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“Memory Almost Full”を聴いて

僕が購入したのは、ボーナストラック3曲+ポールのインタビューが収録された輸入盤2枚組デラックスエディション。新宿HMVで2690円!日本盤の通常版(ボーナストラック1曲収録)が2500円だったから、迷わず2枚組を購入した。ちなみに今日Amazon.co.jpで確認したところ、同じものが4208円だった。

まだ3回ほどしか通しで聴いていないが、以下感想である。

いきなり結論。大傑作だと思う。
“Memory Almost Full”は美しいロックアルバムである。
ポールがロックのフィールドに帰還を果たした記念すべきアルバムである。

ビートルズは世界最高のロックバンドだったが、ウイングス解散以降、ポールはいつの間にかロック・ミュージシャン、ロック・シンガーではなくなっていた気がする。
もちろん“Run Devil Run”というすばらしいロックンロールアルバムを発表してはいたが、それもほとんどがカバー曲で占められており、オリジナル・アルバムにはロックのスピリット(精神)というものが欠けていた気がするのだ。

ただ、ポールがそれを試みなかったということではない。
Back to the Egg”や、“Press to Play”、“Driving Rain”などはポールがロックへの回帰を試みた作品ではないかと僕は思っている。ただ、それらはあまりうまくいったとはいえなかったのだ。
だが、なぜうまくいかなかったのか?“Memory Almost Full”を聴いて、その原因が今少しだけわかった気がする。

それはポール自身が偉大なるロックの開拓者そのものだからだ。真の意味でロックスピリットを持たないミュージシャンたちを起用し、彼らの意見、プレイを取り入れてしまったがゆえに、そのアルバムはビートルズの美しいロックアルバムとは似ても似つかない、ある意味中途半端な作品になってしまったのではなかったか。
ポール自身がロックなのだ。彼の魂が、彼の血肉がロックそのものなのだ。
だから、共演者がジョンのような人でないかぎり、真の意味でのロック作品は生まれ得ない。

でなければ、彼一人でやるしかない。

そして、ナイジェル・ゴドリッチという天才プロデューサーが前作“Chaos and Creation in the Backyard”において、その事実をポールに気付かせてくれた。これはとても幸運な事だった。
しかも、ポールはほとんどの楽器を独力でやることができたのだ。

“Memory Almost Full”で、再びポールは多くの曲を一人で録り直し、また手直しをしたといわれている。そして全く妥協をせずに完成したのがこのアルバムである。
演奏、アレンジ、コーラス、ヴォーカル。すべてがポール一色である。出来上がったサウンドは硬質で、ロック・スピリッツに溢れている。

非常にバラエティに富んだ全13曲。しかも個々の楽曲が独立した魅力を放っている。僕の好きなホワイト・アルバムのポールと似通った雰囲気を感じる。
ボーナストラックは“Why So Blue”がアウトテイクにするのがもったいないほどの出来だと思う。シングルとして発売してもよいのではと思えるくらいだ。
他の2曲はインストゥルメンタルだが、どちらもアルバムにつなぎとして入れても全く問題がなさそうなほど。アウトテイクからもポールの充実ぶりがうかがえる。

ポール自身も相当自信を持っているのだろう。これまでにないほど精力的なプロモーション活動を行なっている。スターバックスも全社を挙げてポールをバックアップしているように見える。
果たしてビルボードのチャートで何位に初登場するだろうか。
僕にしてみれば、これで1位が取れなければ、ポールはもう永久に1位は取れないだろうと思われるほどで、実はあまり心配はしていない。これで売れなければ、世間がどうかしているのだ。それぐらいの傑作だと個人的には思っている。
ありがとうポール!
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