ポールの曲(番外編):『マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ(My One And Only Love)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールの曲(番外編):『マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ(My One And Only Love)』

今回あえて(番外編)としたのは、実際にはこの曲はポール自身の手になる曲ではないからである(つまり他人の曲のカバー)。

しかし、それでもこの曲をあえて選んだのにはもちろん訳がある。それはこの曲の出来があまりにもすばらしいにもかかわらず、この曲がアルバム・アウト・テイク(ボーナス曲)であるためにほとんど知られていないからだ。この曲は2012年に発売されたポール初のジャズ・スタンダード・カバー・アルバム『キス・オン・ザ・ボトム』のデラックス・エディションのみにボーナス・トラックとして収録された。つまりこの曲は『キス・オン・ザ・ボトム』の正式な収録曲からは漏れた形となっているのだ。

だが僕はこれに全く納得がいかないのである。この曲におけるポールの甘いヴォーカルは彼の全キャリアを通しても一、二を争う最もロマンティックなものであり、ヴォーカルの出来だけを見ても『キス・オン・ザ・ボトム』全曲中トップ3に入る最高のものだと個人的には評価しているからだ。

ポールがこの曲を本気で外したのか、またはある種のいたずら心で「故意に」外したのかは僕の知るところではない。しかし、ポールはこの曲をまるで自分が書いた曲のように完全に手の内に入れており、今ではポールの数多いカバー曲の中でも最も成功した曲の一つと僕は考えている。この曲で聴かせるポールのヴォーカルはまさにロマンティック・バラードの極致とも言えるものである。もしもあなたが甘く優しいポールの歌声が好きなら、この曲は絶対に聴いておくべきだと思うし、ライブラリーの1曲に是非加えておいていただきたいと思うのである。

ちなみにこの曲はあのフランク・シナトラがレコーディングした曲としても有名のようだが、この曲に関するかぎり、ポール版のほうが完全に優れていると思う。余談になるが、もう1曲デラックス・エディションのみに収録されているボーナス曲『ベイビーズ・リクエスト』(こちらは珍しくセルフカバー)も出色の出来となっているので併せて追記しておきたい。ポールはなんとも罪な(粋な?)ことをするものだ。

参考:『キス・オン・ザ・ボトム』デラックス・エディション(CD 海外盤)

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もう一つのMY ONE BND ONLY LOVE

管理人様

他の方のコメントにありましたが、私のビートルズ・ポール鑑賞は、BAND ON THE RUNどまりでした。2013年のコンサートをきっかけに、失われた時間を取り戻すべく、ブログを拝読させていただいています。今回のブログのテーマ、実はポールから離れたのも、JAZZに関心が移ったためで、興味深く読ませていただきました。なるほどシナトラのバージョンも素晴らしいですが、ビートルズ世代の我々ならば、御存知かもしれませんが、ジョンコルトレーンとジョニーハートマンのMY ONE AND ONLY LOVEを是非聴いてみて下さい。コルトレーンのソロの素晴らしさにドラマーが聴き惚れて、演奏の手を止めてしまったという逸話があります。ポールとは、また違う世界です。どっちも良いけど。

2015-03-15 09:13 │ from milesmotoURL

milesmotoさん

紹介ありがとうございます。私はジャズがからきしダメなんですが、このヴァージョンはなんとも艶っぽくて良いですね。大人の時間という感じがしました。

2015-03-15 20:57 │ from 管理人URL

お邪魔します。

ジャズダメ、とか言いながら、結構聴いてるみたいじゃないですか管理人様(笑)。 私も、騒々しいほかのアルバムのあいだにこのアルバムを聴くと、なんとも心が満たされる感じがいたします。 「キス・オン・ザ・ボトム」 って、レーテストアルバム、という位置で聴くより、数あるアルバムのなかの1枚、と考えると、すごく評価が変わってくると思いますよ。 つまり後追い世代のほうが圧倒的に評価が高くなる可能性がある。

「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」 は出来としては素晴らしいと思うのですが、結構 「ホーム」 なんかと、曲調がかぶっちゃってる気がする。 このアルバムはかなり意識的に、ポールは違う印象の曲を選んでる気がするんですよ。
以前、「ポールのヴォーカルはジャズヴォーカルとしてはインプロビゼーションに乏しい」 みたいなことを貴サイトで書かせていただいたのですが、何度も聴いてると、どうもポールはジャズヴォーカルよりもスタンダードヴォーカルを目指したのかな、という気がしてくる。 私たちは以前のポールのヴォーカルのイメージがあるから、枯れた味わいのポールなどというものはにわかに受け入れ難いのだけれど、でもそれでも聴きやすい、というのは、ポールが妙にジャズを意識していない点にあるのではないか、という。
あくまでこれらの歌は、父親のジェームズとの思い出の中にある安らぎに重点がある。 家族を大事にする普通人としてのポールの面目躍如なんですよ。

そして現在、若い人とのコラボなんかに走っているポールは、やはり娘のベアトリクスのために行動しているような気がしてならない。 「お前のトーチャンはお前が夢中になってるミュージシャンがこぞってコラボしたがるありがた~い人なのだぞ」 みたいな(笑)。

2015-03-16 07:58 │ from 橋本リウURL

リウさん

いわゆるスムーズ・ジャズというやつは好きなんですが、本格的なジャズはほんとダメなんです。リウさんけっこうこのアルバム好きですよね。私はオリジナル2曲以外はあんまりなんですが(笑)、たまにクルマの中で聴くと「けっこういいじゃん」と思うときはあります。

2015-03-16 15:28 │ from 管理人URL

ポールとJAZZ

管理人様

好みの押し売りかもしれないと心配でしたが、コルトレーン聴いていただいたようで、安心しました。思わぬJAZZの話題になりましたが、ポールはJAZZをも含む広大な音楽性の持主で、余計なメッセージ性がない音楽そのものを聴かせる姿勢に、僕は好感を持っています。コンサートでは、ジミーヘンドリックスの曲をやってますが、マイルスディビスクインテットの天才ドラマー、トニーウイリアムスはブラックバードを演奏するなどビートルズの大ファンで、ジミーとトリオを結成する際に、ベーシストとしてポールを誘ったという話があるようです。(最近亡くなった中山氏の本に書いてありました。)また、何かの記事でアルバートアイラーを聴いていたとありましたが、アイラーは所謂フリージャズミュージシャンで、なかなか敷居が高く、ポールの間口の広さに驚いた記憶があります。きっとこの豊かな音楽性が我々を惹きつけて止まないんでしょうね。

2015-03-16 19:06 │ from milesmotoURL