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『ピュア・マッカートニー』収録曲レビュー その2 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

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『ピュア・マッカートニー』収録曲レビュー その2

『ピュア・マッカートニー』の収録曲を見て多くのファンが感じることは、「この曲を入れるなら、なぜあの曲が入っていないの?」というあたりだろう。もちろん曲の好き嫌いは人それぞれだし、特にポールのようなアーティストのベスト曲を選ぶ場合、万人を納得させるようなことは不可能なのだが、それにしてもあまりにバランスが悪いというのが僕の正直な感想である。

ポールは彼のチームと共に「ただ純粋に楽しめるものを」という基準で収録曲を選んだということだが、この収録曲リストを見るかぎり本当に心の底からポールの音楽が好きで、彼の全キャリアの曲を聴き倒した人が果たしてそのチームの中にいたのか??という疑問が当然のように湧き上がってくるのである。もしくは少し穿った見方かもしれないが、実際のところ選曲はほぼポール自身が行ない、ポールに意見できる人が誰もいなかったためにたとえば『Bip Bop』のような曲が入ってしまった、というような考え方も可能であろうと思う。

とにかくこのトラックリストを見て、改めて自分だけのベスト曲集を作ろうと思った人はきっとかなりの数にのぼるのではないだろうか(笑)。

問題点その1は、前回の記事でも書いた通り、ベスト盤なのにかなりヒットした曲が外されていることである。単純にチャートの順位だけで考えても英米で10位内に入った曲が4曲も外されている。これは他のアーティストならば考えられないことだろう。

『メアリーの子羊』(米28位、英9位
『愛しのヘレン』(米10位、英12位)
『テイク・イット・アウェイ』(米10位、英15位)
『スパイズ・ライク・アス』(米7位、英13位)

特に『メアリーの子羊』、『スパイズ・ライク・アス』、『愛しのヘレン』はアルバム未収録シングルであるから外すべきではなかったと思う。

問題点その2:アルバムごとの収録曲数に大きなバラつき
まずアルバム『フラワーズ・イン・ザ・ダート』『ラン・デヴィル・ラン』『ドライヴィング・レイン』からは1曲も収録されなかったこと。反対に『フレイミング・パイ』からは8曲も収録されている。このバラつき自体がポールの好き嫌いを直接的に反映しているように僕には思えてならない。『フラワーズ・イン・ザ・ダート』からは『マイ・ブレイヴ・フェイス』か『フィギュア・オブ・エイト』、『ラン・デヴィル・ラン』からは『ラン・デヴィル・ラン』、『ドライヴィング・レイン』からは『フロム・ア・ラヴァー・トゥ・ア・フレンド』か『ロンリー・ロード』か『ヘザー』のうちそれぞれ最低1曲は収録すべきだった。『フレイミング・パイ』に名曲が多いのは認めるが、それでも8曲は多すぎる(他のアルバムは多くても5曲)。しかも『ヤング・ボーイ』が入っていない!ここは『ソングス・ウィー・ワー・シンギング』、『グレイト・デイ』、『リトル・ウィロー』、『フレイミング・パイ』は外して『ヤング・ボーイ』を入れるべきだったというのが僕の意見だ。

問題点その3:アルバム未収録曲が少ない
今回のベスト盤。まあ入門者、初心者向けにはよしとしても、やはり長年ポールを追いかけてきたファンにとってはわざわざダブりの曲を買い直すだけの理由が欲しいものだ。よって以下のようにオリジナルアルバムには収録されていなかった名曲はぜひとも収録してほしかった。

『Vanila Sky』、『(I Want to) Come Home』、『サリーG』、『ワンダフル・クリスマス・タイム』、『ガールズ・スクール』、『アイルランドに平和を』、『カット・ミー・サム・スラック』

また欲をいえば、スカッとするような新曲を1曲入れてほしかった(昔のポールならそれができたと思うが、さすがにこれは贅沢か)。

最後によかった点を。
なんといってもアルバム『プレス・トゥ・プレイ』以降の曲が初めてベスト盤に収録されたことが嬉しい。最新アルバム『NEW』からも5曲も収録されていてただの集大成的なベストではなく現役感いっぱいのところもよい。ポールが今現在も現代最高のソングライター&パフォーマーであることを若い世代にも知ってもらいたいと思う。

参考:
Pure McCartneyデラックスエディション国内盤
HMViconAmazonTower Records

Pure McCartneyデラックスエディション海外盤
HMViconAmazonTower Records

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