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『南から来た男(Christopher Cross)』 by クリストファー・クロス

グラミー賞の話が出たついでに、僕にとって忘れられないアルバムを1枚紹介しておこう。

『南から来た男(Christopher Cross)』 by クリストファー・クロス

アメリカのテキサス州生まれ、文字通り「南からやってきた男」クリストファー・クロスはこのアルバムでデビューし、なんとグラミー賞の主要4部門をいきなり独占してしまった。この記録は未だに破られていないそうだが、この記録の達成が難しいのはグラミー賞の主要4部門に「最優秀新人賞」が含まれているからである。「最優秀アルバム賞」「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」「最優秀新人賞」。つまり、これらの主要4部門を同時受賞するためには新人でいきなり並みいる強豪を退けるだけの実力を備えていなくてはならないということなのだ。

しかし、この受賞がフロックでないことは、同年「最優秀アルバム賞」にノミネートされたアーティストとアルバムを見れば明らかである。

ピンク・フロイド 『ザ・ウォール』
バーブラ・ストライザンド 『ギルティ』
ビリー・ジョエル 『グラス・ハウス』
フランク・シナトラ 『トリロジー』

今考えても売り上げと話題性でいえばピンク・フロイド、内容の良さと知名度を考えればバーブラ・ストライザンドというのが順当なところだったと思う。だが音楽業界人により構成されるナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス(NARAS)の会員たちによって選考されるグラミー賞は、他の音楽賞とは一味違う。簡単にいえばいわゆる人気投票的なものとは違って、あくまでも実力と内容重視なのである。外見は今一つさえない小太りの青年の作品がグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞してしまった。これは当時かなり大きな話題となったものだが、あれから30年以上も経った今僕が思うのは、あの受賞は正しかったということである。

今聴いてもこのアルバムは本当にすばらしい。曲と歌の良さもさることながら、多くの実力派ゲストミュージシャンたちに支えられた演奏の完成度の高さがハンパではないのである。イーグルスやドゥービー・ブラザースらと並び、古き良きアメリカ西海岸、ウエストコーストサウンドの頂点を極めた作品として僕は今も愛聴し続けている。

ちなみに僕は彼のセカンド・アルバムは買ったが、それ以降の彼の作品は全く追いかけていないから、その後の彼がどうなったのかは知らない。が、ともかくこのファースト・アルバムだけはある意味神がかり的なインスピレーションを得て作られた歴史的音楽遺産であることはまちがいない。こういうポジティヴで明るいエネルギーに満ちた音楽が溢れていた時代が懐かしい。ああ僕も年を取ったなあ~。

参考:南から来た男(Limited Edition)

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