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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その5 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

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『ザ・ビートルズ:ゲット・バック』の感想 その5

この記事にはネタバレが含まれます。

【4日目】 1月7日(火)
この日はジョンを除く3人がスタジオ内で会話しているシーンから始まる。

ジョンが時間どおりに来ていないのだった。しかも、それは3人にとってもはや驚くようなことではないことが彼らの会話から感じられる。ポールがリンゴに「君は遅れてきたことがないよね。君はプロだよ。」と言う。だがジョンは今日も遅れていた。そしてその事実が、ジョンが既にビートルズに興味を失いつつあることを推測させる。

だが、このあまり好ましいとは言えない状況の中で、ポールはとんでもないウルトラCをやってのける。

このドキュメンタリー全体の中でも最も重要なシーンの一つがこの直後に起こるのである。

"Get Back"
この状況に業を煮やしたポールがまるで新しいアイディアを探るかのように一人でベースをかき鳴らし始めるのだ・・・。

最初、それは何かまったくわからない。しかし、次第にそれはある曲の形を取り始める・・・。そう、それはファンの耳には馴染みの深いある名曲誕生の瞬間だった!!

こんなことがあっていいのだろうか。なんと、ポールはカメラが回っている今まさにこの瞬間に『ゲット・バック』の主旋律を奏で始めたのである。僕は鳥肌が立った。それは無から有が生み出された瞬間であり、まさに名曲の一つがこの世に産声を上げた瞬間でもあった。その奇跡のシーンがフィルムに収められていたのである。

しかし、このシーンを世に出さずして、いったい何がビートルズの映画と言えるのだろう?ポールファンの僕は驚き、感激と共に怒りの感情が湧き上がってくるのを抑えることができなかった。50年前にこんなにも重要なシーンを封印したマイケル・リンゼイ・ホッグ監督の真意とはいかに???

ポール・マッカートニーおそるべし。やはりビートルズ後期のポールには神が降りていた。そして、その神通力はまだまだ健在であった。その事実をまざまざと見せつけられたシーンである。ジョンの遅刻がなかったなら、ひょっとしたらこの曲は生まれていなかったかもしれない。

その間じゅう黙って聴いていたジョージが言う、「それいいね。音楽的に最高だ。」ここでもジョージはポールに対して冷静に、極めて正当な評価を下している。そして一緒にギターを弾き始める。これはもう立派な共同作業である。

そうこうするうちにジョンが姿を現し演奏に参加し始める。リンゴも移動してドラムを叩き始める。本日のリハーサルが開始される。

次に映し出されるシーンは、マイケル・リンゼイ・ホッグ監督とビートルズの4人がどのようなショーを行うかを話し合う場面である。活発な意見交換を行ってはいるが、話しているのはほとんどが監督とポールの2人だけ。ジョンはまだ夢の中にいるかのようで、あまり話さず、やや目も虚ろである。ドラッグでもやってきたのか・・・。僕は時折その表情にある種の狂気さえ感じてしまった。

"Maxwell's Silver Hammer"
ポールがメンバーたちに明確な指示を与えながら曲を作り上げてゆく過程が記録されている。パーソナル・マネージャー兼ロード・アシスタントのマル・エヴァンズが子供のように目を輝かせながらハンマーを叩く場面も印象的だ。この人はドキュメンタリーの中でビートルズ以外に頻繁に顔を出す登場人物の一人である。またこの作品の中でかなり重要な役割も果たしているので、彼については何度か書くことになるであろう。

"Across The Universe"
ジョンが歌詞がタイプされた紙をマイクスタンドに貼り付けて、それを見ながらリハーサルを行なっているのがなんともご愛敬。譜面台ぐらい先に準備しておけよとも思うのだが、細かいことにこだわらない、このリラックスした雰囲気がビートルズ本来の姿なのかもしれない。

"Rock And Roll Music"
画面に「66年ワールドツアーのオープニング曲」というテロップが流れ、日本武道館公演の様子がリハーサル映像と交互に映し出され、リハーサル4日目の映像が終了する。

超名曲『ゲット・バック』の出現という大きな収穫はあったが、リハーサル自体はあまり進んでいないように思われる1日であった。

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