ポールの映画/アルバム“Give My Regards To Broad Street”
ポールが唯一本格的に映画製作を手掛けた記念すべき作品“Give My Regards To Broad Street”(邦題:ヤア!ブロードストリート)。1984年発表。
同名アルバムは映画のサントラという位置づけで発表された。
よって新曲は“No More Lonely Nights”“Not Such a Bad Boy”“No Values”“Goodnight Princess”の4曲のみ。
待ちに待った映画の完成であったが、せっかく映画を製作したというのに、たったの4曲しか新曲を用意できなかった当時のポールに、僕は初めて才能の枯渇というものを感じたものだった。
実際この作品以降、ポールのアルバム製作のペースはガタリと落ちることになる。
また、真の意味での大ヒット曲も“No More Lonely Nights”以降現れていない。
そう考えると、この作品は紛れもなくポールにとってのターニングポイントであったということがよくわかる。
それでも当時はまだまだポールの人気は高く、映画の出来の悪さ(?)にもかかわらず、小さな映画館でロードショー公開されていた。当時高校の友人とワクワクしながら映画館に足を運んだのをよく覚えている。(友人に無理を言って2度目を付き合わせたっけ)
とにかくこの映画の評価ときたら散々である。
ミュージシャンが映画製作に手を出して失敗した典型的なパターンといえるのかもしれない。
たしかに1本の映画として見た場合、ストーリーはつまらないし、ポールの演技もお世辞にも褒められたものではない。
だが、これを1本のミュージックビデオとして見た場合には、非常に価値のある作品に様変わりする。
1984年当時は現在とは違い、まだジョン・レノン暗殺のショックが尾を引いていた時代だった。つまり、ポールが生で演奏するシーンにお目にかかれること自体が非常に珍しいことだったのだ。ポール自身もライブはおろか、公の場に姿を見せることさえ自粛しているようなところがあった。
だから僕はこの映画の中で、ポールが歌い、演奏するシーンに本当に感動した。当時はまさにお宝映像だったのだ。
特に前半のスタジオでのメドレーと、倉庫内でのライブ感あふれる演奏シーンは最高である。出来からいえば、倉庫内でのシーンがマッカートニーの映像史に残る名演であると個人的には思っている。
40代前半のまだまだかっこいいポールの姿がたっぷり堪能できるのも魅力だ。
アルバムの出来のほうだが、正直言ってあまりよろしくない。
イギリスでNo.1に輝いたのが信じられないくらいである。
タイトルチューンの“No More Lonely Nights”は文句なくマッカートニー節全開の名曲。まさしくニュー・マッカートニー・クラシックと呼べるほど素晴らしい曲であるが、それに続くような曲がないのがなんとも寂しい限りだ。
とはいえ、個人的にはインストゥルメンタルの“Goodnight Princess”が大のお気に入りであるし、全く新しいアレンジで生まれ変わった“Long And Winding Road”はオリジナルよりも好きなくらいだし、“Not Such A Bad Boy”も“No More Lonely Nights(playout version)”も好きである。
つまり、アルバムを通して聴くようなことは滅多にないが、好きな曲はけっこうあったりするということだ。
出来は少々悪くとも、やはりポールはポールということだ。
最後に、映画の中で“Long And Winding Road”が流れるシーンは叙情感たっぷりの美しいシーンであることも忘れずに付け加えておこう。
ちなみに今ならDVDが驚くほど安い値段で手に入る。
将来廃盤になることも予想されるので、観ておくならお早めにどうぞ。
同名アルバムは映画のサントラという位置づけで発表された。
よって新曲は“No More Lonely Nights”“Not Such a Bad Boy”“No Values”“Goodnight Princess”の4曲のみ。
待ちに待った映画の完成であったが、せっかく映画を製作したというのに、たったの4曲しか新曲を用意できなかった当時のポールに、僕は初めて才能の枯渇というものを感じたものだった。
実際この作品以降、ポールのアルバム製作のペースはガタリと落ちることになる。
また、真の意味での大ヒット曲も“No More Lonely Nights”以降現れていない。
そう考えると、この作品は紛れもなくポールにとってのターニングポイントであったということがよくわかる。
それでも当時はまだまだポールの人気は高く、映画の出来の悪さ(?)にもかかわらず、小さな映画館でロードショー公開されていた。当時高校の友人とワクワクしながら映画館に足を運んだのをよく覚えている。(友人に無理を言って2度目を付き合わせたっけ)
とにかくこの映画の評価ときたら散々である。
ミュージシャンが映画製作に手を出して失敗した典型的なパターンといえるのかもしれない。
たしかに1本の映画として見た場合、ストーリーはつまらないし、ポールの演技もお世辞にも褒められたものではない。
だが、これを1本のミュージックビデオとして見た場合には、非常に価値のある作品に様変わりする。
1984年当時は現在とは違い、まだジョン・レノン暗殺のショックが尾を引いていた時代だった。つまり、ポールが生で演奏するシーンにお目にかかれること自体が非常に珍しいことだったのだ。ポール自身もライブはおろか、公の場に姿を見せることさえ自粛しているようなところがあった。
だから僕はこの映画の中で、ポールが歌い、演奏するシーンに本当に感動した。当時はまさにお宝映像だったのだ。
特に前半のスタジオでのメドレーと、倉庫内でのライブ感あふれる演奏シーンは最高である。出来からいえば、倉庫内でのシーンがマッカートニーの映像史に残る名演であると個人的には思っている。
40代前半のまだまだかっこいいポールの姿がたっぷり堪能できるのも魅力だ。
アルバムの出来のほうだが、正直言ってあまりよろしくない。
イギリスでNo.1に輝いたのが信じられないくらいである。
タイトルチューンの“No More Lonely Nights”は文句なくマッカートニー節全開の名曲。まさしくニュー・マッカートニー・クラシックと呼べるほど素晴らしい曲であるが、それに続くような曲がないのがなんとも寂しい限りだ。
とはいえ、個人的にはインストゥルメンタルの“Goodnight Princess”が大のお気に入りであるし、全く新しいアレンジで生まれ変わった“Long And Winding Road”はオリジナルよりも好きなくらいだし、“Not Such A Bad Boy”も“No More Lonely Nights(playout version)”も好きである。
つまり、アルバムを通して聴くようなことは滅多にないが、好きな曲はけっこうあったりするということだ。
出来は少々悪くとも、やはりポールはポールということだ。
最後に、映画の中で“Long And Winding Road”が流れるシーンは叙情感たっぷりの美しいシーンであることも忘れずに付け加えておこう。
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将来廃盤になることも予想されるので、観ておくならお早めにどうぞ。
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