FC2ブログ

ポールの曲: 『ラヴリー・リンダ(The Lovely Linda)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+! ホーム » ポールの曲 » ポールの曲: 『ラヴリー・リンダ(The Lovely Linda)』

ポールの曲: 『ラヴリー・リンダ(The Lovely Linda)』

『ラヴリー・リンダ(The Lovely Linda)』は、ポールには失礼だが、記念すべき初のソロアルバムのオープニングを飾る曲にしてはなんともさえない曲に思われる。聞くところによれば、『ラヴリー・リンダ』はもともとポールが独力でアルバム制作を始めるにあたり、レコーディング機材のテスト用に録音された曲であったという。たしかに仕上がりはとてもラフでまるでデモテープのようだし、曲の出だしも途中からいきなりテープを回したかのような中途半端なイントロに聞こえてしまう。曲の長さもわずか42秒という短さだ。1970年当時の時代背景などを考え合わせると、アルバム『マッカートニー』は様々な意味で衝撃的な作品であるが、オープニング曲『ラヴリー・リンダ』にはのっけから聴き手の期待を完全に裏切ってやろうというポールの意図が見え隠れするのである。

このアルバムが発売された当時、ファンはポール・マッカートニー初のソロアルバムにきっとビートルズのような完璧な作品を期待していたにちがいない(『マッカートニー』は『アビイ・ロード』の発売からわずか7か月後に発売された。これが期待せずにいられようか?)。だがポールはアルバムのまさに1曲目で、そんなファンの期待を見事に打ち砕いてしまう。「もう僕はビートルズじゃないんだ。僕のレコードにビートルズを期待しても無駄さ。僕は自分のやりたいことをやるんだ。」そんなメッセージを僕は『ラヴリー・リンダ』という楽曲に聴き取ってしまう。もしビートルズのアルバムであれば、この曲はオープニングはおろか、おそらくアルバムの中の1曲として収録されることさえ許されなかったであろう。

だから、この曲はポールの事が好きで好きでたまらない人たちにとっては、彼の素顔が垣間見える大切な小品となり得るのだろうが、ビートルズをその作品の完成度の高さゆえに聴き続けてきた人たちにとっては、この曲は全くもって聴くに値しないクズ曲にしか聴こえなかったにちがいない。さて僕はといえば、完全に前者のタイプである。たとえばポールの曲が3、4曲しか入っていないビートルズのアルバムよりは、僕はたとえつまらない曲が入っていても全曲ポール・マッカートニーのアルバムを選ぶような類いのファンである(笑)。つまりポールが作る曲ならば、それがたとえどんな曲あってもオーケーというわけだ。それがなぜなのかはわからない。ただ、僕にとってそのように思えるアーティストは世界中でポール・マッカートニーただ一人だけ。彼は僕にとって別格であり、規格外であり、破格のアーティストなのである。

曲の内容は言うまでもなく愛妻リンダのことを歌ったものである。日本人的な感覚からいうと、自分の妻や恋人へ捧げる歌を開けっぴろげに、しかも実名でアルバムの1曲目に入れてしまうなんていうのはなんだかとても恥ずかしい事のような気がしてしまう。少なくとも僕なんかには絶対できない芸当である。このあたりはジョンとも共通するところで非常に興味深いのだが、ジョンが最後までヨーコ、ヨーコと歌い続けたのに対し、ポールが実名でリンダを歌ったのはこの曲が最初で最後であった。世紀のスーパースターにこんな曲を作ってもらい、目の前で歌われた女性はいったいどんな気持ちがするのであろうか…。

参考:
マッカートニー(スーパー・デラックス・エディション)
ポール・マッカートニー(デラックス・エディション)


関連記事