『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その27
視聴後の感想(1)
とにかく「すごいもの」を観てしまったというのが正直な感想である。僕がビートルズを聴き始めたのは1976年頃・・・。当時はスマホも、パソコンも、ビデオデッキもない時代だった。だから、ビートルズファンの僕たちは常に「動くビートルズ」(つまり彼らの動画)に飢えていた。なぜなら僕たちに手に入るものといえば、ファンクラブの会報や音楽雑誌に掲載される写真か、テレビ放送か(もちろん録画はできなかった)、定期的に開催されるフィルムコンサートぐらいしか手段がなかったからだ。
とくにフィルムコンサートというやつはビートルズと、解散後のメンバーたちの動画がまとめて観られるという非常に有難いイベントだった。だがその画質はとんでもなくひどいものだった。たとえば『レヴォリューション』のプロモビデオなどはジョンの顔がのっぺりとまっ白に見えてまるでバケモノのようだった(笑)。それでも僕たちは彼らの動く姿(動画)に文字通り「飢えていた」から、画質などはたいした問題ではなかったのだ。
今ではほぼあらゆるビートルズ関係の動画がYouTubeで観られるといっても過言ではない。だから、彼らの動画もすっかり有難みがなくなってしまった。なにしろ、昔はわざわざお金を出して、遠いところまで足を運んで観に行ったものが、家にいながらにして、しかも無料で観れてしまうのだから・・・。
時代は変わった。そしてビートルズの動画もお宝ではなくなってしまった。これは幸せでもあり、また不幸でもあるかもしれない。だが、僕のようなオールドファンにとってはまさに夢のような時代が到来したと言っていい。そんな折も折、まるで天から降ったかのように我々の前に突然現れたのが『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』だった。
僕はとにかくその画質の美しさにびっくり仰天した。それはただ未発表の動画というだけではなく、僕がこれまでに観たどんなビートルズの動画よりも美しかったからである。そして3部作で合計7時間以上というその長さ。そしてその濃密な内容・・・。そこには有り余るほどのビートルズの生演奏と、素顔に限りなく近いメンバーたちの姿、会話があった。いったいこれ以上のものを誰が望むだろう?
だが不思議なことに、この人類史に残るであろう宝物は、約50年もの間倉庫の奥に眠っていたのである。まちがいなくこのフィルムはビートルズの偉大なる功績にさらに大きな足跡を加えることになるものであり、また彼らの歴史の修正を余儀なくされるものでもある。特にビートルズは映画『レット・イット・ビー』撮影の頃には完全にバラバラで、仲が悪かったという定説はまったくの誤りであることがここに証明された。
ゆえに、『レット・イット・ビー』のあとに永遠の名盤『アビイ・ロード』が作られたこともけっして不思議なことではなく、むしろ必然であったと思えてくる。ライヴレコーディングを丸1か月もやり続けた彼らが、より完成度の高いスタジオアルバムを模索したことはとても理にかなっていると思えるからだ。
もう一つこれを観終わって素直に思うのは、これが2~3時間程度の映画ではなく、8時間弱のドキュメンタリーとして公開されて本当によかったということである。というのも、現在のドキュメンタリーでもなおカットされたのが惜しいと思える重要な場面がたくさんあったからだ。もうこうなったらピーター・ジャクソン監督にはさらに長尺のロング・ヴァージョンのディレクターズカットを作ってもらうしかないと思う(笑)。
ディズニープラス
https://disneyplus.disney.co.jp/
レット・イット・ビー スペシャル・エディション (スーパー・デラックス)(完全生産限定盤)(SHM-CD)(5枚組)

公式書籍 ザ・ビートルズ:Get Back(日本語版)

よろしければ、僕の別ブログにもお越しいただければ幸いです。昭和・平成・令和 そして今を生きる
とにかく「すごいもの」を観てしまったというのが正直な感想である。僕がビートルズを聴き始めたのは1976年頃・・・。当時はスマホも、パソコンも、ビデオデッキもない時代だった。だから、ビートルズファンの僕たちは常に「動くビートルズ」(つまり彼らの動画)に飢えていた。なぜなら僕たちに手に入るものといえば、ファンクラブの会報や音楽雑誌に掲載される写真か、テレビ放送か(もちろん録画はできなかった)、定期的に開催されるフィルムコンサートぐらいしか手段がなかったからだ。
とくにフィルムコンサートというやつはビートルズと、解散後のメンバーたちの動画がまとめて観られるという非常に有難いイベントだった。だがその画質はとんでもなくひどいものだった。たとえば『レヴォリューション』のプロモビデオなどはジョンの顔がのっぺりとまっ白に見えてまるでバケモノのようだった(笑)。それでも僕たちは彼らの動く姿(動画)に文字通り「飢えていた」から、画質などはたいした問題ではなかったのだ。
今ではほぼあらゆるビートルズ関係の動画がYouTubeで観られるといっても過言ではない。だから、彼らの動画もすっかり有難みがなくなってしまった。なにしろ、昔はわざわざお金を出して、遠いところまで足を運んで観に行ったものが、家にいながらにして、しかも無料で観れてしまうのだから・・・。
時代は変わった。そしてビートルズの動画もお宝ではなくなってしまった。これは幸せでもあり、また不幸でもあるかもしれない。だが、僕のようなオールドファンにとってはまさに夢のような時代が到来したと言っていい。そんな折も折、まるで天から降ったかのように我々の前に突然現れたのが『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』だった。
僕はとにかくその画質の美しさにびっくり仰天した。それはただ未発表の動画というだけではなく、僕がこれまでに観たどんなビートルズの動画よりも美しかったからである。そして3部作で合計7時間以上というその長さ。そしてその濃密な内容・・・。そこには有り余るほどのビートルズの生演奏と、素顔に限りなく近いメンバーたちの姿、会話があった。いったいこれ以上のものを誰が望むだろう?
だが不思議なことに、この人類史に残るであろう宝物は、約50年もの間倉庫の奥に眠っていたのである。まちがいなくこのフィルムはビートルズの偉大なる功績にさらに大きな足跡を加えることになるものであり、また彼らの歴史の修正を余儀なくされるものでもある。特にビートルズは映画『レット・イット・ビー』撮影の頃には完全にバラバラで、仲が悪かったという定説はまったくの誤りであることがここに証明された。
ゆえに、『レット・イット・ビー』のあとに永遠の名盤『アビイ・ロード』が作られたこともけっして不思議なことではなく、むしろ必然であったと思えてくる。ライヴレコーディングを丸1か月もやり続けた彼らが、より完成度の高いスタジオアルバムを模索したことはとても理にかなっていると思えるからだ。
もう一つこれを観終わって素直に思うのは、これが2~3時間程度の映画ではなく、8時間弱のドキュメンタリーとして公開されて本当によかったということである。というのも、現在のドキュメンタリーでもなおカットされたのが惜しいと思える重要な場面がたくさんあったからだ。もうこうなったらピーター・ジャクソン監督にはさらに長尺のロング・ヴァージョンのディレクターズカットを作ってもらうしかないと思う(笑)。
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レット・イット・ビー スペシャル・エディション (スーパー・デラックス)(完全生産限定盤)(SHM-CD)(5枚組)
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2022-01-29 │ ザ・ビートルズ:ゲット・バック │ Edit