ポールの曲 “Helter Skelter(ヘルター・スケルター)”
「サーフィンからアバンギャルドまで全30曲、音楽空間の全てに翼を広げるビートルズの才能がここに集結」
かつてアナログ盤ホワイトアルバムのジャケットのオビに書かれていたキャッチコピーである。
特に「サーフィンからアバンギャルドまで」というくだりは多くのビートルズファンの心の中にしっかりと刻み込まれているに違いない。
しかし、である。
アバンギャルド、つまり“Revolution 9”をよく聴くという人がいったいどれだけいるだろうか?僕はもちろんジョンは大好きだが、“Revolution 9”だけは完全に別モノと捉えている。(はっきり言ってほとんど聴かない)
だから前述のキャッチコピーは少々オーバーな表現だと思うのだ。
「皆さんビートルズってこんなにもすごいんですよ。前衛的な手法も取り入れた抽象音楽までをも手掛けたわけでして…。」なんて、もっともらしい解説が聞こえてきそうではないか。
天才ジョン・レノンが取り組もうとしたことを否定する気は毛頭ないが、個人的にはこの曲を例に挙げて、ビートルズの音楽性を云々すること自体意味がないことだと思っている。
というわけで僕にとってホワイトアルバムは「サーフィンからアバンギャルドまで」ではなく「サーフィンからヘビーメタルまで」なのである。
さらに、後半部を加えるとキャッチコピーはこうなる。
「サーフィンからヘビーメタルまで全30曲、音楽空間の全てに翼を広げるポールの才能がここに開花」(ちょっとやりすぎたかな?)
いずれにしろ、ホワイトアルバムで賞賛される音楽性の幅広さは、そのほとんどがポールの功績によるところが大きいと思うのだ。それだけは声を大にして言っておきたい。
実際このアルバムでのジョンとジョージの作品を眺めてみれば、ポールほど際立った作風の違いが見いだせないことがはっきりとわかるだろう。
要するにポール以外はそれまでのビートルズの作品と作風的にはそれほど大きな違いはないということなのだ。このアルバムでポールが見せる11の顔がいかに常識を超えた現象であったのかがわかる。
さて前置きが長くなったが、ホワイトアルバム10番目の顔は“Helter Skelter”である。
この曲はロック史上初のハードロックと呼ばれている(と読んだ記憶がある)。
史上初かどうかは別にしても、ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンの結成がホワイトアルバムのリリースと同じ1968年であることから、この曲がのちのロック界に与えた影響は計り知れない。
だが、ディープ・パープルをハードロックと呼べるのならば、“Helter Skelter”はさしずめその先を行くヘビーメタルの先駆的作品であったと断言しても特に差し支えはあるまい。
激しいギターのイントロ。荒々しいドラムス。ギターばりの印象的なベース。気ちがいじみたポールのヴォーカル。そして奇抜なアイデア。
そのすべてに聴く者はただひたすら度肝を抜かされるのだ。
しかも楽曲は最高に美しく、エキサイティングときている。
この曲を“Yesterday”と同じ人が書き、そして演じているのだと思うと…。
まさしくポールは化け物である。
少なくとも1968年のポールはやはり尋常ではないと思ってしまう。
発表から40年近く経った現在も“Helter Skelter”は全く古さを感じさせない。
今年のグラミー賞のステージでポールがこの曲を演奏し、大喝采を浴びたことが何よりの証拠である。
参考:ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)
かつてアナログ盤ホワイトアルバムのジャケットのオビに書かれていたキャッチコピーである。
特に「サーフィンからアバンギャルドまで」というくだりは多くのビートルズファンの心の中にしっかりと刻み込まれているに違いない。
しかし、である。
アバンギャルド、つまり“Revolution 9”をよく聴くという人がいったいどれだけいるだろうか?僕はもちろんジョンは大好きだが、“Revolution 9”だけは完全に別モノと捉えている。(はっきり言ってほとんど聴かない)
だから前述のキャッチコピーは少々オーバーな表現だと思うのだ。
「皆さんビートルズってこんなにもすごいんですよ。前衛的な手法も取り入れた抽象音楽までをも手掛けたわけでして…。」なんて、もっともらしい解説が聞こえてきそうではないか。
天才ジョン・レノンが取り組もうとしたことを否定する気は毛頭ないが、個人的にはこの曲を例に挙げて、ビートルズの音楽性を云々すること自体意味がないことだと思っている。
というわけで僕にとってホワイトアルバムは「サーフィンからアバンギャルドまで」ではなく「サーフィンからヘビーメタルまで」なのである。
さらに、後半部を加えるとキャッチコピーはこうなる。
「サーフィンからヘビーメタルまで全30曲、音楽空間の全てに翼を広げるポールの才能がここに開花」(ちょっとやりすぎたかな?)
いずれにしろ、ホワイトアルバムで賞賛される音楽性の幅広さは、そのほとんどがポールの功績によるところが大きいと思うのだ。それだけは声を大にして言っておきたい。
実際このアルバムでのジョンとジョージの作品を眺めてみれば、ポールほど際立った作風の違いが見いだせないことがはっきりとわかるだろう。
要するにポール以外はそれまでのビートルズの作品と作風的にはそれほど大きな違いはないということなのだ。このアルバムでポールが見せる11の顔がいかに常識を超えた現象であったのかがわかる。
さて前置きが長くなったが、ホワイトアルバム10番目の顔は“Helter Skelter”である。
この曲はロック史上初のハードロックと呼ばれている(と読んだ記憶がある)。
史上初かどうかは別にしても、ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンの結成がホワイトアルバムのリリースと同じ1968年であることから、この曲がのちのロック界に与えた影響は計り知れない。
だが、ディープ・パープルをハードロックと呼べるのならば、“Helter Skelter”はさしずめその先を行くヘビーメタルの先駆的作品であったと断言しても特に差し支えはあるまい。
激しいギターのイントロ。荒々しいドラムス。ギターばりの印象的なベース。気ちがいじみたポールのヴォーカル。そして奇抜なアイデア。
そのすべてに聴く者はただひたすら度肝を抜かされるのだ。
しかも楽曲は最高に美しく、エキサイティングときている。
この曲を“Yesterday”と同じ人が書き、そして演じているのだと思うと…。
まさしくポールは化け物である。
少なくとも1968年のポールはやはり尋常ではないと思ってしまう。
発表から40年近く経った現在も“Helter Skelter”は全く古さを感じさせない。
今年のグラミー賞のステージでポールがこの曲を演奏し、大喝采を浴びたことが何よりの証拠である。
参考:ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)