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僕の好きな曲 “トゥナイト” by 佐野元春

僕がビートルズに夢中だった高校生の頃、巷では佐野元春がブレイク寸前だった。当時僕はビートルズとポール以外には全くわき目もふらず、という感じだったのだが、彼の類い稀なるポップセンスには自然と心を魅かれたものだ。

僕は彼のオリジナルアルバムをすべて追いかけていたわけではないが、“アンジェリーナ”、“ガラスのジェネレーション”、“スターダストキッズ”などの曲が日本人離れしたポップロックの名曲であることは疑いようがなかった。

しかし、彼は日本での人気がまさにブレイク寸前の1983年、アメリカに単身渡米する。そして、当時としては珍しくアルバムのレコーディングをニューヨークを中心に行なっている。そして完成したのがアルバム“ヴィジターズ”である。このアルバムからシングルカットもされた“トゥナイト”は僕がこのアルバムで一番好きな曲だ。

最初にこの曲、そしてアルバムを聴いた感想は、「なーんか佐野元春変わっちゃったな~」だった(笑)。このアルバムでは、それまでの正統派なポップロッカーとしての佐野元春はすっかり影を潜めてしまっていたからだ。実際アルバムに耳を傾けてみると、そこにはオシャレで都会的な大人として成長した、およそこれまでの佐野元春とはかけ離れた異質の世界が広がっていた。
正直言って、その当時はそんな佐野の音楽に嫌悪感を覚えたものだ。若いエネルギーに溢れた彼ならではのごきげんなナンバーが聴けることを期待していたからである。結局、それからそのアルバムを買うこともなく、彼の音楽からも離れていくことになる。

だが、それから20年以上も過ぎた今、あらためて“ヴィジターズ”を聴いてみると、まずそのサウンドのクオリティの高さに驚かされる。20年以上も前に日本人がこのサウンドを作り上げたという事実だけでも尊敬に値すると思う。そして、彼の変化は必然的な“進化”であったのだと妙に納得させられてしまった。若かった当時の僕は、彼にある一定のサウンドを期待していた。そして、それは単なる固定観念だった。要するに頭が固かったのである。変化を受け入れる柔軟性に欠けていたともいえるだろう。

“トゥナイト”は今聴いてもすばらしいポップチューンである。ニューヨークの生活でカルチャーショックに身をゆだねながら、激しい葛藤の中で生まれた最良の楽曲の一つだと思う。正直このアルバム以降の彼の作品にはほとんど興味を持てないでいる。だが、この曲“トゥナイト”だけは彼の初期の作品と共にこれからも永く聴き続けていくにちがいない。

参考:“ヴィジターズ


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