ポールに駄作はあるのか? その1
どんなにすごいアーティストでも、駄作と言っていいような作品の一つや二つはあるものだ。モーツァルトやベートーベンに駄作があったかどうかは知らないが、少なくとも現代のポピュラーミュージックにおいては、アルバムの中にほとんど聴かないほどつまらない曲があるのを僕たちは経験的に知っている。アーティストによってはそれが全アルバムのうち半分くらいであったり、ひどい時にはシングル曲以外は全部駄作だった・・・なんてこともある。だが一方、作品の良し悪しというのは多分に主観的なものでもあるから、自分にとっての駄作が他のすべての人にとって駄作であるとは限らない。ここが駄作を駄作と断じることの難しさでもある。自分にとっての駄作が、他人にとっては超名曲であることもまた十分にあり得ることなのだ。
ゆえに、ここから先僕が書くことはあくまでも僕個人の主観であることを理解していただいた上でお読みいただきたい。ちなみに僕にとっての駄作の定義とは「聴く価値のない曲、もしくは全く聴きたくならない曲」という意味である。
さて、ポール・マッカートニーである。
現代最高の天才作曲家である彼に駄作というものは存在するのか?僕にとってその答えはイエスでもあり、ノーでもある。
まずは過去公式にリリースされた作品群であるが、それらの中に本当の意味で駄作と呼べるような曲を見つけるのは極めて難しい。少なくとも僕にとっては・・・。アーカイヴシリーズが始まる前までは、僕は長い間ポールの駄作に関する記事を書くのをためらっていたほどである。だが、アーカイヴが出たことで、「ああポールもこんな曲を作っていたんだな(笑)」などと思えるようになってきた。
まずは公式リリースの中で僕が駄作としてノミネートするとしたら、以下の曲を挙げることだろう(対象曲はオリジナル作品に限る。またファイヤーマンは今回対象外とした。)。
・クリーン・アクロア
・ビップ・バップ
・ループ
・ズー・ギャング
・チェック・マイ・マシーン
・シークレット・フレンド
・タッグ・オブ・ピース
・リアリー・ラヴ・ユー
・ジャイプールへの旅
・フリーダム
・グローイング・アップ・フォーリング・ダウン
以上11曲のノミネート作品のうち、僕が真の駄作と認めたのはただ1曲のみ、ジャジャーン!
『シークレット・フレンド』である。
そもそも『マッカートニーⅡ』はリリースを意識しない遊び感覚で作り始められたアルバムと言われているから、『チェック・マイ・マシーン』のようにもともと機材チェックを目的に作られた曲や、実験的な曲、かなり適当に作ったと思われる曲が含まれている。アーカイヴ『マッカートニーⅡ』のボーナスディスクはある意味駄作の宝庫とさえいえる(笑)。アーカイヴ・リリースを含めた駄作候補は次回の記事で触れることにして、まずは公式リリース作品の中では個人的に『シークレット・フレンド』は煮ても焼いても食えないポール唯一の曲ということで発表しておきたい。なんせこの曲、無駄に長いのである。同列の曲で『チェック・マイ・マシーン』も長いがこちらは多少変化とアドリブに富んでいるからまだしも、『シークレット・フレンド』は単調で長いからどうしようもない。ロングバージョンに至っては10分を超える大作となっている。ポールがいったいどういった意図でこの曲をここまで長くしたのかには首をひねらざるを得ないのである。この曲にしたって2、3分でまとめてくれたらノミネートぐらいで終わったかもしれないのに。
しかし、それにしてもソロ期だけで500曲近い楽曲を発表し、そのうちで駄作に近い作品というのが10曲程度というのは驚異的な少なさである。しかも、僕はファンだからといってけっして採点を甘くしているわけではない。本当にポールの曲というのはいい曲も、またそれほどではない曲もそれなりの魅力があり、それぞれが十分に聴くだけの価値を有しているのである。(続く)
参考:
Pure McCartneyデラックスエディション国内盤
HMV
/Amazon
/
Tower Records
Pure McCartneyデラックスエディション海外盤
HMV
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Tower Records
ゆえに、ここから先僕が書くことはあくまでも僕個人の主観であることを理解していただいた上でお読みいただきたい。ちなみに僕にとっての駄作の定義とは「聴く価値のない曲、もしくは全く聴きたくならない曲」という意味である。
さて、ポール・マッカートニーである。
現代最高の天才作曲家である彼に駄作というものは存在するのか?僕にとってその答えはイエスでもあり、ノーでもある。
まずは過去公式にリリースされた作品群であるが、それらの中に本当の意味で駄作と呼べるような曲を見つけるのは極めて難しい。少なくとも僕にとっては・・・。アーカイヴシリーズが始まる前までは、僕は長い間ポールの駄作に関する記事を書くのをためらっていたほどである。だが、アーカイヴが出たことで、「ああポールもこんな曲を作っていたんだな(笑)」などと思えるようになってきた。
まずは公式リリースの中で僕が駄作としてノミネートするとしたら、以下の曲を挙げることだろう(対象曲はオリジナル作品に限る。またファイヤーマンは今回対象外とした。)。
・クリーン・アクロア
・ビップ・バップ
・ループ
・ズー・ギャング
・チェック・マイ・マシーン
・シークレット・フレンド
・タッグ・オブ・ピース
・リアリー・ラヴ・ユー
・ジャイプールへの旅
・フリーダム
・グローイング・アップ・フォーリング・ダウン
以上11曲のノミネート作品のうち、僕が真の駄作と認めたのはただ1曲のみ、ジャジャーン!
『シークレット・フレンド』である。
そもそも『マッカートニーⅡ』はリリースを意識しない遊び感覚で作り始められたアルバムと言われているから、『チェック・マイ・マシーン』のようにもともと機材チェックを目的に作られた曲や、実験的な曲、かなり適当に作ったと思われる曲が含まれている。アーカイヴ『マッカートニーⅡ』のボーナスディスクはある意味駄作の宝庫とさえいえる(笑)。アーカイヴ・リリースを含めた駄作候補は次回の記事で触れることにして、まずは公式リリース作品の中では個人的に『シークレット・フレンド』は煮ても焼いても食えないポール唯一の曲ということで発表しておきたい。なんせこの曲、無駄に長いのである。同列の曲で『チェック・マイ・マシーン』も長いがこちらは多少変化とアドリブに富んでいるからまだしも、『シークレット・フレンド』は単調で長いからどうしようもない。ロングバージョンに至っては10分を超える大作となっている。ポールがいったいどういった意図でこの曲をここまで長くしたのかには首をひねらざるを得ないのである。この曲にしたって2、3分でまとめてくれたらノミネートぐらいで終わったかもしれないのに。
しかし、それにしてもソロ期だけで500曲近い楽曲を発表し、そのうちで駄作に近い作品というのが10曲程度というのは驚異的な少なさである。しかも、僕はファンだからといってけっして採点を甘くしているわけではない。本当にポールの曲というのはいい曲も、またそれほどではない曲もそれなりの魅力があり、それぞれが十分に聴くだけの価値を有しているのである。(続く)
参考:
Pure McCartneyデラックスエディション国内盤
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Pure McCartneyデラックスエディション海外盤
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