衝撃!木村カエラ!
絢香もよかった、Bonnie Pinkもよかった、コブクロもよかった。
とにかく最近の邦楽の充実ぶりには、まるで70年代・80年代のポピュラー・ミュージック全盛期を思い起こさせるものがある。
だが、今ここにまた一枚、日本の音楽史に残るようなすごいポップ・アルバムが出現した。
木村カエラの“Scratch
”である。
実は最近、たまたまテレビで彼女の類いまれなるスター性を目撃した僕は、それから彼女を無視することができずにいた。
40過ぎともなれば、22才の彼女に身も心もすべて奪われてしまうことはさすがにありえないとしても、その後ほんのりと僕の心の中に彼女だけのスペースができてしまっていたのだった。
彼女について、一つ忘れてはならない有名な出来事がある。
それは、彼女が日本が誇る天才音楽集団サディステック・ミカ・バンドのメンバーたちから強烈なラブコールを受け、年齢差などなんの、メインヴォーカリストとして正式なオファーを受け、それを快諾してしまったというものだ。
へたをすれば、おじいちゃんと孫ほども年の離れたおじさまたちが惚れ込むほどの素材。それが木村カエラという人なのである。ひょっとするとおじさんキラーなのかも…。もちろん、それも才能あってこその話だが。
これはもうそれだけで一つの事件だ。
さて、前置きはこれぐらいにして、肝心のサウンドだが、まず1曲目から厚みのある本格的な音作りに驚かされた。
実際にはまだ彼女はアルバムをセルフプロデュースするほどの領域には達していないと思うのだが、サウンドを聴く限り、これはもう本物のアーティストの音である。
このサウンドは、ビートルズ以降長年洋楽を聴き続けてきた僕の耳も十分に満足させてくれるものである。これはありそうで、実際には今ではほとんど起こらないことだ。
たとえば、いくら宇多田ヒカルのアルバムが何百万枚のセールスを記録しようとも、彼女のアルバムの音は僕にしてみれば歌謡曲の延長線上にしか聴こえない。
彼女の作る曲はたしかにすばらしいのだが、歌を乗せるサウンドが洗練されたカラオケといった風に聴こえてしまうのだ。
だから、僕はまずそのサウンドの緻密さに驚いた。これは何度も聴きたくなる僕好みの音である。ともかく相当な労力を費やしてこのアルバムが製作されたことだけは間違いないだろう。
ゆえに、このアルバムのサウンドは本物のアーティストの音であり、楽曲の質の高さ、全体的な完成度の高さと相まって、歴史的名盤になる可能性がある。
少なくとも個人的には今まで聴いた邦楽の全アルバムの中でベスト10に入る作品と思っている。絢香もよかったが、好みでいえば“Scratch”のほうが数段上で、ひょっとするとこのアルバムは10年後も聴いているかもしれないと思う。
“Snowdome”で極上のポップソングを聴かせたかと思えば、“Tree Climbers”ではカエラ風ハードロックを事もなげにサラッと演じきってしまう。この抜群の音楽センスはいったいどこからくるのだろう?
ちなみに、上記2曲はいずれもオリコンで6位までしか上がらなかったことが信じられない。僕にとってはいずれも1位になるべき超名曲である。
さて、今回のアルバムは彼女にとって3rdアルバムになるそうだが、前作、前々作はもっとロック色の濃いものであったそうだ。ポップス志向の僕にしてみれば、これほど上質のポップ・アルバムが作れるのならば、彼女はこの路線でいいのではないかと思ったりもする。
とにかくまだまだ22才。将来が楽しみな逸材である。
とにかく最近の邦楽の充実ぶりには、まるで70年代・80年代のポピュラー・ミュージック全盛期を思い起こさせるものがある。
だが、今ここにまた一枚、日本の音楽史に残るようなすごいポップ・アルバムが出現した。
木村カエラの“Scratch
実は最近、たまたまテレビで彼女の類いまれなるスター性を目撃した僕は、それから彼女を無視することができずにいた。
40過ぎともなれば、22才の彼女に身も心もすべて奪われてしまうことはさすがにありえないとしても、その後ほんのりと僕の心の中に彼女だけのスペースができてしまっていたのだった。
彼女について、一つ忘れてはならない有名な出来事がある。
それは、彼女が日本が誇る天才音楽集団サディステック・ミカ・バンドのメンバーたちから強烈なラブコールを受け、年齢差などなんの、メインヴォーカリストとして正式なオファーを受け、それを快諾してしまったというものだ。
へたをすれば、おじいちゃんと孫ほども年の離れたおじさまたちが惚れ込むほどの素材。それが木村カエラという人なのである。ひょっとするとおじさんキラーなのかも…。もちろん、それも才能あってこその話だが。
これはもうそれだけで一つの事件だ。
さて、前置きはこれぐらいにして、肝心のサウンドだが、まず1曲目から厚みのある本格的な音作りに驚かされた。
実際にはまだ彼女はアルバムをセルフプロデュースするほどの領域には達していないと思うのだが、サウンドを聴く限り、これはもう本物のアーティストの音である。
このサウンドは、ビートルズ以降長年洋楽を聴き続けてきた僕の耳も十分に満足させてくれるものである。これはありそうで、実際には今ではほとんど起こらないことだ。
たとえば、いくら宇多田ヒカルのアルバムが何百万枚のセールスを記録しようとも、彼女のアルバムの音は僕にしてみれば歌謡曲の延長線上にしか聴こえない。
彼女の作る曲はたしかにすばらしいのだが、歌を乗せるサウンドが洗練されたカラオケといった風に聴こえてしまうのだ。
だから、僕はまずそのサウンドの緻密さに驚いた。これは何度も聴きたくなる僕好みの音である。ともかく相当な労力を費やしてこのアルバムが製作されたことだけは間違いないだろう。
ゆえに、このアルバムのサウンドは本物のアーティストの音であり、楽曲の質の高さ、全体的な完成度の高さと相まって、歴史的名盤になる可能性がある。
少なくとも個人的には今まで聴いた邦楽の全アルバムの中でベスト10に入る作品と思っている。絢香もよかったが、好みでいえば“Scratch”のほうが数段上で、ひょっとするとこのアルバムは10年後も聴いているかもしれないと思う。
“Snowdome”で極上のポップソングを聴かせたかと思えば、“Tree Climbers”ではカエラ風ハードロックを事もなげにサラッと演じきってしまう。この抜群の音楽センスはいったいどこからくるのだろう?
ちなみに、上記2曲はいずれもオリコンで6位までしか上がらなかったことが信じられない。僕にとってはいずれも1位になるべき超名曲である。
さて、今回のアルバムは彼女にとって3rdアルバムになるそうだが、前作、前々作はもっとロック色の濃いものであったそうだ。ポップス志向の僕にしてみれば、これほど上質のポップ・アルバムが作れるのならば、彼女はこの路線でいいのではないかと思ったりもする。
とにかくまだまだ22才。将来が楽しみな逸材である。