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2020年代もポールは走り続ける

今日の1曲:『Secret O' Life』/ジェイムス・テイラー

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

『マッカートニーⅢ』でポールは2020年代も現代音楽界の第一人者として走り続けることができることを証明してくれた。

アルバムを作ろうという意図などまったくなく、個人的な楽しみと遊び心で始めた9週間のレコーディングが自然な形で結実した『マッカートニーⅢ』。

そんな軽い気持ちで作ったアルバムがこの完成度である。

ほとんどすべての楽器を自力でこなして、ひたすら地道に重ね録りしてたったの9週間・・・。これはゼロから作り始めて実に1週間に1曲以上という驚異的なペースである。

今回はアルバムの収録に漏れた、いわゆるアウトテイク曲も実質1曲もないと思われることから、作った曲はもれなくアルバムに収録されたものと思われる。つまり本アルバムはこれ以上ないほど最高に効率的ではあったのだが、いかんせん個々の楽曲の平均的なレベルに関しては相対的に低くならざるを得なかった(・・・と個人的には想像する)。なんせ最初からアルバム制作を意図したものではなかったのだから仕方がない。そしてそのあたりが、最初にこのアルバムを聴いた時に僕が感じた「漠然とした物足りなさ」だったのだと思う。だから、ポールが若い頃のメロディアスで、ポップで、すぐに踊りだしたくなるようなキャッチーな曲がたくさん出てくることを期待している人たちはこのアルバムにきっと期待外れな印象を抱いてしまうにちがいない。

純粋に楽曲の良し悪しで比較したならば、正直言って今までのポールならアルバムの収録から外したであろう曲も、『マッカートニーⅢ』には数曲含まれているように僕には感じられる。

だが、今回ポールは9週間で用意することのできたこれら11曲を1曲たりとも無駄にしないことに決めたのだと思う。そして、彼の経験値から引き出したあらゆる技術、小技、あるいはトリックを駆使して最高の料理に仕上げたのだと僕には感じられる。彼の実に60年以上に渡る経験と、天才としてのひらめきとセンスが平均60点だった作品を90点にまで引き上げた・・・。僕は今そんな感覚を覚えているのである。

特に約8分に及ぶ『Deep Deep Feeling』や『Deep Down』のような曲は2000年以前のポールにはほとんど見られなかった味わい深い作品である。たとえて言うなら『How Kind Of You』や『Road』を踏襲するような作品で、現在のポールを象徴する熟成したサウンドだ(僕はポールのこの新しい作風がとても気に入っている)。

ひょっとしたら2020年を境にして、ポールの音楽活動は新しい局面を迎えることになるのかもしれない。かつてビートルズがコンサート活動を中止してから次々と芸術的な作品を生み出したように、ポールも今後数年はひたすら脇目もふらずレコーディングにいそしんでいただきたいものだと個人的には願っている。この調子なら1年に1枚ペースも夢ではない?。

要するに2020年代もポールは走り続けるということだ。ポールの健康と長寿に乾杯!!

マッカートニーIII スペシャル・エディション (限定盤)(SHM-CD)(特典:なし)


今日の1曲:『Secret O' Life』/ジェイムス・テイラー
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