ビートルズ・リマスター日記 - 29 ほとんどビートルズしか聴いてません!
9-9-9といえば、昨年2009年9月9日、記念すべきビートルズリマスターの発売日のことである。なんとあれから早くも丸1年が経とうとしているわけだが、考えてみたらこの1年間というもの、僕はほとんどビートルズ・リマスターしか聴いていない!これは我ながら驚くべき事実である。
いくらリマスター化されたとはいえ、かれこれ30年近くも聴き続けてきたビートルズである。正直言って心のどこかには「今さらビートルズでもないだろう~」的なある種冷めた自分がいるのも事実なのである。にもかかわらず僕が過去1年間コンスタントにビートルズ・リマスターを実際に聴き続けてきたというのもまた紛れもない事実なのだ。だが、それはどちらかというとビートルズ・リマスターを好んで聴いたと言うよりは、むしろそれ以外のCD(過去に買ったCD)が全く聴けなくなってしまった、と言ったほうがより真実に近いかもしれない。
つまり、あまりにもビートルズ・リマスターの音がすばらしいがために、過去に購入したCDすべての音があまりにもショボすぎて聴くに堪えなくなってしまったのだった。これは僕が大好きなポールのソロ作品でさえも例外ではなかった。つまり簡単に言えば今までのCDが全くゴミと化してしまったというわけだ。
人間というのは不思議なもので、それまでに自分が知っていたものよりも一段高いレベルを知ってしまうと、もう以前のレベルには戻れなくなってしまうものである。そして、僕の場合はもっと極端なのかもしれないが、以前のCDは実は音がひどく悪かったという事実を知ってしまった時点でもう完全にアウトだった。僕の大好きなポールも、エルトンも、ビリー・ジョエルも、ボストンも、クイーンも、二度とCDを棚から引っ張り出そうという気にさえならないのである。
そもそも音楽とは僕にとって一つの大きな「快感」なのだ。とことん突きつめていけば、僕はただ単純に気持ちがいいから音楽を聴くのである。そして今、僕はビートルズ・リマスターが一番気持ちがいい事を知ってしまったのだった…。そして一度そうなってしまうと、もう後戻りは不可能である。今や昔のCDは、無理に聴いてもただ気持ちが悪いだけなのだ。
それゆえ、きたるべきポールのリマスター盤への期待はいっそう高まるばかりなのである。というのも、もしもビートルズ・リマスターと同じレベルでポールのソロ作品のリマスター化が本当に実現したなら、僕の中でかなり長い間休眠状態になっていたアルバムや収録曲が新たな輝きを放ち始めることは間違いないからだ。特にアナログ盤を一度も耳にしたことのない『プレス・トゥ・プレイ』以降のアルバムには多くの新たな発見があるに違いないし、若かりし頃にアナログ盤で親しんだ初期のアルバムにはとてつもない懐かしさを覚えることだろう。僕の中のポール愛がきっと核爆発を起こすはずなのである(笑)。それほどの期待をもって僕はポールのソロリマスターを待ちわびている。
そんなわけで、丸1年を経ても聴き飽きることのないビートルズ・リマスターのおかげで、当初は期間限定と思われたこの「ビートルズ・リマスター日記」もまだまだ続きそうな気配である。
2010-09-05 │ ビートルズ・リマスター日記 │ Edit