2015日本公演観戦記 その1
4月23日(木)、東京ドーム公演初日を観に行った。
結果から先に書いてしまおう。今回の東京ドーム公演は、僕が過去7回行ったポールのコンサートの中で最も心に残らないものとなってしまった(ガーン!)。といっても、この結果に最も困惑し、ショックを受けているのは他ならぬ僕自身である。まさかこんな事になろうとは予想もしなかったからだ。
そして、そんな僕をもっと困惑させたのは、読者の中に僕と同じような感想を持つ人がただの一人もいないことだった。僕は結論を急がないよう自分に言い聞かせた。それに23日の時点で日本公演は武道館を含めてまだあと3公演も残っていた。今ここで自分の正直な感想をブログに書いたら、これからポールのライヴを見ることを楽しみにしている人たちの気持ちにきっと水を差すことになってしまうだろう。そう思った僕は、ライヴの感想を武道館後にすることに決めたのである。
なぜ今回のコンサートがそんなにも僕の心に残らなかったのか?たとえば2013年の東京ドーム公演での感激度100とするなら、今回の公演はおそらく僕にとって10か20ぐらいの感激度しかなかったのである(過去記事参照:『こんな人はもう出ない』)。そして今日までその理由についてずっと考え続けていたのだが、実は今でもその理由が完全にわかったとは言いがたい。それについてはこれから追い追い述べていこうと思うのだが、現時点で一つだけ大きな理由としてわかっていることがある。それは当日の音響が今まで経験したことがないほど悪かったということである。正直言ってそれは悪いというより、「ひどい」というほどのレベルだった。ちなみに僕が過去行った7回の公演はすべて東京ドームである。だから、ドームの音が元々あまりよくないのは自分でもわかっている。ただ今回はちょっとひどすぎたと思うのだ。
実際に僕が座っていた席は3塁側スタンド席の中段あたりだったのだが、全編を通じてとにかくポールのヴォーカルがぼやけてあまりよく聴こえなかった。これはオープニングの時からすぐに感じたことだ。特にベース、ギター、ドラムスの音が入ってくると、ポールの声は楽器の音にかき消されて、まるで遠くで歌っているだけというような感じになっていたのである。楽器の音量ばかりがやたらと大きくて、とてもポールの歌声や演奏そのものを楽しむというレベルではなかった。それが偽らざる僕の感想である。その時点で2013年の時とは決定的に違っていた。これだけは断言できる。ちなみに2013年のときは僕は1塁側のスタンドにいた。
ただそんな中でも僕がとても感動した曲が何曲かあった。それらの曲を思い起こしてみると『アンド・アイ・ラヴ・ハー』『ブラックバード』『ヒア・トゥデイ』などのアコースティックな曲ばかりだ。そう、それらの曲の時には他の楽器の音が邪魔をしないため、ポールの澄んだ歌声がとてもよく聴こえたのである。特に『アンド・アイ・ラヴ・ハー』では僕はザワザワと鳥肌が立つのを感じた。それはまるでそこにビートルズのポールがいるかのような錯覚さえ覚えるものであった。美しすぎる・・・。これがポール本来の美しく伸びのある歌声なのだとそのとき納得した。従ってこの曲は僕にとってこの日のピークの瞬間であったと言える。そして『ブラックバード』も『ヒア・トゥデイ』も僕が過去ライヴで聴いたものの中では今回が最も出来がよかった。つまりポールのヴォーカルがすばらしかったのである。他でもないバンド自身の音がポールのヴォーカルを殺してしまうという悲劇・・・。この点についてはもし当日読者の中に3塁側にいた方がいれば率直なご意見を伺いたいと思う。
というわけで、全体的にポールのヴォーカルの調子が良いのは明らかだったから、彼の声がよく聴こえないのは僕にとってとりわけ大きなストレスになった。ポールはとても元気そうで、2013年の時よりもさらに若返って見えた。そして実際に目の前で最高のパフォーマンスを繰り広げていた。だが、僕は拍手と声援を送りながらもどんどんと心が沈んでゆくのを抑えることができなかった。こんなはずではなかったのに・・・。だが、その後はこれといった感動もなくただ時間だけがいたずらに流れてゆくだけだった。そして気が付けばアンコール。あれだけ楽しみにしていた日本公演がそのまま終わってしまったのだった。僕は茫然自失の状態で東京ドームを後にした。(続く)
結果から先に書いてしまおう。今回の東京ドーム公演は、僕が過去7回行ったポールのコンサートの中で最も心に残らないものとなってしまった(ガーン!)。といっても、この結果に最も困惑し、ショックを受けているのは他ならぬ僕自身である。まさかこんな事になろうとは予想もしなかったからだ。
そして、そんな僕をもっと困惑させたのは、読者の中に僕と同じような感想を持つ人がただの一人もいないことだった。僕は結論を急がないよう自分に言い聞かせた。それに23日の時点で日本公演は武道館を含めてまだあと3公演も残っていた。今ここで自分の正直な感想をブログに書いたら、これからポールのライヴを見ることを楽しみにしている人たちの気持ちにきっと水を差すことになってしまうだろう。そう思った僕は、ライヴの感想を武道館後にすることに決めたのである。
なぜ今回のコンサートがそんなにも僕の心に残らなかったのか?たとえば2013年の東京ドーム公演での感激度100とするなら、今回の公演はおそらく僕にとって10か20ぐらいの感激度しかなかったのである(過去記事参照:『こんな人はもう出ない』)。そして今日までその理由についてずっと考え続けていたのだが、実は今でもその理由が完全にわかったとは言いがたい。それについてはこれから追い追い述べていこうと思うのだが、現時点で一つだけ大きな理由としてわかっていることがある。それは当日の音響が今まで経験したことがないほど悪かったということである。正直言ってそれは悪いというより、「ひどい」というほどのレベルだった。ちなみに僕が過去行った7回の公演はすべて東京ドームである。だから、ドームの音が元々あまりよくないのは自分でもわかっている。ただ今回はちょっとひどすぎたと思うのだ。
実際に僕が座っていた席は3塁側スタンド席の中段あたりだったのだが、全編を通じてとにかくポールのヴォーカルがぼやけてあまりよく聴こえなかった。これはオープニングの時からすぐに感じたことだ。特にベース、ギター、ドラムスの音が入ってくると、ポールの声は楽器の音にかき消されて、まるで遠くで歌っているだけというような感じになっていたのである。楽器の音量ばかりがやたらと大きくて、とてもポールの歌声や演奏そのものを楽しむというレベルではなかった。それが偽らざる僕の感想である。その時点で2013年の時とは決定的に違っていた。これだけは断言できる。ちなみに2013年のときは僕は1塁側のスタンドにいた。
ただそんな中でも僕がとても感動した曲が何曲かあった。それらの曲を思い起こしてみると『アンド・アイ・ラヴ・ハー』『ブラックバード』『ヒア・トゥデイ』などのアコースティックな曲ばかりだ。そう、それらの曲の時には他の楽器の音が邪魔をしないため、ポールの澄んだ歌声がとてもよく聴こえたのである。特に『アンド・アイ・ラヴ・ハー』では僕はザワザワと鳥肌が立つのを感じた。それはまるでそこにビートルズのポールがいるかのような錯覚さえ覚えるものであった。美しすぎる・・・。これがポール本来の美しく伸びのある歌声なのだとそのとき納得した。従ってこの曲は僕にとってこの日のピークの瞬間であったと言える。そして『ブラックバード』も『ヒア・トゥデイ』も僕が過去ライヴで聴いたものの中では今回が最も出来がよかった。つまりポールのヴォーカルがすばらしかったのである。他でもないバンド自身の音がポールのヴォーカルを殺してしまうという悲劇・・・。この点についてはもし当日読者の中に3塁側にいた方がいれば率直なご意見を伺いたいと思う。
というわけで、全体的にポールのヴォーカルの調子が良いのは明らかだったから、彼の声がよく聴こえないのは僕にとってとりわけ大きなストレスになった。ポールはとても元気そうで、2013年の時よりもさらに若返って見えた。そして実際に目の前で最高のパフォーマンスを繰り広げていた。だが、僕は拍手と声援を送りながらもどんどんと心が沈んでゆくのを抑えることができなかった。こんなはずではなかったのに・・・。だが、その後はこれといった感動もなくただ時間だけがいたずらに流れてゆくだけだった。そして気が付けばアンコール。あれだけ楽しみにしていた日本公演がそのまま終わってしまったのだった。僕は茫然自失の状態で東京ドームを後にした。(続く)
2015-04-28 │ 日本公演2015夢日記 │ Edit