ポール・マッカートニー:偉大なる50年の軌跡 その16『ポールのゲスト作品 ①』
さて、それではこれからポールが他のアーティストの作品にゲストとして参加した曲を年代順にまとめていこうと思う。第1回は1960年代の4曲を取り上げる。
このシリーズで取り上げるのは①ヴォーカルと演奏で参加。②ヴォーカルだけで参加。③演奏だけで参加。④①~③に加え作曲でも参加。以上の各作品についてである。
1967年
(アーティスト)ビーチ・ボーイズ
(曲名)『ヴェジタブル(Vegetables)』
(収録アルバム)『スマイリー・スマイル(Smiley Smile)』
(参加形態)セロリを噛む音(パーカッションとして)
のっけから冗談のようなゲスト曲になってしまったが、ビートルズ全盛期の1967年にポールが同時代のもう一つのスーパー・グループ、ビーチ・ボーイズのレコーディング・セッションに参加していたこと自体が驚きである。ビートルズ、中でも特にポールがビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』に触発されて名作『サージェント・ペパーズ』の制作へとつながった話は有名だが、『ペット・サウンズ』に続くアルバム『スマイリー・スマイル』でのポールのゲスト参加は歴史的事実としても非常に興味深い。
ちなみに曲中のセロリを噛むシャキシャキ音はかなりはっきりと聴こえる。たしかにパーカッション的な役割を立派に果たしているといえるし、発想も非常にユニークで面白いと思う。
参考:
『ヴェジタブル(Vegetables)』(iTunes)
『スマイリー・スマイル(Smiley Smile)』(SHM-CD)
『ペット・サウンズ』(SHM-CD)
1968年
(アーティスト)ジェームス・テイラー
(曲名)『思い出のキャロライナ(Carolina in My Mind)』
(収録アルバム)『ジェイムス・テイラー(James Taylor)』
(参加形態)ベース
ジェームス・テイラーがイギリスのトライデント・スタジオでデビューアルバムのレコーディングをしていたとき、折しも同スタジオでビートルズが『ホワイト・アルバム』を録音中であった。おそらく当時アップル・レコーズと契約していたという縁故もあったのだろう、ポールが友情出演のような形でベースを弾いている。また、クレジットはされていないがジョージもコーラスで参加しているという。そしてアルバムのプロデュースはピーター&ゴードンのピーター・アッシャーだ。のちに世界的な成功を収めることになるジェームス・テイラーだが、アップル・レコーズとの契約がこのデビュー・アルバム1枚のみに終わってしまったことは少々残念ではある。
参考:
『思い出のキャロライナ(Carolina in My Mind)』(iTunes)
『ジェイムス・テイラー(James Taylor)』(CD)
1969年
(アーティスト)ザ・フォアモスト
(曲名)『Rosetta』
(収録アルバム)アルバム未収録シングル
(参加形態)ピアノ
かつてブライアン・エプスタインがマネージャを務めたリバプール出身のグループであり、その活動初期にはレノン・マッカートニーの曲を提供されていたザ・フォアモストの『Rosetta』という曲でポールがピアノを弾いている。だが、この曲自体がシングル発売のみであり、ベスト盤などにも収録されていなことから、現在ではこの曲の入手は非常に困難であると思われる。
1969年
(アーティスト)バッド・フィンガー
(曲名)『ロック・オブ・オール・エイジス(Rock of All Ages)』
(収録アルバム)『マジック・クリスチャン・ミュージック(Magic Christian Music)』
(参加形態)ピアノ
リンゴが出演したことでも有名な映画『マジック・クリスチャン』のサウンド・トラックにはポールが共同プロデューサーとしても名を連ねている。が、その中の1曲『Rock of All Ages』でポールがピアノを弾いている。このアルバムにはのちに『ビートルズ・アンソロジー』にも収録された有名曲『カム・アンド・ゲット・イット』も収められている。しかし、それにしてもバッド・フィンガーの曲は今聴いてもメロディアスでいい曲が多い。なぜもっと売れなかったのか不思議に思うほどだ。
参考:
『ロック・オブ・オール・エイジス(Rock of All Ages)』(iTunes)
『マジック・クリスチャン・ミュージック(Magic Christian Music)』(CD)
というわけで1960年代のゲスト作品に関してはわずかに4曲という結果となった。ひょっとしたらまだ他にもポールが参加した作品が存在するかもしれないが、1960年代にかぎっていえばポールはビートルズ一筋だったという言い方をしても差し支えないだろう。それはポールがヴォーカルとして参加した作品が1曲も含まれていないことからも容易に推測できる。ポールはビートルズをとても大切にしていたのだ。グループ内に亀裂が入り始め、個々の活動が目立つようになった60年代末期でさえ、グループ以外での公な活動を最も控えていたのは実はポールであった。
このシリーズで取り上げるのは①ヴォーカルと演奏で参加。②ヴォーカルだけで参加。③演奏だけで参加。④①~③に加え作曲でも参加。以上の各作品についてである。
1967年
(アーティスト)ビーチ・ボーイズ
(曲名)『ヴェジタブル(Vegetables)』
(収録アルバム)『スマイリー・スマイル(Smiley Smile)』
(参加形態)セロリを噛む音(パーカッションとして)
のっけから冗談のようなゲスト曲になってしまったが、ビートルズ全盛期の1967年にポールが同時代のもう一つのスーパー・グループ、ビーチ・ボーイズのレコーディング・セッションに参加していたこと自体が驚きである。ビートルズ、中でも特にポールがビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』に触発されて名作『サージェント・ペパーズ』の制作へとつながった話は有名だが、『ペット・サウンズ』に続くアルバム『スマイリー・スマイル』でのポールのゲスト参加は歴史的事実としても非常に興味深い。
ちなみに曲中のセロリを噛むシャキシャキ音はかなりはっきりと聴こえる。たしかにパーカッション的な役割を立派に果たしているといえるし、発想も非常にユニークで面白いと思う。
参考:
『ヴェジタブル(Vegetables)』(iTunes)
『スマイリー・スマイル(Smiley Smile)』(SHM-CD)
『ペット・サウンズ』(SHM-CD)
1968年
(アーティスト)ジェームス・テイラー
(曲名)『思い出のキャロライナ(Carolina in My Mind)』
(収録アルバム)『ジェイムス・テイラー(James Taylor)』
(参加形態)ベース
ジェームス・テイラーがイギリスのトライデント・スタジオでデビューアルバムのレコーディングをしていたとき、折しも同スタジオでビートルズが『ホワイト・アルバム』を録音中であった。おそらく当時アップル・レコーズと契約していたという縁故もあったのだろう、ポールが友情出演のような形でベースを弾いている。また、クレジットはされていないがジョージもコーラスで参加しているという。そしてアルバムのプロデュースはピーター&ゴードンのピーター・アッシャーだ。のちに世界的な成功を収めることになるジェームス・テイラーだが、アップル・レコーズとの契約がこのデビュー・アルバム1枚のみに終わってしまったことは少々残念ではある。
参考:
『思い出のキャロライナ(Carolina in My Mind)』(iTunes)
『ジェイムス・テイラー(James Taylor)』(CD)
1969年
(アーティスト)ザ・フォアモスト
(曲名)『Rosetta』
(収録アルバム)アルバム未収録シングル
(参加形態)ピアノ
かつてブライアン・エプスタインがマネージャを務めたリバプール出身のグループであり、その活動初期にはレノン・マッカートニーの曲を提供されていたザ・フォアモストの『Rosetta』という曲でポールがピアノを弾いている。だが、この曲自体がシングル発売のみであり、ベスト盤などにも収録されていなことから、現在ではこの曲の入手は非常に困難であると思われる。
1969年
(アーティスト)バッド・フィンガー
(曲名)『ロック・オブ・オール・エイジス(Rock of All Ages)』
(収録アルバム)『マジック・クリスチャン・ミュージック(Magic Christian Music)』
(参加形態)ピアノ
リンゴが出演したことでも有名な映画『マジック・クリスチャン』のサウンド・トラックにはポールが共同プロデューサーとしても名を連ねている。が、その中の1曲『Rock of All Ages』でポールがピアノを弾いている。このアルバムにはのちに『ビートルズ・アンソロジー』にも収録された有名曲『カム・アンド・ゲット・イット』も収められている。しかし、それにしてもバッド・フィンガーの曲は今聴いてもメロディアスでいい曲が多い。なぜもっと売れなかったのか不思議に思うほどだ。
参考:
『ロック・オブ・オール・エイジス(Rock of All Ages)』(iTunes)
『マジック・クリスチャン・ミュージック(Magic Christian Music)』(CD)
というわけで1960年代のゲスト作品に関してはわずかに4曲という結果となった。ひょっとしたらまだ他にもポールが参加した作品が存在するかもしれないが、1960年代にかぎっていえばポールはビートルズ一筋だったという言い方をしても差し支えないだろう。それはポールがヴォーカルとして参加した作品が1曲も含まれていないことからも容易に推測できる。ポールはビートルズをとても大切にしていたのだ。グループ内に亀裂が入り始め、個々の活動が目立つようになった60年代末期でさえ、グループ以外での公な活動を最も控えていたのは実はポールであった。
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