ポールのアルバム:『オフ・ザ・グラウンド』 その2 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールのアルバム:『オフ・ザ・グラウンド』 その2

アルバムのチャート成績はイギリスでこそ最高位5位を記録したが、アメリカでは『フラワーズ・イン・ザ・ダート』の21位よりは上がったものの最高位は17位止まり。チャート成績という観点から見ればポールの完全復活にはほど遠い結果となってしまった(僕のようなオールドファンには、ポールは1位を取って当たり前という異常なまでの先入観があるのである)。

ただ面白いのは、ヨーロッパにおけるチャート成績で、ドイツ、ノルウェーで最高位2位を記録したのを始め、スペインで3位、オーストラリア、ニュージーランドで4位、オランダ、イタリアで5位と軒並み好成績を残している。我が国日本でも最高位5位を記録した。これはアルバム発売後に再び行なわれたワールドツアーがアルバムの売り上げを後押ししたものと考えられる。ただかつてはポールの「お得意先」でもあり、1970年代までは絶大な人気を誇ったアメリカだけが『パイプス・オブ・ピース』以降極端にチャート成績が凋落してしまったのである。この件については過去記事においても何度か検証を試みているが、かなり不可解な時期であることだけはたしかだろう。

ちなみにアメリカにおけるポールのアルバムチャート成績は次回作『フレイミング・パイ』(最高位2位)でいちおうの復活を果たし、それ以降は現在に至るまで堅調な成績を残し続けている。ただ『パイプス・オブ・ピース』から『オフ・ザ・グラウンド』までの約10年間だけがなんらかの意図的な介入があったのではないかとさえ思われるほど不当にチャート順位が低迷しているのである。

参考までにアルバム『パイプス・オブ・ピース』から現在までのアメリカにおけるアルバムチャート成績(最高位)を以下に記しておく(オリジナルアルバムのみ)。

『パイプス・オブ・ピース』(15位)
『ヤア!ブロード・ストリート』(21位)
『プレス・トゥ・プレイ』(30位)
『フラワーズ・イン・ザ・ダート』(21位)
『オフ・ザ・グラウンド』(17位)
『フレイミング・パイ』(2位)
『ドライヴィング・レイン』 (26位)
『ケイオス・アンド・クリエーション』(6位)
『メモリー・オールモスト・フル』(3位)
『ニュー』(3位)

ご覧の通り、『フレイミング・パイ』以降は『ドライヴィング・レイン』を除きどのアルバムも手堅い成績を残している(『ドライヴィング・レイン』のチャート低迷はアメリカ固有の現象ではなく、イギリスでも46位、ヨーロッパでも10位内に入った国は一つもないというところが上記10年間とは違う)。またリストには載せなかったが、オリジナルアルバム以外でトップ10に入ったアルバムが『フレイミング・パイ』以降に3枚もある(『ウイングスパン』(2位)、『バック・イン・ザUS』(8位)、『キス・オン・ザ・ボトム』(5位))。

では『パイプス・オブ・ピース』から『オフ・ザ・グラウンド』までのアルバムに適正順位をつけるとすればいったいどうなるであろうか?チャート順位というのは必ずしもアルバム自体の出来の良し悪しだけが反映されるわけではないので、それ以外にシングルの優劣、ツアーとの相乗効果、話題性、当時の勢い、それまでに発売されたアルバムの順位との比較、などを加味して判定してみたところ以下のようになった(あくまでも個人的な意見です)。順位はもちろんアメリカを念頭に置いてつけた。

『パイプス・オブ・ピース』(5位)
『ヤア!ブロード・ストリート』(15位)
『プレス・トゥ・プレイ』(10位)
『フラワーズ・イン・ザ・ダート』(3位)
『オフ・ザ・グラウンド』(10位)

ズバリ『ヤア!ブロード・ストリート』以外は悪くてもトップ10に入るだけの資格を持った作品ばかりというのが僕の個人的評価である。

枝葉が長くなってしまったが『オフ・ザ・グラウンド』に話を戻そう。冒頭に僕は未だにこのアルバムの評価を決められずにいると書いたが、僕にとってその評価をさらに難しくさせてしまっている大きな原因が一つある。それはこのアルバムには収録されなかったアウトテイクの数の多さとそのクオリティの高さである。

ご存じの通り、それらのアウトテイクはのちにCD2枚組の『オフ・ザ・グラウンド:ザ・コンプリート・ワークス』として日の目を見ることになる。このときCD2に収録された曲は全12曲。そのうち『今日の誓い』と『ミッドナイト・スペシャル』を除くなんと10曲がアルバム未収録のオリジナル曲として追加で発表されたわけなのだが、これらのアウトテイクがどれもこれも実にいい曲ばかりなのである。正直言って初めからそれらを含めて2枚組で発表したとしても全く何の問題もないほどのクオリティの高さなのだ。

聞くところによると、ポールはアルバムの発売前にどの曲を収録するかをバンドメンバー全員の投票により決めたのだという。ポールにすれば22曲中最高の12曲だけを選びたかったのだろうが、はっきり言わせてもらおう。その試みは見事に失敗したと僕は言わざるをえない。なぜなら、こと今回のセッションに関する限り、突出した曲というのはほとんどなかったからである。あえて言えばシングルカットされた『明日への誓い』ぐらいのものだろうか。それ以外の曲はどれもいい曲ではあるが、決して突出しているものなかった。それはもう呆れるほど均一に、横並びに平均点以上のいい曲ばかりの集合体だったのである。

だからこのアルバムは、ポールのソロ初の2枚組アルバムにするべきであったと僕は真剣に思っている。そうすれば、たとえ売れなかったとしてもこのアルバム自体に対する評価は今よりもっともっと高くなっただろうと思う。そしてポール・マッカートニーの才能のすごさに多くの人が改めて気付かされる機会にもなったことだろう。それくらいオフ・ザ・グラウンドのセッションから生み出された曲はどれも粒が揃っているのである。しかしこの『コンプリート・ワークス』が日本とオランダだけでしか発売されておらず、現在入手困難なのだから始末が悪い(笑)。(続く)

参考:オフ・ザ・グラウンド/ザ・コンプリート・ワークス

コメント
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オフザフラウンドのアウトテイクを評価する人はおおいですね。本編よりいい!!なんて人もいるようです。コンプリートワークスを買わなくても、丹念に輸入シングルを集めていれば揃ったので、私はコンプリートワークス発売以前に全曲そろえていました。当然、コンプリートワークスは買ってません。
アルバム未収録曲、日本未発売という言葉には魔力が潜んでいてわくわくしながら聴いたものですが、
どの曲も聴いてがっかり、しました。それはいまでもかわりなく、アルバム収録曲が断然良い、これらのアウトテイクを聴いて、本編のヴァリューがあがった、と感じでます。アウトテイクをもっている、知っている、良いぞ!!というのは、スノップな行為ともいえ、過大評価しがちなのでは、と個人的にはおもいます。

アルバム収録曲はバンドメンバーの合議できめたそうですが、どこかのポール関係のサイトでポールやそのメンバーにいかに聴く耳がなかったか、と酷評している評をみましたが、思わず『それはお前だ』、と突っ込みを入れたくなりました(笑い)。
ポールそしてバンドメンバーの選曲眼はさすがだとおもいます。
管理者さんご推薦の2枚組プランもどうでしょうか?メリハリの無いのっぺりしたものになり、評価を下げた可能性大だと私は想像します。

2014-10-28 09:03 │ from ゆうみんURL Edit

お邪魔いたします。

わたしも『Off the Ground』はアルバム収録曲のほうがアウトテイクよりも優れているものが多いともいますね。これといってずば抜けた曲はないですが、バンドの演奏力も高く聴きやすいアルバムです。ライブ感たっぷりでドライブしながら聴くにはもってこいです。
ですが、発売当初はポールの歌声に戸惑いました。前作の『Flowers in the Dirt』の時はしっかり作り込まれたアルバムのせいかポールのボーカルもベストテイクが使われたのでしょう、そんなに衰えは感じなかったのですが、『Off the~』は一発録りに近い曲が多いためなのか声が全然出ていないところが目立ちますね。『なんでこんな声になったんや~ もうビートルズやウイングスの頃のシャウトや甘い歌声は聴かれへんのか~』って独り落ち込んでました。考えてみればポールのCD(レコード)が売れなくなってきた時期と声が出にくくなってきた時期は重なってるような気がします。『Band on the Run』の頃まではビートルズ中後期からのミラクルなボーカル(個人的にはこの頃の声が1番好きです。世界最高だと思ってます)。その後、『ブロードストリート』辺りまでは少しかすれた時期もありましたが、いい声してますよねぇ。問題は『Press to Play』です。それまでの声質とは一変してしまってます。一体ポールに何があったのでしょう。長年の喉の使い過ぎからきたのか、逆にライブを全くしなくなって高音が出なくなったり声量が落ちてきたりしたのでしょうか。当時40代前半でしょ。ちょっと早すぎますよね。実際このアルバムはセールス的にも伸びませんでしたよね。それまでの声の調子を維持し続けていればそれ以降のポールの評価も結構変っていたのではないでしょうか。

長年そんなことばっかり考えてましたが、昨年の京セラドームのライブを観て吹っ切れましたわ。感動しすぎてどうでもよくなりました。

なんか話がそれて愚痴っぽくなりすみませんでした。

2014-10-29 21:25 │ from ポール・マカロニURL

ポール・マカロニさん
40代、50代での声の衰えから考えると、今72才でのライヴパフォーマンスは驚異的ですね。なんだかんだ言いながら維持しているのはすごい事だと思います。私も去年の東京ドーム公演は人生最高のコンサートと言えるものでした。

2014-10-30 14:37 │ from 管理人URL