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『ホワイト・アルバム』リミックスの感想 その2 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ・・・プラス!PLUS!+!

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『ホワイト・アルバム』リミックスの感想 その2

メンバー各々の個性が際立った種々雑多な曲を、統一感のある1枚のアルバムにまとめ上げたジョージ・マーティンのバランス感覚のすばらしさよ・・・。

今こうして届けられた新しい時代のリミックスアルバムを聴きながら、僕はそんなことばかり考えていた。

『ホワイト・アルバム』が発売から50年を経た今も世界最高峰の名作の1枚に数えられるのは、このアルバムが単なる名曲の寄せ集めではなく、前作『サージェント・ペパーズ』とはまた違った意味でトータル・アルバムといえる統一感を併せ持っていたからである。

それはジョージ・マーティンのプロデュースによる微妙なバランス感覚の上に成り立っていた・・・。

僕はその事実を今回改めて痛感することになったのである。


今回届けられたリミックス版は、その微妙なバランスが完全に崩されてしまっていた。

とにかく全体的に音圧の高さが気になってしまうのだが、それが時にはヴォーカルだけ、時には楽器だけ、そして時には1曲まるごと全部が突出しているといった具合で、聴いていてとてもとても「心地良くない」のである。

1曲1曲を取り出して聴くのであればまだいいが、アルバムを曲順通り聴こうとすると、途端に居心地の悪さを感じてしまうのだ。長い間オリジナルアルバムの心地良さに慣れきっている僕にしてみれば、これは道に地雷が埋まっているのを知りながら目隠しをしながら歩いてゆくようなものである。

百歩譲って全部の曲が改善されていると仮定したとしても、「アルバム全体の調和」、「心地良い流れ」「各曲のグルーヴ感(爽快感)」といった観点から見ると途端に点数が下がってしまうのだ(個人的な意見です)。

というわけで、僕自身に関しては『ホワイト・アルバム』は従来の2009年リマスター版を聴き続けることに決定である。

ただ、ビートルズ作品のリミックス作業なんて、どうやったところで必ず誰かが批判するのに決まっているのである。今回の作業もきっと大変な労力を費やしたにちがいなく、それを承知でこの困難な作業に挑戦し続けているジャイルズには心から深い敬意を表したい。ジャイルズ、あんたはエライ!!

なお今後僕が期待するのは『ラバーソウル』と『リボルバー』だ。『アビイ・ロード』はやはり完成度が高すぎて難しいだろう。

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