僕の好きな曲:『オレンジの河』 by 今井美樹
今井美樹のベスト・アルバム『Ivory』に収録されている曲で、僕が彼女の曲の中で最も好きな曲。『Ivory』はミリオンセラーにもなったが、この曲自体はもともと彼女のファーストアルバム『femme』に収録されていた曲で、シングルカットもされていない。のちに日本の代表的な女性ヴォーカリストの一人として不動の地位を確立することになる今井美樹も、このファースト・アルバムは鳴かず飛ばずだった。(オリコン・アルバムチャートで最高位47位)だが、この曲をあえてベスト盤に選曲したあたりはさすがだと思う。
正直言って、僕は今も昔も今井美樹のファンではない。アルバムもベストの『Ivory』と『IvoryⅡ』しか聴いていない。しかし、この曲だけはなぜか特別に好きなのである。なぜか?それはこの曲が持つ独特な「せつなさ」にある。これは外国の曲にはないそれこそ日本特有のもので、僕はこういう系統にはめっぽう弱いのだ。たとえて言うなら僕が20代の頃に一時的にはまった岡村孝子風とでも言えばいいだろうか。曲調を聴いているだけで淋しく、せつなくて胸がズキズキ痛む。だが極端に悲しくはない、むしろそのせつなさを下を向いて噛みしめている、といった具合である。かつての岡村孝子はこの手の曲を歌わせると天下一品で、『はぐれそうな天使』などはこの『オレンジの河』にも匹敵するような日本的せつなさの代表的ナンバーといえる。
実は今井美樹は現在僕と同じ47才、しかも誕生日もわずか1日違いであることを今回この記事を書くときに調べていて初めて知った。感覚的には5、6才下の印象を持っていたのだが、完全に同世代だったわけだ。ちなみに岡村孝子も48才で、やはり同世代だった。50にも近くなってくると、2人共がんばってるな~などと身内気分で応援したい気持ちになってくるのはなんとも不思議である(笑)。
参考:今井美樹 Ivory&IvoryII 【SHM-CD】
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