに握らせているようにさえ感じられる。
面白いのはさんざんいろいろやったあげく、ジョージがかなり辛辣な言葉で曲の仕上げ方に文句を言っていることである。彼がここまで直接的であるというのは多くの人にとってきっと驚きであるにちがいない。しかも、「彼の主張は正しく思われる」のである(笑)。

だが、リハーサルは遅々として進まない。それは以下のジョージの言葉に表れている「ざっと試したのが4曲。何も覚えてないぞ。」そして、この状況に一番焦っているのはポールである。その結果ここではこのドキュメンタリーで一番ともいえる意見のぶつかり合いも生じている。
この場面でポールは、ここ数年自分は仕切り役を演じてきたこと、だが好きで仕切り役をしているわけではないこと、他に誰もやろうとしないからやっているだけだということ、他の3人は「またか」という目で自分を見て誰も自分をサポートしてくれないこと、ジョージを責めているわけではないこと、ただこんな風にやったらどうかなと言っているだけだということ、等々をメンバーたちに向かって語りかける。

そして、このポールの発言のあと、有名なジョージの言葉が続く「わかったよ、君の望むとおりに弾く。望まないなら弾かない。君が喜ぶことなら何でもやるさ。でも、君はわかってないよ。」

上記に対するポールの答えは「とにかくやらなきゃ。何とか解決しよう。特番用に曲を仕上げる必要がある。取り組んだのはまだ4曲だけ。20~30曲は仕上げないと。ちゃんと覚えるんだ。コードを覚えれば即興だってできる。必要なソロも弾ける。とにかくサウンドの向上だよ。」

そしてポールが「とにかく他の曲をやろうか」と言いリハーサルが再開される。

ここで僕が見たものは、なんとかバンドをまとめて多くの曲をモノにしようとがんばるポールと、それに対して辛辣な言葉で返したジョージ。だが、その言葉に感情論で切り返すのではなく、極めて冷静に状況を説明し前に進もうとするポールの姿だった。

要するに、映画『レット・イット・ビー』では、前後の流れを無視して特定の言葉だけを切り取ることによって、まったく別の印象を与える結果になってしまっていた、ということである。

この場面だけを切り取ることにより、ポールはすごく利己的で、ワンマンで、相手の気持ちを理解しないイヤな奴という印象を与えられてしまった。それが悪意をもって行われたことであるかどうかは今の僕にはわからない。しかし、結果的にポールは世界中の多くのビートルズファンを敵に回すことになったことだけはたしかである。

前後を切り取らないで、この場面の全体像を視聴者に見せることにより、ピーター・ジャクソン監督は事の真相を世界に知らしめたのである。ポールファンである僕にとって、この場面はポールが失われた威信を完全に回復した歓喜の瞬間であった。ポールの深い傷もきっと癒されたことであろう。

"Two Of Us"
そして、ある意味これだけの口論があったにもかかわらず、その後もポールとジョージはまるで何事もなかったかのように言葉をかけ合いながら"Two Of Us"をリハーサルしている。これはビートルズがちょっとやそっとの口論でバラバラになるようなグループではないことを示している。

かくして「波乱の3日目」が終了した。このあとリハーサルはどうなっていくのであろうか・・・。


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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その3

この記事にはネタバレが含まれます。

【2日目】 1月3日(金)
殺風景で暗い印象を与えていた撮影所のグレーの壁にカラフルな照明が施され、リハーサル現場は少し明るい雰囲気へと変容する。

しかし、この手の明るい壁の写真をこれまで見た記憶がなかったのはいったいどういう事なのだろうかと自問してみた。・・・が答えは出なかった。元々オリジナルのカラー画質自体が悪すぎたという側面もあったのだろうが、それにしてもリストアされた照明付きの画像はあまりにも鮮やかで、目を疑ってしまうほどである。

冒頭ではポール、ジョージ、リンゴの3人がグランドピアノの上で仲良くビートルズマガジンを読んでいるシーンが映し出される。この時期ビートルズが分裂してバラバラな状態だったとはいったい誰が言い始めたのだろうか??と、思わず疑ってしまうようなシーンである(笑)。ジョージがポールに言う、「ヒゲ似合ってるじゃん」。

"Taking A Trip To Carolina"
珍しくリンゴが自らピアノを弾きながら歌っている。しかも彼の自作曲である。

そして曲数を増やすため、ジョンとポールが昔に作曲した曲を使ってはどうか、という案が浮上する。

"Just Fun"
レノン/マッカートニーの作品で、そのさわりだけが披露される。よほどのマニアでなければ知らない曲だ。

"Because You Love Me So"
これもレノン/マッカートニーの曲だが、ポールは使えないと言う。

"Thinking Of Linking"
ポールの曲で、これはアンソロジーで3人がミニ再結成をした際に演奏された曲である。しかし、ここではわずか数秒しか演奏されない。

"Won't You Please Say Goodbye"
レノン/マッカートニーの曲だが、この曲もあまりパッとしない。

"One After 909"
いろいろやってみて、やっと採用されたのがこの曲だったのか、今さらながら目からウロコ(笑)。実際この古い曲はのちにルーフトップコンサートと『レット・イット・ビー』のアルバムにも採用されることになる。

"Ob-La-Di, Ob-La-Da"
途中からジョンも替え歌で自ら歌い、バンドがセッションを楽しんでいる感じが伝わってくる。

"Midnight Special"
一時期ポールがツアーでこの曲をよく取り上げていたのは、ジョンとの思い出からだろうか・・・などと考えてしまった。

"What Do You Want To Make Those Eyes At Me For"
マッカートニー/ジョンソン/モナコの3名による共作となっているが、詳細は不明。

"The Harry Lime Theme From The Third Man"
『第三の男』のテーマで、ジョンがギターを弾いている。

"I've Got A Feeling"
ポールの曲だが、ジョンの力を借りて歌詞の手直しをする過程が記録されている。

"Don't Let Me Down"
この曲は何度も出てくるが、ここでは短く終わる。

"Gimme Some Truth"
ジョンのソロアルバム『イマジン』に収録されている曲。

"All Things Must Pass"
ジョージの曲。ジョンがオルガンを弾き、代わりにジョージがジョンの席に座って歌う。ビートルズはジョンとポールの力が強すぎて、とかくジョージにはあまり発言権がなかったような言い方をされるのだけれど、このドキュメンタリーではジョージがけっこう自分の意見をしっかり言っているシーンが出てくる。また、他のメンバーもちゃんと彼の言葉に耳を傾けていることから、ビートルズは実際かなり民主的なバンドではなかったかと思われる。少なくともこのドキュメンタリーを観たかぎりでは。

ここで飲み物を頼むシーンが入るが、白ワインやビールを普通に頼んでいる(笑)。当時としてはごく当たり前シーンなのだが、4人共タバコはスパスパ吸うし、仕事中も普通に酒は飲むし、というわけでさすがに時代の流れを感じてしまった次第。健康的なのが必ずしも良いことばかりとはかぎらないのかも?(笑)

"I'm So Tired"
ジョンの曲だが、ポールが歌っている。他のメンバーたちも皆疲れている姿が映し出され、2日目の終わりとリンクする。

撮影とリハーサルは木曜から始まったため、今日が金曜。土、日は休みということで、3日目は翌月曜日ということになる。

ここまでビートルズの4人は精力的にリハーサルを行なってはいるが、僕が思うにまだまだ彼らは本気モードに入ってはいない。正直歌も演奏もありきたりでビートルズも人間だったのか・・・と思わせるようなレベルである。

2日間の休みを挟んで、彼らはどう変わってゆくのかを注目しよう。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その2

この記事にはネタバレが含まれます。

Part1 2時間36分
Part2 2時間53分
Part3 2時間18分

合計 7時間47分

蓋を開けてみたら、合計8時間弱という大作ドキュメンタリーであった『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』。

その物語は1969年1月2日トゥイッケナム映画スタジオから始まる。そこは音楽専用スタジオでさえもなかった・・・。

第1部(Part 1)

【1日目】 1月2日(木)
まったく何もないガランとした撮影スタジオに、メンバーの楽器や、マイク、アンプ、照明など最小限の機材が設置されてゆく。文字通り一からのスタート。

彼ら4人に与えられていた課題は、2週間のうちに新曲を14曲仕上げ、それらを観客の前で生演奏するということだった。それをもって、彼らは1966年以来中止していたライブ活動を再開するというプランだった。

かくして、だだっ広いトゥイッケナム撮影所にて、ビートルズ4人だけによるリハーサルが開始された。ジョンの傍らにはすでにヨーコの姿もあった。

"On The Road To Marrakesh"
ドキュメンタリーはこの曲で始まる。ポールとリンゴがまだ姿を現さず、ドラムセットも組まれていない中で、ジョンが立ったままギターを弾きながらこの曲を歌っている。なお、この曲はアルバム『イマジン』に収録された『ジェラス・ガイ』の原曲のようだ。

※なお、このドキュメンタリーで演奏される曲の多くが断片的で、1コーラス以上歌われているものはビートルズ自身の曲を除いてはほとんどないことを明記しておく。

"Don't Let Me Down"
ポールがまだ姿を見せていない中で、ジョンがギターを弾きながら歌っている。ジョージもコーラスをつけている。そして曲の途中でポールが登場。『The Beatles: Get Back』のタイトルが大きく画面にかぶさる。ジョージ・マーティンや、プロデューサーのグリン・ジョンズの姿も見える。

"I've Got A Feeling"
この時のリハーサルでは、文字通り4人が顔を突き合わせて演奏している。特にジョン、ポールの2人は互いのギターが触れそうなほどかなりの至近距離で歌い、演奏している。そしてポールから見るとジョンは常に右側に、ジョージは左側に、というのがこのドキュメンタリーを見るかぎり「彼らの演奏時の定位置」である。ヨーコはジョンの横で静かに座り、編み物をしたり、何かを食べたりとかなり自由な印象だ。

4人は皆この場所の音が気に入らず、口々に文句を言い始めるが、結局数日間はそこでリハーサルを行なうことに落ち着く。

"Jonny B. Goode"
ジョージがヴォーカルをとっているように見えるが非常に短い。

"Quinn The Eskimo"
ボブ・ディランの曲だが、これも非常に短い。

"I Shall Be Released"
これもディランの曲だが、流れるのはわずか数秒。

"Don't Let Me Down"
曲の構成などについて、かなり活発な意見交換が行なわれていて興味深い。

"Two Of Us"
他の曲と同様まだまだ初期段階で、ポールが曲について様々な説明を加えている。

かくして、プロジェクトの第1日目は先行きがかなり不透明、かつ不安定な中でのスタートとなった。

僕はまずその映像の美しさに圧倒された。これを観ていると、今までの映像はいったい何だったのかと思わずにはいられない。映画『レット・イット・ビー』の暗く、陰鬱な雰囲気は、映像自体の暗さ、不鮮明さからも大きな影響を受けていたように思う。今こうして同じ場所で撮影されたリストア映像を見ていると、実はそれほど現場は暗くなかったんだと知ってなんだか救われたような気分になってしまった。

リストアされた映像は、ビートルズ4人の表情を実に生き生きと、そして鮮やかに映し出している。これは本当に奇跡以外の何物でもないと思う。また4人は皆それぞれに個性的で最高にカッコよく、そのファッションを含めまったく古さ、陳腐さを感じさせない。これもまた驚くべきことである。

僕たちビートルズファンの見果てぬ夢を乗せて、今『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』号が出航する!

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Part3も秀逸

『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』Part3を見終わった。

合計7時間以上に渡る大作であったが、見終わった今は大きな満足感と余韻に浸っている。

これで僕はビートルズが今までよりも、もっともっと好きになった(笑)

そして、この作品を見終えた後には是非『レット・イット・ビー』のアルバム、できればスーパーデラックスエディションを聴き直してみていただきたい。

きっと、このアルバムが以前よりも100倍好きになっていることに気付くことであろう(笑)。

より詳細な感想については別途特集記事「『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想」に投稿する予定です。よろしければまたお越しください。

Thank you John, Paul, George, Ringo!!!

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その1

この記事にはネタバレが含まれます。

『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』のPart1を観終わった瞬間に、僕はこの作品について特集記事を書くことに決めた。というよりは、久々に書かねばならないという強い欲求に突き動かされていた。なんとしても言葉にして残しておかねばならないという感情に支配されていた。つまり、この作品がそれほど衝撃的だったということである。

結論から言ってしまえば、『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』は、ビートルズが残した278曲の公式オリジナルレコーディングを除くすべての作品の中で最も重要な作品となってしまった。これは現在のビートルズファンはもちろん、今後未来にファンになるであろう無数のビートルズファンにとって絶対に視聴すべき最重要の作品に格上げされたということである。映画『レット・イット・ビー』ではない。ピーター・ジャクソン監督の『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』がそうなったということだ。

今この衝撃は世界中に静かに広がっている。

なぜなら、この作品を本当に心の底から待ち望んできた人々というのは、おそらく50代から70代くらいの中高年世代に集中していると思われるからだ。彼らの多くが人生の絶頂期を過ぎ、様々なアップ&ダウンを経験した上で、今残りの人生を楽しんでいる。彼らはちょっとやそっとのことで大騒ぎはしない。だからその衝撃度の割に、世界は以前と同じままであり、驚くほど静かに思える。だが、そのインパクトは確実にじわじわと世界中に浸透しているし、今後も広がり続けることだろう。それほどこの作品が重要であるからだ。

この歴史的瞬間にファンの一人として立ち会えたことを本当に嬉しく思う。これから少しずつこのすばらしい作品を紐解いてゆくとしよう。(続く)

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Part2はさらにさらに素晴らしい

ビートルズファンであれば、誰しも『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』Part1を食い入るように見入ったであろう。

もちろん僕もその一人である。そして、そこには可能な限り最も真実に近いビートルズの姿がそこにあったと思う。もちろんカメラの前ということで、多少の演技や見せかけもあったかもしれない。だが、そもそも完全に素の彼らの姿など我々一般人が知り得るはずがないのだ。

そういう意味ではこれまでに公開されたいかなるビートルズ関係の映像の中でも、「最も真実に近い」素顔の彼らがそこに映し出されている・・・と僕は思う。

そして、Part1は僕の予想を遥かに上回ってすばらしかったが、Part2はさらにその10倍もすばらしかった。小さなスタジオに拠点を移した彼らは、まるで水を得た魚のように生き生きと語り、笑い合い、演奏していた。それはまたしても僕の予想を遥かに超えたものだった。

Part1が2時間36分。Part2は2時間53分。3部作で約6時間のドキュメンタリーと聞いていたが、Part1、2だけで既に5時間29分という大作となっている。おそらくアップルビル屋上でのライヴ(完全版?)が含まれると思われるPart3がいったいどうなるのか?本当に楽しみで仕方がない。

Thank you John, Paul, George, and Ringo!!!

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』配信始まる

残念ながら日本時間の0時に公開とはならなかったが、ついにディズニープラスチャンネルで『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の配信がスタートした。

まだパート1の半分ほどしか観ていないが、もうこれはビートルズ史上最高最強のドキュメンタリー映画であることはまちがいない。

本当にすばらしいの一言であり、これを完成させたピーター・ジャクソン監督にまずは深い感謝の意を表したい。

ビートルズ解散から50年後の奇跡・・・。これほどまでの感動が待っていようとはいったい誰が予想したであろうか。

ビートルズはやはり史上最高のグループである。

今はとにかく感動以外の言葉が見当たらないが、後日時間をかけて個人的な考察をブログ上で発表したいと思う。

Thank you John, Paul, George, Ringo!!!

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マッカートニー3,2,1

全世界のビートルズファンの皆様、おめでとうございます(笑)。

ついに明日11月25日『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』のパート1がディズニープラスチャンネルで公開される。

しかも、我々日本人は時差の関係で世界で最も早くこの記念すべきドキュメンタリーを目にすることができるものと思われる。

僕はといえば、当日は夜勤なので25日の0時になったら職場で早速視聴可能かどうかを確認しようと思っている。


というわけで、間もなく史上最強のビートルズフィルム『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』に世界中が度肝を抜かれることになるわけだが、なんと同じディズニープラスチャンネルでポールの最新ドキュメンタリーが配信されることがわかったので、今日はそれについて情報共有しておこう。

ドキュメンタリーのタイトルは『マッカートニー3,2,1』
してその内容は、ポールが音楽プロデューサー、リック・ルービンと共に楽曲にまつわる制作秘話を1対1で語り合うというシンプルだが非常に興味深いものとなっている。全6話構成。
ちなみに配信は12月22日からということで、これは間違いなくゲット・バック目当てで1か月限定でディズニープラスに入会したビートルズファン向けの「解約対策」と思われる(笑)。さらに調べてみたところ、このドキュメンタリーはすでにHuluなどの有料チャンネルで配信済ということだ(知らなかった僕が恥ずかしい・・・)。

以下はYouTubeの予告編である。



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ULTRA HDのプレイリスト

アマゾンミュージックの高音質版が追加料金なしで聴けるようになってからというもの、僕はずっと最高音質の"ULTRA HD"にはまりっぱなしである(笑)。

それでとうとうULTRA HDの楽曲のみでプレイリストを作り始めてしまった。といっても、もちろん何でも手あたり次第にではなく、特別好きな曲ばかりを集めたULTRA HD専用のプレイリストである。

そうやって実際に曲を集め始めてみると、意外とULTRA HDの曲というのがまだまだ少ないということがわかってしまった。ULTRA HDの下のHD音質に関してはざっと全体の8割~9割といった印象だが、CDを軽く上回るという最高音質のULTRA HDはまだまだ全体の1割以下という感じである。

というわけで、実際にはお目当ての曲がまだまだ全然入れられていないというのが正直なところなのだが、とりあえずは約100曲ほどのプレイリストができた。

管理人作成、ULTRA HDのプレイリスト

こうして出来上がったプレイリストをランダム再生で聴き始めてみると、理屈ではなく音楽を聴くことの喜びがふつふつと湧き上がってきて、簡単には音楽を聴くことをやめることができない自分に本当に驚いてしまう。そして何時間聴いていても疲れない不思議。

そして今痛切に感じていることは、音楽とはまさに「血が通った生き物」であるということだ。僕たちがCDや、MP3などの圧縮音源で聴かされてきたものは血を抜かれたパサパサの干物のようなものだったのだ。事実僕は30代~40代の頃、突然音楽を聴くことに興味が湧かなくなってしまい、それはただ年齢による感覚の衰えか何かだと勝手に思い込んでいたのだが、今ではそれがまちがいであることを知っている。というのも実際僕は今10代の頃とほとんど変わらないほど音楽を聴きまくっているからだ。それは年齢とはまったく関係がなかったのだ。

しかも、僕はハイレゾ専用の機器を揃えてULTRA HDを聴いているわけではない。僕はただiPhoneと1万円程度のワイヤレスイヤホンだけで十分に音楽が堪能できている。だが、それなりのお金をかければいったいどれほどの感動が待っているのか・・・そこにはきっと想像もできない「原音に近い世界」が待っているにちがいない。

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『ゲット・バック』がやってくる!!

待ちに、待ちに、待ちに待った映画・・・いや、もといドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』がいよいよ11月25日ディズニーチャンネルに初お目見えする。

元はと言えば、昨年8月に映画として公開されるはずだったこの『ゲット・バック』。それがコロナの影響で1年間も公開が延期になり、その後公開形式が映画からウェブ配信によるドキュメンタリーフィルムへと変更されることが正式にアナウンスされた。

映画としてのロードショー公開がなくなったのは残念であったが、収録時間が約6時間という長編ドキュメンタリーに生まれ変わったことは僕にとっては嬉しい誤算であった。すでに予告編で公開されたあの高画質で6時間もビートルズの映像が観れることになろうとは・・・。そう考えるとコロナによる1年間の公開延期も今となってみればまんざら悪いものではなかったという気がしている。

さて、いよいよ公開まであと10日ということになって新たな予告編もリリースされた。改めてリストア技術の進歩に驚かされると共にこの映像は本当にとんでもないお宝であることを再認識させられた。このドキュメンタリーのリリースにより、ビートルズの歴史が書き換えられることはまちがいないだろう。



僕はディズニープラスチャンネルの登録も終わり。あとは11月25日が来るのを待つばかりである。

ちなみにディズニーチャンネルは思ったよりコンテンツが充実している。スターウォーズやアベンジャーズは個人的には少し期待はずれだったが、それ以外にも観たい作品が目白押しである(昨日は「ノマドランド」を観て感動した)。子供にもマーベルのシリーズが見放題なので大好評である(笑)。

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ABBA復活!!

ついに、ついにABBAの40年ぶりの新作アルバム『Voyage』が発売になった。

このアバ復活のニュースは先行して公開された新曲2曲と共に瞬く間に世界中に駆け巡っていた。そして多くのポップスファンの心を躍らせた。もちろん僕もその中の一人である。

しかし・・・僕がまず真っ先に心配したのは、彼らの年齢だった。40年ぶりともなれば当たり前だが、彼らは全員70代なのである。

70代といえば、長寿の我が国日本でさえもうかなりのじいちゃん、ばあちゃんである。たとえばポールのように継続的に作品を発表してきたアーティストであれば、段々と年をとってゆく過程の中で僕たちファンもある程度納得した上で作品に耳を傾けることもできる。しかし、40年という長い長い時間沈黙があり、いきなり年老いた4人が登場!!ともなれば、ほとんどのファンはそのあまりのギャップに驚くはずである。

というわけで、ABBAの大ファンである僕も、新作アルバムに先行して発表された2曲を聴く前にはかなりの勇気を要したものだ。もし、それが聴くに堪えないものであったとしたら、それは期待から一転、一気に奈落の底へと突き落とされる結果になったであろうから。

しかし、その心配は不要だった。たしかに年齢による声の衰えは多少感じさせるものの、あの唯一無二のABBAサウンドは健在だったからだ。


そして今、全10曲収録の完全オリジナルニューアルバム『Voyage』が僕の元に届けられた。

今はまだ通しで1回目を聴き終わったばかりだが、ファンの期待を裏切らない出来であることだけは自信を持って言うことができる。

4人の音楽に対する深い愛情がアルバム全体からほとばしっている。

ひと言でいえば、このアルバムは奇跡の1枚である。


彼らのポジティブで優しさに満ちた音楽は現在の暗い世情にきっと一条の光を投げかけてくれることだろう。

復活おめでとう、ABBA!!

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ディズニープラスに入会してみた

今日の1曲:『Perfume/レーザー・ビーム』

『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』が11月25日から3日連続で「ディズニープラス」というウェブチャンネルで配信されることは以前からお伝えしているが、このほどディズニープラスがリニューアルして入会方法等が変更になったというのでその内容を確認してみた。

まず月額料金だが基本的に990円でサイト内すべての作品が見放題ということになっている。

なお10月31日まではドコモから入会すれば初月のみ780円で入会できるとのこと。(おそらく11月分からは990円)

以前はあった初月無料の特典は僕が確認したかぎりでは見つけることができなかった。

勝手な想像だが、おそらくこの時点でのサイトリニューアルは『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』だけを目当てに1か月だけ入会する世界中のビートルズファン対策なのではあるまいか(笑)。なにしろ『ゲット・バック』目当てに1か月間だけディズニープラスに入会するファンというのはディズニーにはそれほど興味がない中高年が中心であり、その数はおそらく世界中で100万人は下らないであろうから、ここで初月無料の特典を失くするメリットは十二分にあるわけだ。僕を含めファンは全員初月無料でなくても入会するからねぇ(笑)。100万人×990円=9億9000万!

というわけで、たった990円ぐらいでいい大人がグダグダ言ってるのも情けないので、早速スマホでディズニープラスのアプリをAppleのAppストアでダウンロードし、1分で会員登録を済ませてしまった。ちなみにApple経由だと月額が10円だけ高くなって1000円の月額料金となる。

ちなみに僕は10月28日に入会したから、1か月で解約しても『ゲット・バック』第3話が配信される11月27日まではバッチリ視聴可能となる。ウシシ。

というわけで、ちょっと気が早いが僕がディズニープラスに今の時点で入会したのは見逃していたスターウォーズのシリーズが観たかったからである。実際に入会して確認してみたらこれまでのすべてのシリーズ9作が試聴できるのはもちろん、評価の高い『ローグ・ワン』などのスピンオフ作品もすべて視聴できるようだ。まあ、僕にとってはこれだけでも1000円の元は取れるというものだ(笑)。

ちなみに11月のラインナップとして『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の宣伝もしっかりしてあった。

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アマゾンミュージック HDであなたの音楽人生が変わる

高音質ストリーミングによる驚異の音楽体験は語っても語っても語り尽くせないところがある。結局は自分自身で体験してみるしかないというわけなのだが、ひと言でいえば僕の子供の頃からの夢の一つがそのままリアルに叶ったという感じなのだ。しかし僕の周囲ではまだまだ毎月お金を払ってまで音楽を聴くということに抵抗のある人が多い。

だが、これは世の中によくある「固定観念」の一つであり、一度この世界を知ってしまったらもう二度と元の世界には戻ることはできないだろう。

このほどアマゾンミュージックの高音質版であるアマゾンミュージックHDが追加料金なしで利用できることになったことで、僕はなおさら声を大にして叫びたいのである(笑)。音楽が好きな人は今すぐこのすばらしいサービスを体験してくださいと。それはなにもアマゾンミュージックに限ったことではなく、アップルミュージックだってSpotifyだってかまわない。とにかくスマホとワイヤレスイヤホンさえあれば即座にハイレゾオーディオに匹敵する音楽体験ができるということ。そして、世界中の何千万という曲に好きなだけアクセスできるという幸せ。これを僕はなるべく多くの人に体験してもらいたいのである。特に僕と同じ中高年のあなた、これを知ればきっとあなたの人生は変わります(笑)。実際、信じられない事だが、僕は今人生で一番音楽を聴いていた10代の頃よりも音楽を聴いているのです。

僕はただ自分がアマゾンプライムの会員だから、他社よりも安い月額780円で利用できるアマゾンミュージックを推しているだけである。実際にアプリの使い勝手もよいし、今のところ文句はない。

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というわけでアマゾンミュージックの高音質版について簡単に解説しておこう。というのも、現状すべての楽曲が高音質化されているわけではなく、大きくULTRA HD、HD、SDの3つのグレードに分かれているからだ。

ULTRA HD・・・これがいわゆる最高音質である。標準音質の10倍以上のデータ送信量で、その音質はCD以上、曲によってはスタジオレコーディングに匹敵する、と定義されている。はっきり言って現状これ以上の高音質は望めないというレベルだ。よって受信するデータ量もハンパないのでストリーミングにはWiFi環境が必須である。モバイルデータで使用すると大量にデータを消費してしまうので注意が必要。

HD・・・高音質。標準音質の2倍以上のデータ送信量で、CD程度の音質とされる。現状はこのHDが一番多いと思われる。

SD・・・標準音質。データがかなり圧縮されているのでモバイル通信でも十分に対応可能。

なおULTRA HDの効果を最大限に体感したければハイレゾ用の機器を追加購入する必要があるのだが、僕自身はSONYの廉価なワイヤレスイヤホン(1年以上愛用している)だけですでに十二分にすばらしい音質を日々堪能している。参考までに以下に紹介しておくが、けっして高価な製品ではない。より上位の製品であればさらによい音が体験できるだろう。ちなみにワイヤレスイヤホンは安い中国製のものが大量に出回っているが、壊れやすく、性能もそれなりなのでやはり日本製か、ゼンハイザーなどの製品をおすすめする(僕が買った中国製は半年以内に2個壊れました)。

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以下は僕が毎日ランダム再生で聴いているマイプレイリスト(500曲 約35時間)です。何時間でも聴いていられます(笑)。
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初公開のプレイリスト 「ベスト・オブ・ポール・マッカートニー」(235曲 約13時間)もよろしかったらどうぞ(笑)
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高音質版Amazon Music HDが追加料金なしで利用可能に!!

Amazon Music Unlimitedの高音質版であるAmazon Music HDのすばらしさについては、これまで何度も当ブログにおいて語らせてもらってきた。

なにしろマスターテープの音質に匹敵する驚異のハイレゾ音源が自宅に居ながらにして簡単に聴けてしまうのだから・・・。

だがこのAmazon Music HD、これまではAmazon Music Unlimitedの月額980円(プライム会員は780円)にプラスして追加で980円(プライム会員は780円)を支払わなくてはならないのがネックになっていた。だから僕もHDに切り替えるのはじっくり音楽が聴けるときだけ(年に3~4カ月)に限られていたのだが、なんとこのほどこの追加料金がかからなくなってしまったようなのだ。

Amazonもなかなか憎いことをする。これからはハイレゾ音質が聴き放題とは・・・これでますます僕の音楽ライフが充実してゆくことだけはまちがいない。好きな音楽を好きなだけ聴き倒すことができるこの幸せに勝るものはなし!!(笑)。

すでに会員の方は、よろしければ私が厳選に厳選を重ね作成したプレイリストもお試しください。ランダムで聴くのがオススメ♪演歌からクラシックまで500曲のプレイリストです。現在第2弾も作成中(10/20現在400曲突破)。

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『レット・イット・ビー』リミックス クイック・レビュー

『レット・イット・ビー』のリミックス盤がついに発売になった。

しかし、もうすぐ公開される映画のリメイク版ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』に比べると、僕の期待度はかなり低めだった(苦笑)。実際、買ってから聴いたのはボーナスディスクだけで、本来はメインであるはずのリミックス盤は今日の今日までほったらかしにしていたのである。

もちろんそれにはちゃんと理由があって、僕は『サージェント・ペパーズ』を除いては、これまでのリミックス盤の出来にあまり満足していなかった。つまり『ホワイト・アルバム』と『アビイ・ロード』のリミックスに関しては完全に「ノー」だったのだ。

というわけで、僕自身はやはり2009年のリマスター盤が永遠に僕の中でのスタンダードになっていくであろうと思っていた。

そんなわけで、今回の『レット・イット・ビー』リミックスも、とても期待するような気持ちになれなかったのである。

しかし、世の中でよくある事が今回も起こってしまった。つまり、「期待しないときにかぎってよい結果が起こる」というやつだ(笑)。


僕はまったく何の期待もしないでワイヤレスイヤホンを装着し、軽い気持ちでこのリミックス盤を聴き始めた。『トゥー・オブ・アス』『ディグ・ア・ポニー』あたりまでは、特に良くもなく、悪くもなくという感じだった。

しかし『アクロス・ザ・ユニヴァース』から突然何かが変わった。これまでは何か霧がかかったようで、こもり気味のサウンドが好きになれなかったこの曲が、突如として半分眠りこけていた僕の目を覚ましたのである。

これはよい。この一曲だけでもリミックス盤を聴いてよかった。そう思えるぐらいの出来である。『アクロス・ザ・ユニヴァース』、今まで色んなバージョンがあったけど、どれも僕にとってはイマイチな感じだった。でも今はこのバージョンが一番好きだ。

そして『アイ・ミー・マイン』も。今までなんとなくこのアルバムにそぐわない感覚を覚えていたのが、実にすんなりと、実に静かにアルバム全体に溶け込み、調和している。そして美しい。

そう、このリミックス盤が最も優れている点は、一枚のアルバムとしての統一感が増した・・・ということにある。

ビートルズのオリジナルアルバムの中では最も寄せ集め感が強く、僕の中ではなんとなく浮いたイメージのあった『レット・イット・ビー』が、このリミックス盤によってようやく本当のビートルズのアルバムになったような気がしたのである。個々の曲の出来もさることながら、全体としての調和を感じさせるリミックス盤『レット・イット・ビー』。僕は素直に90点としておきたい。

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の新しいトレーラー映像

11月25日から3日間連続で全世界同時公開される『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の新しい公式トレーラー映像がついに解禁となった。

約4分ほどにまとめられた動画だが、僕はこれを観ているだけで胸が高鳴り、思わず涙がこぼれそうになる自分を抑えることができなかった。おそらくこのドキュメンタリーは僕たちがこれまでに観てきたどの映像よりもビートルズというグループの実像に近づいた最重要の作品になるにちがいない。

『レット・イット・ビー』から『ゲット・バック』へ・・・。解散から50年という月日を経て、今ビートルズの歴史が書き換えられる。



ディズニープラス
https://disneyplus.disney.co.jp/program/thebeatles.html

ザ・ビートルズ:Get Back(日本語版)


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公式書籍『ザ・ビートルズ:Get Back』発売

間もなく公開されるピーター・ジャクソン監督による映画『ザ・ビートルズ:Get Back』と同名の公式書籍がいよいよ10月12日に発売となる。

コロナ等の影響で残念ながら映画自体のロードショー公開は見送られてしまったが、悲しむ必要はない。代わりにそれは約6時間にも及ぶ3部作のドキュメンタリーフィルムという形で生まれ変わり11月25日・26日・27日の3日間、インターネットのディズニープラスチャンネルにおいて独占配信される。

話題性が乏しくなってしまったのはたしかに残念だが、個人的には高画質、そして低価格なウェブ配信で見放題というのはむしろ歓迎である。ちなみにディズニープラスの月額料金は770円。映画よりは遥かにリーズナブルだ。

ディズニープラス
https://disneyplus.disney.co.jp/program/thebeatles.html

というわけで、やはりメインはなんといってもこのドキュメンタリーなのだが、アンソロジー以来というこちらの公式書籍も持っておいてきっと損はないと思う(僕自身は今のところ買う予定はないが、笑)。

なにしろ、これはビートルズ関係ではおそらく真に注目に値する最後のプロジェクトになると思われるから、ファンもそのつもりで心して臨んでおくに越したことはない。僕自身、ビートルズのレコードだけでもアナログ、CD、リマスターCD、リミックスCDと同じものを何度も何度も買わされ続けてきたが、それもこのゲット・バックで最後にしようと思っている。今までありがとう、でももう十分だ(笑)。

ちなみにこの本、僕は英語版だけだとばかり思っていたのだが、ちゃんと発売日に日本語版が出るようだ。

ザ・ビートルズ:Get Back(日本語版)


そして10月15日にはいよいよ『レット・イット・ビー』のリミックス盤が発売だ。

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リンダの料理本

今日の1曲:『丸の内サディスティック』/椎名林檎

ポールの前妻リンダがガンで亡くなったのは1998年だった。なんと今からもう23年も前のことになる。

だが、僕のように50代以上のファンにとってリンダはけっして「ポールの前妻」などという言葉で片付けられるような存在ではない。

誰が何と言おうとポールの奥さんはリンダ唯一人だけなのであるから。

彼女は本当にすばらしい女性だった。

存命中は常にポールの陰に隠れていたリンダだったが、一人の人間としての存在感は年を追うごとに増しつつあるように感じられる。そして彼女がこの世に残した数々の遺産は、ポールと彼女の子供たちの手によってしっかりと、そして着実に受け継がれている。

今日紹介する彼女の料理本”Linda McCartney's Family Kitchen”もそんな彼女の功績を今の世に伝える重要な書籍の一つである。

菜食主義者、ベジタリアンの先駆者の一人として、そしてベジタリアン料理をこの世に広めた最初のセレブの一人としてリンダは数々のベジタリアンのためのレシピをこの世に残した。そして、それらを現代人にも受け入れられやすいように手を加え、編集し直したのがこの本である。

Linda McCartney's Family Kitchen: Over 90 Plant-Based Recipes to Save the Planet and Nourish the Soul(英語)



まだ日本語化はされていないが、欧米では既にかなり高い評価を得ているようなのでベジタリアン料理に興味のある方、そして実際にポール自身が日常的に口にしている料理がいったいどういうものなのかを知りたい方は参考にされるとよろしいかと思う。

僕自身も残りの人生をベジタリアンに向かって少しずつ進んで行きたいと思っている次第だ(笑)。ポールとリンダは今も僕たちファンの道しるべである。

YouTubeにはポールと愛娘メアリー、ステラによるスペシャルな動画もアップされている。ポールの元気な姿も見れる。

https://www.youtube.com/watch?v=fsQ0oaK_y5U&t=421s

それにしてもポールと娘たちの仲の良さといったら・・・。ポール偉大なり。

今日の1曲:『丸の内サディスティック』/椎名林檎
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そしてさらに驚異の高音質の世界へ
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すごいもの見つけました

今日の1曲:『Fallen』/サラ・マクラクラン

毎日YouTubeを観ていると、時々思いもよらぬお宝と出会うことがある。

今日紹介するのは僕の中で過去1、2を争うお宝動画である。

読者の皆さんは”Live From Daryl's House”という番組をご存知だろうか。この番組はホール・アンド・オーツのダリル・ホールが自宅スタジオに様々なミュージシャンを招待して即興のジャムセッションを行なうという番組で、初めはインターネットライヴという形で2007年から始まったという。放送回数は現在までに84回を数える。

僕が初めにこの番組の存在を知ったのはYouTubeを通してだった。それらはライヴセッションを断片的に切り取ったものだったのだが、そのレベルの高さに僕は驚嘆した。

僕はなんとかしてこの映像を完全な形で観ることはできないだろうかとネットを検索した。

そうして見つけたのが以下のウェブサイトである。そう”Live From Daryl's House”のホームページである。

https://www.livefromdarylshouse.com/

驚くなかれ、このサイトに行けば多くのライブセッションがほぼ完全な形で、しかも「無料」で視聴できてしまうのである。

ここで目にするものをあなたはきっと信じることができないであろう。

これぞ音楽、これぞロック、これぞプロフェッショナルな人々による正真正銘、本物のライヴ!!最高の演奏がここに眠っているのである。

これらは僕がこれまでに観たどんなライヴ演奏にも負けない最高のパフォーマンスだと断言できる。はっきり言って無料であることが僕には信じられない。完全に有料級の音楽がここにある。億万長者のダリル・ホールだからこそできた芸当であるとも言えるだろう。

さて、それでは視聴方法を。ウェブサイト自体は英語だが、視聴は簡単である。サイトの右手にある「Episode Archive」の「Choose an Episode」から観たいアーティスト名をクリックするだけだ。

スマホでももちろん視聴できる。できればイヤホンを装着して横画面で観ることをオススメする。音もすばらしくよい。

僕のオススメはスティクスの「トミー・ショウ/Tommy Show」の回と、チープトリックの回である。ジョー・ウォルシュの回も最高だ。だが実のところ、お恥ずかしながら、僕はこのライブに出演しているアーティストの大半を知らなかった(笑)。なのでこれから勉強しようと思っているのだが、とにかく、トミー・ショウもチープ・トリックのメンバーたちも全員60代~70代前半というのがとても信じられないほどパワフルで素晴らしいパフォーマンスを披露してくれている。そのあまりのすばらしさに、僕は演奏の途中で何度も何度も驚きの声を上げ、全身に鳥肌が立つのを抑えることができなかった。こんなすばらしい演奏がほとんどの人に知られていないのは罪である、ということで、僕は自分のブログで紹介することに決めたというわけだ。

それにしてもこの番組のホストを務めるダリル・ホールという人の人柄のすばらしさ、そして彼をしっかりとサポートするメンバーやスタッフたちのプロフェッショナルな仕事ぶり。そしていくつになっても何より音楽を愛してやまない人々の姿勢、そして生き方・・・。ああ、音楽ってなんてすばらしい・・・と思わず泣きたくなってしまう。そして、彼らがほんとうにうらやましいと思う。

ダリル・ホールも今年74才。だが、なんてカッコイイおじいちゃんなんだろう。今後ますますお元気でご活躍されんことを!!

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Essential Daryl Hall & John Oates


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"The Lyrics: 1956 to the Present"に収録される曲名が明らかに(4)

ポールの大ファンでありながら、実は僕はポールの書いた歌詞をほとんど意識的に読んだことがない。なぜなら、僕にとってポールの音楽とはあくまでも「彼の紡ぎ出す音楽そのもの」であって「詩」ではないからだ。

そんなわけで、僕は歌詞カードを見ながら彼の音楽を聴いたさえほとんどないくらいなのだ。そういう意味では僕はかなり変わったファンなのかもしれない。

ここで改めてポール・マッカートニーの作詞能力について考えてみると、その偉大なる音楽的業績の割にはあまり評価されていない・・・というのがおそらく一般的な見方であろう。これは単にジョン・レノンとの比較のみにとどまらず、現代のロック、ポップス全体を見まわしても、純粋に作詞家としてのポールは特別抜きん出た存在ではないように思われる。だた、それにもかかわらず僕が今回この詩集を購入しようと決めたのには訳がある。その理由の一つは、歌詞という領域を離れたとき、ポールは実にいい文章を書くからである。

というのも、僕は当ブログ上でポールの手記を何度か自分の力で訳したことがあるからだ。そのときに感じたのは、ポールの文章表現能力が実に優れているということだった(これはエルヴィス・コステロの手記を訳した時にも同様に感じたことである)。だからたとえ一篇、一篇の詩について・・・という限定したものであったとしても、ポール自身が書く文章の内容にとても興味があるのである。

さらに言えば・・・、僕はこの本がひょっとしたらある種ポールの「遺言」のようなものになるのではないかと感じている。遺言とは元気なうちに書いておくもの、という側面もあるから誤解しないでいただきたいのだが、ともかくまだポールが元気で頭がハッキリしている間にこのような本が出版されるということは、やはり長年のファンにとっては特別な感情が沸き上がってくるのを感じざるをえないのだ。

ポールはビートルズ解散後も、僕たちファンの見果てぬ夢を叶え続けてくれた・・・。たくさんの作品、たくさんのライヴ活動、たくさんのビートルズ曲の演奏、ジョージ、リンゴとの共演、アンソロジープロジェクト、アーカイヴコレクション、そしてついに詩集までも・・・。これはファンとしては絶対に手元に置いておかなくてはならないものになると思う。

2021年11月2日発売
The Lyrics: 1956 to the Present(英語版)/ポール・マッカートニー

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