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ポール、『レット・イット・ビー』の歌詞について語る

ポールの代表曲の一つとして永遠に歌い継がれ、聴き継がれるであろう名曲『レット・イット・ビー』。だが一部のファンを除いて、僕たち日本人のほとんどはその詩の内容に関しては無関心である。しかし、歌詞の内容が自然と耳に入ってくる欧米人にとってはこの『レット・イット・ビー』という曲は、一般に宗教的なメッセージを含んだ曲と思われているらしい。

ビートルズ『1』の歌詞カードから冒頭の部分を引用してみよう
When I find myself in times of trouble
(悩み苦しんでいるときには)
Mother Mary comes to me
(母なるマリアが僕を訪れ)
Speaking words of wisdom
(知恵ある言葉をかけてくれる)
Let it be
(なすがままに)

さて問題は2行目の“Mother Mary comes to me”という部分である。ここでMother Maryをどう解釈するかで、歌詞の意味合いというか重みが全然変わってくるのだ。
上の訳では「母なるマリア」としていて、うまい具合にそのあたりをぼかしていると思うのだが、これは「聖母マリア」と訳すことも可能である。というか、キリスト教徒がこの曲を聴けば、まず普通に聖母マリアのことを思い浮かべるのだと思われる。つまり、「自分が悩み苦しんでいるときには、聖母マリア様が現れて、知恵の言葉を授けてくださる」というわけだ。そして、実際に欧米でも、一般にこの有名な曲が聖母マリアへの憧憬を歌った(キリスト教的という意味で)宗教的な曲と思われているらしい。

それに対し、作者であるポールが自らの口でこの歌が作られた経緯を語っているのが以下である。

「レット・イット・ビーができたのは、種々雑多な出来事が通り過ぎていた時代だった。みんなドラッグをやり過ぎていたし、僕たちもそうだった。それはある意味普通の事だったし、流行でもあったんだよ。あの時のことを知る人たちはみんなそう言うだろうね。そして、僕自身、すべての物事が少し度を越えた状態になりつつあった。かなり疲れていたし、ボロボロの状態だった。そんなある日の夜、ベッドには入ったんだけども、僕はなかなか寝つくことができなかった。」
「でも、僕はその日に母の夢を見たんだ。そのときにはもう死んでから10年ほども経っていたんだけど、まるで僕が苦しんでいるのを知っているかのように母親が夢に現れた。そして、『なすがままになさい』というような事を言ったんだよ。彼女が『なすがままに』とか、『だいじょうぶよ。心配しないで。』というような事を言ったのをかなりはっきりと覚えているよ。」
「翌朝目を覚ますと、僕はまだその夢を覚えていた。そこで『うん、これはいいアイディアだ』なんて思いながら、座って曲を書き始めたんだ。母が夢の中に現れた、そのときの感覚を思い出しながらね。」


つまりポール曰く、この曲での“Mother Mary”とは聖母マリアのことではなく、単純に彼の母メアリーだったのだ。

「この曲を作った時、僕はおそらく多くの人がこの曲を聖母マリア、聖処女マリアについて歌った一見宗教的な歌としてとらえるだろうなと思った。でも、僕としてはどちらにしろ問題はなかったよ。人がどうとらえようと、それはその人の自由だからね。」
「だけど実際は僕の母が夢に現れて、ほんとうに『なすがままに』と言ったというだけなんだ。そして、それは最高のアドバイスだったよ。ありがとうママ!」


ついでにポールは有名な『イエスタデイ』が作られたエピソードについても少し語っている。

「『イエスタデイ』も夢の中でできた曲だ。でも、そのときは母があるフレーズを口にした、というのとはわけが違う。このときは1曲丸々すべてが僕の頭の中にあったから。それがどこから来たのかは全くわからないけどね。」
「もし自分でその答えを出すとしたら、僕の頭の中にあるコンピュータが何年もかけて少しずつ曲を読み込んでいき、それが最終的に夢の中でプリントアウトされた、なんて感じかな。まるで魔法のような話だけどね。僕にはそれ以外の合理的な解釈が思いつかないんだ。」


参考:レット・イット・ビー(iTunes)
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