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涙のアンソロジー

「フリー・アズ・ア・バード」を初めて聴いた時の、言葉にならない衝撃を覚えている。それは僕たちファンの見果てぬ夢をポール、ジョージ、リンゴの3人が叶えてくれた日であり、ビートルズ伝説に新たな1ページが加えられた日でもあった。

ビートルズ解散から四半世紀を経て実現した夢のプロジェクト「ビートルズ・アンソロジー」。「フリー・アズ・ア・バード」はその中でもまさに目玉中の目玉だった。
なぜなら、この曲は紛れもなくポール、ジョージ、リンゴ公認の“ビートルズの新曲”だったからである。

ビートルズを愛する人なら誰もがこの曲に涙したはずだ。僕も人目をしのんで喜びとも悲しみともつかぬ涙を独り流したものである。

“「休暇に出かけるから、この曲を仕上げておいてくれ。あとは頼んだぞ。」とジョンが言い残して出かけたと考えたんだ。”というポールの言葉が心に響く。

ビートルズとジョンに対する深い思いがこの曲を作り上げたのだ。

正直言って原曲はなんということのない平凡な曲だと思う。しかもヨーコから3人に託されたのは非常に音の悪いデモのみであった。ジョン自身がレコードとして発表するつもりさえなかったのだから、それも仕方のないところだ。

だが、3人の愛が奇跡を可能にした。眠っていた曲が見事に息を吹き返した。

リンゴのドラムが曲の始まりを告げ、そこにジョージの泣きのギターとポールの重厚なベースがからんでくる。そしてジョンの歌声…。これだけでファンは完全にノックアウトだ。

ジョンのヴォーカルは不完全だが、3人のコーラスが優しく包み込むように響く。特にポールのコーラスが際立って美しく感じられる。

やがて曲は最初のクライマックスを迎える。
ポールが歌うサビの部分だ。
“Whatever happened to, the lives that we once knew… ”

今でもこのサビの部分でのポールの声を聴くと鳥肌が立つ。
ポール自身が作曲したと思われるこの中間部はこの曲最大のハイライトであり、ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のようにジョンの原曲を補って余りあるものにしている。本当にポールらしいメロディーラインと詩だと思う。
ソロになってから一度も聴いたことのないような深い響きのポールの歌声。このパートを聴いたとき、僕は「本当にビートルズが戻ってきた」と戦慄さえ覚えたものだ。
これがビートルズの魔力というものなのだろうか…。

再びジョンの歌声が響き、やがてもう一つのクライマックスが訪れる。
ジョージの歌とそれにつづくギターソロである。ヴォーカルもギターもなんともいえない味がある。うまいとかヘタとかそういう次元ではない。彼こそまさに日本的なわび、さびを体現しているアーティストではないかと思わせるものがある。

そして、同じ曲でポールとジョージがソロヴォーカルのパートを受け持っているのも、僕が知る限りにおいてこの「フリー・アズ・ア・バード」が最初である。
そういう意味でもビートルズにとって記念すべき曲だと思う。

ラストのお遊び的な要素もまたビートルズならではのものだ。おそらく最後のウクレレはジョージだろう。見事に曲を締めくくっている。

最後に余談ながら、この曲のプロモーションビデオも非常にすばらしいものであることを付け加えておきたい。

「フリー・アズ・ア・バード」はビートルズの曲としては最高ではないかもしれないが、ファンにとってはとてつもなく重要な曲だ。

参考:
ビートルズ アンソロジー(1)

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