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ソロ・リマスター日記 - 21 『マッカートニー』『マッカートニーⅡ』リマスター、ディスク2の感想(1) - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

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ソロ・リマスター日記 - 21 『マッカートニー』『マッカートニーⅡ』リマスター、ディスク2の感想(1)

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すっかり遅くなってしまったが、『マッカートニー』と『マッカートニーⅡ』リマスター盤ディスク2の感想をそれぞれ簡単にまとめておこうと思う。尚、いちおうお断りしておくが僕は残念ながら一番高いバージョンを買う余裕がなかったため、それぞれの最高級版に付属のDVDと『マッカートニーⅡ』のディスク3については未視聴である。感想もいつもながら独断と偏愛に満ちたファンならではの支離滅裂なものなので、そのあたりは割り引いた上で参考にしていただければと思う。今日はまず『マッカートニーⅡ』のほうを取り上げる。

マッカートニーⅡ ディスク2
オリジナルアルバムだけを比較すると、僕はどうしても『マッカートニー』のほうに肩入れしたくなってしまうし、今回リマスター化されたサウンドについても『マッカートニー』に軍配を上げてしまうのだが、ことボーナスディスクの内容に関しては個人的には『マッカートニーⅡ』のほうが面白かった(良かった)と思っている。

ディスク2の収録曲は以下の8曲:
1. ブルー・スウェイ(Blue Sway) [With Richard Niles Orchestration]
2. カミング・アップ(Coming Up) [Live At Glasgow, 1979]
3. チェック・マイ・マシーン(Check My Machine [Edit] )
4. ボギー・ウォブル(Bogey Wobble)
5. シークレット・フレンド(Secret Friend)
6. ミスター・H・アトム / ユー・ノウ・アイル・ゲット・ユー・ベイビー(Mr H Atom / You Know I’ll Get you Baby)
7. ワンダフル・クリスマスタイム(Wonderful Christmastime [Edited Version])
8. オール・ユー・ホース・ライダーズ / ブルー・スウェイ(All You Horse Riders/Blue Sway)

今回僕が初めて聴いた曲は1、4、6、8の4曲だったのだが、個人的に最も大きな収穫は1の『ブルー・スウェイ』である。これは今まで一般に公開されなかったのが不思議なくらい完成度の高いインストゥルメンタル・ナンバーだと思う。実際にはポールのヴォーカルはコーラス程度には入っているのだが、これが演奏を邪魔しない絶妙のバランスで、あえてカテゴリー分けするなら僕はインストゥルメンタル・ナンバーとしておきたい。

僕はクラシックやフュージョンなども含めて元々ヴォーカルのない曲が大好きなのだが、昔からポールが作るインストゥルメンタル・ナンバーはそのほとんどを高く評価している。実のところポールはクラシックをやるくらいなら、遠慮せずにもっともっとインストゥルメンタルのポップ/ロックナンバーをたくさん作ってくれればよいのに、などと思っているくらいである。というわけで『ブルー・スウェイ』はそんな僕にしてみれば十分に満足できる作品といえる。またその作風を考えれば、この曲が『マッカートニーⅡ』と同時期に作られていたというのも非常に興味深いものがある。

3と5はオリジナル・アルバムの発売当時に聴いたときには、あまりにもそれまでのポールのイメージとかけ離れていたために、自分の中で大きな拒絶反応を起こしてしまった2曲である。そして、これらがアルバムのアウトテイクになったのは当然とも思ったわけだが、それ以上に当時はポールがこんなにも退屈で単調な曲を延々と続けること自体が許せないと思えたものだ。僕も若かったのだと思うが、今聴くと少し違った感想を持ってしまう。つまり、ポールはビートルズとウイングスであれだけ巨大な成功を収めながらも、それでも常に何かしら新しいことをやろうと音楽的な実験を一人黙々と続けていたということである。いつもながら、その絶えざる前向きな姿勢には頭が下がる思いがする。4の『ボギー・ウォブル』もつまらない曲といってしまえばそれまでだが、ポールがなにかそれまでにはなかったサウンドを模索していた、そんな一曲と考えればまた違って聴こえてくるのである。

2は当時アメリカのチャートでNo.1になったグラスゴーでのライヴバージョン。僕はこれを久々に聴けるのを楽しみにしていたのだが、歌も演奏も「あれ、こんなんだったっけ?」と思えるほど平凡に聴こえてしまったのは意外であった。これで全米No.1が獲れたのだから、なんだかんだ言ってもやはりまだ当時のマッカートニーサウンドは絶大な支持を集めていたのだろう。歌と演奏だけを考えれば近年もっと出来のいいライヴ・ヴァージョンがいくつも見つかるだろう。アナログのシングル盤では演奏のあとに観客が集団で「ポール・マッカートニー!」と叫び、ポールもそれに応えるという面白いやり取りが収録されていたのだが、それがカットされてしまったのも個人的には残念である。

7は今やポールの定番クリスマスソングで、こうしてリマスター盤に収録されたのはめでたし、めでたし。しかし、できればフルヴァージョンもディスク2に入れてほしかった…。

6と8はさすがの僕も「ノー・サンキュー」といった感じだが(笑)、こういうお遊び感覚の曲まで聴けるというのはアーカイヴ・コレクションならではだろう。長年のファンとしてポールにはとにかく感謝するしかない。

日本盤:
『マッカートニーⅡ』スーパー・デラックス・エディション(高いほう)
『マッカートニーⅡ』デラックス・エディション(安いほう)

US盤:
『マッカートニーⅡ』デラックス・エディション(高いほう)
『マッカートニーⅡ』スペシャル・エディション(安いほう)
『マッカートニーⅡ』アナログ盤(LP)


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