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“Driving Rain(ドライヴィング・レイン)”を8年ぶりに再評価した日

ポールがリリースした全オリジナル・アルバムのうち、これまで僕の中で最も評価の低かったアルバムは2001年に発売された“Driving Rain”であった。実際、収録曲名と曲順がすらすらと口をついて出てこないのはこのアルバムだけである。それくらいこのアルバムは僕にとって影の薄い作品になってしまっていた。好きな曲もタイトルチューンの“Driving Rain”と“Heather”ぐらいのものだった。
だから、アルバム全体を通して聴いた回数も他のアルバムに比べると極端に少ない。大抵は発売後にそれこそ耳にタコができるくらい聴き込むのが普通なのだが、このアルバムに関しては、聴き込む以前に聴くのをやめてしまっていたのだった。

その理由については、もう8年も前の話になるのでよく思い出せない。

しかし、なぜだかこのアルバムが気に入らなかったことだけはたしかである。思うにその大きな理由の一つは、このアルバム発売前の期待値が尋常なものではなかった、ということである。

1997年の“Flaming Pie”以後、最愛のパートナーであるリンダを失った悲しみがあまりにも大きかったために、ポールはほとんど完全に音楽活動の休止状態にあった。リンダの死後丸1年はほとんど歌を歌うことすらしなかったというから驚きであるが、その状態はヘザーとの出会いを経て、1999年のカバーアルバム“Run Devil Run”の発売まで続く。そして1999年12月14日、ポールは懐かしのキャバーンクラブで300名の聴衆を前に生演奏を披露。21世紀に向け自らの音楽活動にひと区切りをつけた。2000年を前に、ポールは再び原点へと帰ったのであった。

“Run Devil Run”はカバーアルバムとしては究極ともいえる完成度であった。しかし、カバーはあくまでもカバー。我々ファンがポールに期待するもの、それはやはり全曲ポールの手になるオリジナル・アルバムである。

そして、ついに2001年、“Flaming Pie”から実に4年ぶりにオリジナル・アルバムが届けられた。それがこのアルバム“Driving Rain”だったのである。

だから、おそらくこのアルバムを聴く前に、僕の中の期待値がその針を振りきるほどに大きくなり過ぎていたのだと思う。あるいは無意識のうちに“Sgt. Pepper's”のような完全無欠の作品を期待していたのかもしれない。

だが、実際に届けられた作品は驚くほどシンプルでラフなものだった。ジャケットも半分遊びで作ったとしか思えなかったし、いくつかの曲ではポールの声が完全にしわ枯れて聞こえるのだった。年齢による衰え、それとも才能の枯渇?そんなわけで、たいして聴き込むこともせずに“Wings Wild Life”以来の失敗作と、早い段階で結論を出してしまったわけだ。期待が大きかった分、落胆も大きかったということだろう。

しかし先日、本当に久しぶりにこのアルバムを通しで聴いて、自分ながら驚いてしまった。まるで初めて聴くように新鮮な気分になったからだ。それにどの曲も今まで自分が思っていたほど悪くない…。逆に、「えっ、これってこんなにいい曲だったっけ?」と再発見することしきりであった。

天才の作る作品とは得てしてこういうものなのだ。

8年かかって再評価。凡人の曇った耳で聴くとこうなるという典型的な例を自ら体験させてもらった。ウーン、全然駄目だ。もっと素直な耳で聴かなければ…。

というわけで、“Driving Rain”は(今ごろ)かなり好きなアルバムの1枚になった。特に何曲かは他のアルバムにはないジャズっぽい雰囲気がただよっているところが気に入っている。僕は昔からポールがジャズ・ミュージシャンとアルバムを1枚作ってくれないかな、と思っているのだ。あるいはフュージョンのスタジオ・ミュージシャンたちとでもいい。きっと質の高いカッコイイ作品が生まれると思うのだが…。

最も再評価した1曲は息子ジェームスとの共作“Spinning On An Axis”である。この曲かっこいいねえ~。

参考:“Driving Rain


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