ビートルズ・リマスター日記 - 16 「ヘルプ!」「ラバー・ソウル」
ビートルズ・リマスターの独断的感想第3回
“Help!(ヘルプ!)”
ひょっとしたら今回のリマスター全作品中、最も違いが感じにくかったかアルバムだったかもしれない。個人的にはこの「ヘルプ!」と「ハード・デイズ・ナイト」の2枚だけが他のアルバムとは違い、びっくりするようなバージョンアップにはなっていない気がするのである。とはいっても、全体的な音質の向上は明らかなので、そのあたりはご心配なく。
既に「1」でリマスタリングされている「ヘルプ!」、「涙の乗車券」、「イエスタデイ」などのシングル曲についても、実際に比較したわけではないが、今ひとつ切れに欠けるような印象がある。詳しい原因はもちろん僕にはわからないのだが、オリジナルのマスターテープに忠実にリマスタリング作業を行なった結果、このような仕上がりになったのではないかと推測している。結局どんなに技術が進歩しようとも、マスターテープを超える音質というのは当然期待できないのだから。つまり、今回の再発リマスター盤で届けられたものはすべて、現時点での最高音質ということだ。僕たちは今現在、望み得る限り最高のビートルズCDを手にしているのである。
曲単位でみると、一番音がよくなったと思ったのは意外にも「アクト・ナチュラリー」であった。その他、「恋のアドバイス」と「夢の人」も以前のCDに比べ全体的なバランスが良くなったように思う。
“Rubber Soul(ラバー・ソウル)”
さて「ヘルプ!」とは正反対に、「ラバー・ソウル」は今回違いが最もはっきり感じられたアルバムの1枚に数えられると思う。もともとこのアルバムは、ビートルズ中期の作品であるにもかかわらず、音が左右のトラックに完全に分離している。それが逆にこのアルバムの味でもあり、また欠点でもあったのだが、今回のリマスター作業により音に深い奥行きを生み出すことに成功している。また、ぼやけていた音の輪郭がクッキリ浮き出てくると同時に、時折耳についた不要なノイズもほぼ完全に除去されていると感じる(もちろん原音の妨げにならない範囲である)。
今、改めて全編を通して聴くと、この「ラバー・ソウル」というアルバムは聴いていて疲れない、耳ざわりのよい大人のロック・アルバムだと思う。しっとりと落ち着いた雰囲気が全編を通して漂っている。ハードなナンバーが1曲もないのでポップ・アルバムと呼んでも差し支えなさそうなものだが、けっして売れ線には流されない強烈な独創性ゆえに、やはりこのアルバムはロックと呼ぶべきであろう。
曲単位でみると、飛びきり音がよくなったと感じたのが「ひとりぼっちのあいつ」、「ガール」、「イン・マイ・ライフ」の3曲。特に「イン・マイ・ライフ」は新たに命が吹き込まれたようで、なぜか涙を誘うのであった。これを機にシングル盤として出してもよかったのではないかさえ思う。
その他「ミッシェル」、「君はいずこへ」、「恋をするなら」もよくなったと思う。
最近はあまりこのアルバムを聴くことはなくなっていたのだが、リマスター盤の出来がよいのでまたまた好きになってしまった。これからは聴く機会が増えることだろう。
参考:Amazon.co.jp “ザ・ビートルズ・ストア”
“Help!(ヘルプ!)”
ひょっとしたら今回のリマスター全作品中、最も違いが感じにくかったかアルバムだったかもしれない。個人的にはこの「ヘルプ!」と「ハード・デイズ・ナイト」の2枚だけが他のアルバムとは違い、びっくりするようなバージョンアップにはなっていない気がするのである。とはいっても、全体的な音質の向上は明らかなので、そのあたりはご心配なく。
既に「1」でリマスタリングされている「ヘルプ!」、「涙の乗車券」、「イエスタデイ」などのシングル曲についても、実際に比較したわけではないが、今ひとつ切れに欠けるような印象がある。詳しい原因はもちろん僕にはわからないのだが、オリジナルのマスターテープに忠実にリマスタリング作業を行なった結果、このような仕上がりになったのではないかと推測している。結局どんなに技術が進歩しようとも、マスターテープを超える音質というのは当然期待できないのだから。つまり、今回の再発リマスター盤で届けられたものはすべて、現時点での最高音質ということだ。僕たちは今現在、望み得る限り最高のビートルズCDを手にしているのである。
曲単位でみると、一番音がよくなったと思ったのは意外にも「アクト・ナチュラリー」であった。その他、「恋のアドバイス」と「夢の人」も以前のCDに比べ全体的なバランスが良くなったように思う。
“Rubber Soul(ラバー・ソウル)”
さて「ヘルプ!」とは正反対に、「ラバー・ソウル」は今回違いが最もはっきり感じられたアルバムの1枚に数えられると思う。もともとこのアルバムは、ビートルズ中期の作品であるにもかかわらず、音が左右のトラックに完全に分離している。それが逆にこのアルバムの味でもあり、また欠点でもあったのだが、今回のリマスター作業により音に深い奥行きを生み出すことに成功している。また、ぼやけていた音の輪郭がクッキリ浮き出てくると同時に、時折耳についた不要なノイズもほぼ完全に除去されていると感じる(もちろん原音の妨げにならない範囲である)。
今、改めて全編を通して聴くと、この「ラバー・ソウル」というアルバムは聴いていて疲れない、耳ざわりのよい大人のロック・アルバムだと思う。しっとりと落ち着いた雰囲気が全編を通して漂っている。ハードなナンバーが1曲もないのでポップ・アルバムと呼んでも差し支えなさそうなものだが、けっして売れ線には流されない強烈な独創性ゆえに、やはりこのアルバムはロックと呼ぶべきであろう。
曲単位でみると、飛びきり音がよくなったと感じたのが「ひとりぼっちのあいつ」、「ガール」、「イン・マイ・ライフ」の3曲。特に「イン・マイ・ライフ」は新たに命が吹き込まれたようで、なぜか涙を誘うのであった。これを機にシングル盤として出してもよかったのではないかさえ思う。
その他「ミッシェル」、「君はいずこへ」、「恋をするなら」もよくなったと思う。
最近はあまりこのアルバムを聴くことはなくなっていたのだが、リマスター盤の出来がよいのでまたまた好きになってしまった。これからは聴く機会が増えることだろう。
参考:Amazon.co.jp “ザ・ビートルズ・ストア”
2009-10-20 │ ビートルズ・リマスター日記 │ Edit