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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その8 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その8

この記事にはネタバレが含まれます。

【7日目】 1月10日(金)
この日は音楽出版社のディック・ジェームズがスタジオでポール、リンゴ、リンゼイ・ホッグ監督、グリン・ジョンズらと音楽の版権等について談笑する場面から始まる。ジョンとジョージはまだ姿を見せていない。ビートルズの曲をノーザンソングスが買ったという話も出てくる。途中でジョージとジョンも合流し、本日のリハーサルが開始される。どうやら4人とも音楽出版にはあまり興味がなさそうだ。

"Hi-Heel Sneakers"
ポールも以前ライヴ等で取り上げていた曲だが、ここではジョンがヴォーカルを取っている。この日はジョンの機嫌が良く、表情もこれまでで一番明るい。

"Get Back"
なんと続いて映し出される場面は、ジョンとポールが立って至近距離で差し向かいに練習を始めるシーンである。この場面に少なからず驚いたファンもきっと多いのではないだろうか。なぜなら、ビートルズが不仲、もしくは不和の状態にあったと延々と語り継がれてきた1969年1月というこの時期において、ジョンとポールがまるで恋人同士でもあるかのように抜群のコンビネーションを発揮して、生き生きとリハーサルを行っているからである。そして、その光景を沈んだ表情で見つめるジョージの姿・・・。まさしく明と暗がくっきりと分かれ、それが見事に映像に収められた貴重な瞬間である。

それはポール対ジョン、ジョージ、リンゴではなかった。それはジョン、ポール対ジョージだったのだ、とポール派の僕はこの場面を見て深く悟ったのであった。少なくとも問題のまさに根っこはここに存在していたのである。

そのような複雑な印象を持つと同時に、僕は差し向かいで楽しそうにセッションを楽しむジョンとポールの姿に心の底から感動した。そして、彼らの関係性がちょっとやそっとでは壊れるはずがないことを実感した。間違いなくこのシーンはビートルズの歴史に新たな1ページを刻むことだろう。そして、こんなシーンが残っていたことを僕はほんとうに嬉しく思う。

しかし、一方ではジョージの「外された感」もまた半端ではない。時にはおどけながら笑顔でセッションを続けるジョンとポール、そして時に激しくドラムを叩くリンゴ・・・。しかしジョージはまったく演奏に加わる様子がない。だが、それでもジョンとポールはまるでそこにジョージがいないかのようにリハーサルを続けるのである。きっとこの光景がそれまで数限りなく繰り返されてきたのではないか・・・。そんな思いが僕の脳裏をよぎった。

ようやくギターを弾き始めるジョージ。その浮かない顔のジョージに向かって明るく演奏の指示をするポール。ポールの言葉はあくまで前向きで、けっして高圧的なものではないのだが、今のジョージにはなにもかもが気に入らないのだった。

ジョージが言う「クラプトンを呼べよ」。それに対するジョンの答えは「ジョージが要る」。ポールの答えは「君が必要なんだ。ただシンプルにやってほしい」。だがジョージは浮かない顔のままだ。ポールができるだけジョージの感情を逆なでしないよう、慎重に言葉を選びながら明るく指示を出そうとしているのが伝わってくる。だが、ジョージは納得がいかない。きっと「自分のやり方で何が悪いのか」とでも言いたいのだろう。だが、ジョンもまったく反論せず、逆に機嫌よくセッションを続けていることから、ポールの指示は基本的に妥当なのではないだろうか。

"Two Of Us"
曲が変わっても相変わらずジョンとポールは上機嫌でセッションを続けている。が、ジョージの機嫌は直らない。虚ろな表情で遠くに視線を投げかけているようだ。

そして、ついにジョージが立ち上がって言う、「辞めようと思う。バンドを辞める。」
ジョン「いつ」
ジョージ「今だ」「代わりを探せよ。音楽誌で募集すればいい。」

なんと映画の撮影中にこの貴重な場面は起こっていたのだった。まさに予期せぬハプニング。ここでリンゼイ・ホッグ監督が言う、「カット」

その後静止画に流されたテロップは・・・
「またクラブで会おう」と言い、ジョージは去っていった。
ジョージの日記
「起床。スタジオへ。昼までリハーサル。ビートルズを脱退。帰宅。」

だが僕がもっと驚いたのはそのあとである。
ジョージがスタジオを去ったのち、昼食を挟んでスタジオに戻ったジョン、ポール、リンゴの3人は、まるで何事もなかったかのように元気全開でリハーサルを再開するのである。

"I've Got A Feeling"
"Don't Let Me Down"

そして、まるでジョージの抜けた穴を埋めるようにヨーコが(悪名高き)雄叫びを上げる!しかも3人共ノリノリときている。

その後ジョージがいなくなったスタジオに全員が集まり自然発生的にミーティングが行われる。
ジョン「辞めるなら辞めさせろ」
リンゼイ・ホッグ監督「ショーやバンドは続けるの?」
ジョン「戻らないならクラプトンを入れる」
リンゼイ・ホッグ監督「脱退騒ぎは前にもあった?」
ジョン「ああ、リンゴがね」

ジョンの強気の発言はきっと不安の裏返しなのであろう。他の2人も努めて明るさを装おうとしているように見える。

ジョージの曲『イズント・イット・ア・ピティ』がバックに流れ、ドキュメンタリーの第一部が終わりを迎える。

最後のシーンは真剣な顔をしたジョン、ポール、リンゴが互いに肩に手を置き、三角形に顔を寄せ合って何事かを囁いている場面である。

そのシーンに以下のテロップが重なる。「3人はジョージと会って復帰を説得しようと決める」

1月10日(土)
以下のテロップが流れる。
「日曜 ヨーコとリンダも交えリンゴの家で会合」
「会合はうまくいかなかった」

ジョージがバンドを辞めるという衝撃的な場面でドキュメンタリーの第一部は終わる。

第一部を見終わっての僕個人の感想は、とにかく息を飲むほどにすべてがすばらしかったということだ。実際ファンにとってこれ以上のプレゼントが考えられるだろうか?いや、あり得ない。結果的にビートルズは最後の最後にこれ以上ない最高、最強のプレゼントを僕たちファンに贈ってくれたのである。彼らは文字通り彼らのすべてを僕たちに与えてくれた。ありがとうビートルズ!(第2部へ続く)

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