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素晴らしきかな“Chaos & Creation ~”

いつも思うことだが、1枚のアルバムを発売直後に正当に評価するのはとても難しいことだ。

もちろん“Memory Almost Full”のことを言っているのである。

毎度の事ながら、ポールの新しいアルバムが発売する度に、「これぞ世紀の傑作だ!」「ビートルズに匹敵する名作だ!」などと年甲斐もなく異常なテンションで一人盛り上がってしまう僕なのであった。本当に大人げない・・・。

しかし実際のところ、真の作品の評価というものは長い年月という試練を経て初めて明らかになるものだと思う。

ビートルズを初めて聴いてからかれこれ30年になる。(というか30年も経ってしまった…)
30年という気の遠くなるような時間を経て、僕のビートルズに対する評価はどう変わっただろうかと自問してみる。

答え:全く変わっていない。以上!

ビートルズの作品の重要性、そしてそのすばらしさはこの30年間全く変わっていない。彼らこそレコーディング芸術の真の開拓者であり、ポピュラー音楽史上最強のクリエイター集団であった。
ビートルズが残した作品こそ真の文化的世界遺産だと思う。しかもその価値は超A級である。

僕は死ぬまで彼らの残した珠玉の作品群を聴き続けるにちがいない。

さて、ビートルズほどではないにしろ、ポール狂の僕にしてみれば、彼のソロ作品のいくつかは既にビートルズとほぼ同格の地位を確立している。

曲単位でいえば、かなりの数に上る。ざっと思いつくだけでも、“Back Seat of My Car”、“Silly Love Songs”、“Maybe I'm Amazed”、“1985”、“This Never Happened Before”、“Goodnight Tonight”、“Take It Away”、“Little Lamb Dragonfly”、“Some Days”、“So Bad”、“Run Devil Run”などなど。死ぬまで繰り返し聴くであろうと思われる曲はすでに相当な数に達している。
つまり僕にとって、ポールは紛れもなくビートルズの後継者ということだ。

アルバムという単位で見れば、僕にとっては、ただ一枚“Band on the Run”だけが長い時という試練を経て、ビートルズと同格のリストに名を連ねる作品となる。
そして次点には“Ram”、そして“Chaos and Creation in the Backyard”が極めて近い位置でリスト入りを待っている、といったところである。

“Chaos and Creation~”は発売から約2年が過ぎ、僕自身ようやく作品を客観的に評価できるようになってきたと感じている。
この2年間、何十回も繰り返しこのアルバムを聴いてきたが、一枚のアルバムとしての完成度の高さは“Band on the Run”に匹敵するというのが個人的な意見だ。

特にナイジェル・ゴドリッチの手になるプロデュースのすばらしさはどんなに賞賛しても賞賛し尽せないものがある。
ひとつひとつの音色の美しさ。豊かな響きと深い奥行きを感じさせる音作りは時として“Abbey Road”のサウンドを思わせる。ともかくこれまでのどのポールのアルバムにもなかった音である。
彼のプロデュースはロックを芸術の域にまで押し上げたジョージ・マーティンの手法を受け継いでいるかのようにさえ思える。

その点、プロデュースだけに焦点を絞って比較してみると、最新作の“Memory Almost Full”はストレートで、フラット(平ら)な印象を強く残すものとなっている。一部のファンからはマスタリングの悪さも指摘されているが、僕も原音の美しさ、響き、音の深さが損なわれているように感じられてならない。

“Chaos and Creation~”がポールの他のアルバムと極めて異なっているのは、ともかく理屈抜きに、ただ聴いているだけで非常に心地良いことである。
新作との比較によって、改めて浮き彫りになったこの作品のすばらしさに、僕は興奮を覚えずにはいられなかったのだった。
素晴らしきかなケイオス・・・
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