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『ヴィーナス・アンド・マース』リマスター盤の感想

11月5日に発売された『ヴィーナス・アンド・マース』リマスター盤の現時点での感想とボーナス・ディスクの内容などをまとめておこう。

まずオリジナル『ヴィーナス・アンド・マース』(CD1)の出来ばえは素晴らしいの一言。これまでに発売された同アルバムのCDは何種類かあるが、僕が持っているのは一番古い世代のCDだからだろうか…、その音は同じレコードとは思えないほど。あまりにも劇的に、そして鮮やかに生まれ変わったという印象である。とにかくこれまで気付かなかった微妙な音のニュアンスが細部に至るまで確認できるのが嬉しい。ポール自身のプロデュース作品にありがちなサウンドのデコボコ感(バランスの悪さ)も見事に改善されており、僕は約40年の年月を経てついにこの珠玉の作品が完成の時を迎えたという深い感慨に浸っている。ズバリ、リマスター効果という点では『ラム』『マッカートニー』を超え、個人的にはこれまでで一番の出来という評価だ。

リマスター盤の発売と共にこのアルバム自体の評価もきっと上がることだろう。

ボーナス・ディスク(CD2)も質、量共にこれまでで一番だ。考えようによっては『ヴィーナス・アンド・マース』は2枚組で、ボーナスディスクをディスク2と考えることもできるほどに充実している。

オープニングを飾るのは大ヒットシングル『ジュニアズ・ファーム』(全米3位)。以下『ヴィーナス・アンド・マース』第2部をお楽しみください!

『サリー・G』はどうしても取り上げずにはいられないほどすばらしい出来。ポールの艶のある伸びやかなヴォーカルと、ニュー・オーリンズのカントリー・ミュージシャンたちによる完璧な演奏が心に染み入る。以前から好きな曲ではあったが、僕は改めてポールのベストソングの1曲にこの曲を入れねばなるまいと心に決めたしだい。

『エロイズ(Walking in the Park with Eloise)』はポールの父ジェームズが作曲した作品、『ブリッジ・オン・ザ・リヴァー・スイート(Bridge on the River Suite)』はポールが作曲した作品だが、共にインストゥルメンタル・ナンバーで演奏はウイングスとクレジットされている。曲調は違うがどちらも甲乙つけ難い魅力があり僕は昔から愛聴している。古いCDの解説によれば、これら2曲はポールがカントリー・ハムズというバンド名で1974年10月にシングルとして発売したらしいが全くヒットしなかったという(A面は『エロイズ』)。当時はロックバンドとしてウイングスを売り出していたポールであったが、前述の『サリー・G』やこのインストゥルメンタル作品など、ポールの音楽性は常に型にこだわらない奥行きと広がりを見せていたことがよくわかる。

『ヘイ・ディドル』はよほどポールのお気に入りなのだろうか。正直「またか」という気がしないでもなかったのだが(笑)、ミックスが違うとのことで『ウイングスパン』『ラム』リマスター盤のボーナスディスクに続き3回目の登場である。今回はストリングスがフィーチャーされているところがこれまでとは大きく異なる。が、個人的には『ラム』版で十分に完成はされていたと思うし、僕自身はそっちのほうが好きである。さすがにこれ以上はないと思うが、今後も同じ曲の進化過程が時系列でボーナスディスクに収録されるということはあるのかもしれない。

『レッツ・ラヴ(Let's Love)』は1974年にポールがペギー・リーのために書き下ろした曲。プロデュースもポール自身が行ない、シングルとしても発売されたがヒットしなかった。デモ用の簡単な弾き語りのように聞こえるが、こういう曲調のポールの曲はどんなものであれ僕はもろ手を挙げて大賛成なので、ありがたくポールの新曲としていただきますという気分だ(笑)。

『7月4日(4th of July)』も1974年にポールがジョン・クリスティというシンガーに提供した楽曲でシングルとして発売されたが、こちらも全くヒットしなかった。前述のペギー・リーとは違い、ジョン・クリスティはアルバム1枚とシングル数枚を発売しただけのほぼ無名に近いシンガーだが、ポールがどういう経緯で彼に曲を提供したかは不明。曲もけっして悪くはないし、ポール独特のアコースティックギターのアレンジも光る。ただ『レッツ・ラヴ』もそうだが欲をいえばもう少しいい音で録音を残してほしかった。

『ソイリー(Soily)』と『ベイビー・フェイス(Baby Face)』は1974年に制作されたテレビ用のドキュメンタリー『ワン・ハンド・クラッピング』から音だけを抜き出してCD化したものと思われる。特に『ソイリー』はスタジオテイクがこれまでに存在していなかったことから貴重だし、出来のほうもかなりイイ線をいっていると思うのだが、いかんせん『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』のライヴバージョンがあまりにも出来が良すぎてしまう。というわけで僕個人はまだライヴバージョンのほうに軍配を上げる。

『ランチ・ボックス~オッド・ソックス(Lunch Box/Odd Sox)』は3曲目のインストゥルメンタル・ナンバー。僕の中では昔から隠れた名曲の1つだ。こうしてボーナスディスクに収録された曲を俯瞰してみると、ロックという枠に縛られないポールの多様な音楽性がくっきりと浮かび上がってくる。同時期にこれだけいろいろな曲を作り、録音していたことは改めて驚嘆に値する。音楽家の中の音楽家、天才の中の天才。それがポールという人なのだ。

『ロック・ショー(オールド・ヴァージョン)』はお好みでどうぞ(笑)。『ワインカラーの少女(シングル・エディット)』はいかにもシングル用の軽い仕上がり。僕は重厚なアルバムヴァージョンのほうが好きだが、聴き比べると楽しいだろう。

参考:
『ヴィーナス・アンド・マース』ボックスセット 日本盤
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『ヴィーナス・アンド・マース』ボックスセット 海外盤
アマゾン 11/17現在未掲載/楽天ブックス 11/17現在未掲載/HMViconAmazon.com(アメリカ)Amazon.ca(カナダ)

『スピード・オブ・サウンド』ボックスセット 日本盤
アマゾン楽天ブックスHMVicon

『スピード・オブ・サウンド』ボックスセット 海外盤
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