ポールの曲:『ミスター・ベラミー(Mr. Bellamy)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールの曲:『ミスター・ベラミー(Mr. Bellamy)』

僕にとって『メモリー・オールモスト・フル』(2007年発売)というアルバムには2曲の超特大サプライズがあった。1曲は『オンリー・ママ・ノウズ(Only Mama Knows)』、そしてもう1曲は今回取り上げる曲『ミスター・ベラミー』。

『オンリー・ママ・ノウズ』はウイングス全盛期を彷彿とさせるような、そして本当に久しぶりに胸のすくようなポールらしいロックンロール・チューンであったことから、発売当時はファンの間で大変な話題となったものだ。この曲はしばしば『ジュニアズ・ファーム』と比較され、たちまち人気曲の一つとなった。ポール自身もステージで積極的に取り上げ、今では同アルバムの中では屈指の名曲としてファンの間では認知されていると思う。ポールがちょっと本気になればこれぐらいの曲を書くことはちょろいものだと僕は思ってしまうのだが、ここまで本格的でソリッドなロックナンバーは実は長い間発表されてこなかったのだった。
『オンリー・ママ・ノウズ』については人気曲ゆえにまた時を改めようと思う。

片や『ミスター・ベラミー』はどうか。発売当時ロックファンには変わり種の曲程度にしか受け入れられなかったようだが、驚きと衝撃度という点では個人的には『オンリー・ママ・ノウズ』を遥かに上回ったと記憶している。「ポールはまだこんな曲が書けるのか、そして歌えるのか…」。そしてこれがポールの空恐ろしさだ。世界中に今も存在する時代を揺るがしたロックの大御所たち。しかし、このような曲を21世紀の現代においても独力で生み出せるアーティストというのは世界広しといえどもポール・マッカートニーをおいて他にはない。この曲は僕に言わせればロックとかポップスとかいったカテゴリーを超えた「破格」の曲なのだ。オーバーに聞こえるのを承知で言わせてもらうなら、『ミスター・ベラミー』という曲は音楽が表現しうる最高峰の高みにただ「超然と」存在している。白銀に輝く山頂の彼方から僕らを見下ろしている。ポールが成し遂げたもう一つの偉業…。うまく言葉では言い表せないが、ともかく『ミスター・ベラミー』は僕をそんな崇高な気分にさせてしまう曲なのである。過去をさかのぼってみれば『ユア・マザー・シュッド・ノウ』『マーサ・マイ・ディア』『ワンダーラスト』などと同じレベルに属する「超」名曲である。

CDには楽器のクレジットがないのが残念だが、『ミスター・ベラミー』はホルン(?)のような管楽器で始まり、全編に渡ってピアノとストリングスが非常に効果的に使われている。クラリネットのような音も聞こえる。つまり『エリナー・リグビー』のようなロックとクラシックの融合の流れも汲んでいる曲でもあるわけだ。クラシック界においても少なからぬ実績を残してきたポールにとっては、これくらいは朝めし前なのであろうが、それにしても状況に応じてあらゆる楽器を縦横無尽に使い分けるポールの才能にはただただ頭が下がるばかりだ。

そして驚きのヴォーカル。さすがに全盛期には及ばないとしても、ポールは当時65才。ヴォーカルに関しては常に辛口の僕もここまでやってくれたらさすがに文句のつけようがなかった。完全に降参である。「ポールはあと10年は間違いなく歌える」と当時僕は確信したものだ。つまりスタジオ録音に限ったならば、適切なケアと調子の良い日を選べばポールはまだまだ最高レベルのヴォーカルパフォーマンスを発揮できるということだ。この思いは2014年の現在も変わらない。ポールはオーバーワークさえ控えればまだまだ世界でもトップクラスのヴォーカリストである。

かくして『ミスター・ベラミー』はまるで妖精が森の小道を舞い歩くかのような美しいエンディングで幕を閉じる。この叙情性。この切なさ。しかし悲しくはない。これもまたマッカートニーマジックである。

参考:
メモリー・オールモスト・フル(MP3ダウンロード)
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コメント
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早速僕の大好きな曲がやってまいりました。このアルバムの中では「House Of Wax」の次に好きです。

仰る通り、この曲は「喉」も含めた「楽器」のセレクトが上手だと思います
声の劣化が気になる近年ですが、この曲を聞けば、まだまだポールの喉は芸達者なようで安心します。
歌詞は物語調ですが、その場面場面によって楽器が使い分けられていて、いい味を出していますね。
楽器は管楽器類を除いて全てポールの単独録音です。

タイトルの文字「Mister Bellamy」を並べ替えると何とやら・・・という話もありますが、それでおいて曲中でしっかりと韻が踏まれているので、ポールは詩作においても凄いやり手だと言えます。
「ネコ」「ナレーター」「レスキュー隊」という三つの視点から物語を展開させていくというのも新鮮です。

ボーカル、アレンジ、演奏、詩作と、ポールが人生経験で培ってきた物の集大成と言えますね。
もちろんメロディもいいですよ。

2014-06-02 00:27 │ from TWICEURL

「ミスター・ベラミー」
アルバム『メモリー・オールモスト・フル』収録曲の中でも 個性が際立っている曲ですよね。
個人的に アルバムの中では 「エヴァー・プレゼント・パスト」と並んで好きな曲です。

ロック・・? いや ポップス寄り・・でもない・・ ジャンル分けが難しい とても変わった曲ですよね。
管理人様が仰る通り クラシックの要素も入っている様ですし 正しくポール・ワールド全開、彼しか作れない孤高の音楽が そこにあります。

ポールは色んなヴォーカルを使い分け 多重録音も駆使して 独特の世界を作っていますよね。
ヴォーカルの音色を変化させて 曲に幅を持たせる技術って 65歳(当時)という年齢を考えれば かなり凄い事だと思います。

あれだけの長いキャリアを積み 還暦を超えても まだこれだけのアイディアが浮かび パート毎にヴォーカルを使い分け出来るのですから やはりポールは凄いです。
ポールを聴けば ロック・ポップス全ての要素を堪能出来る、もうポールだけで充分!なんて ちょっと傲慢な(苦笑)気分にさせてくれる 私にとってはそんな曲です。

2014-06-02 23:05 │ from テツURL

テツさん
世の中には様々な音楽があり、すばらしいアーティストもたくさんいますが、ポールだけを聴いてれば少なくとも現代音楽のエッセンスは全て網羅している、なんて考えることは熱烈なファンの一人としてたしかにありますね。極論してしまえば、他はいらないと(笑)。音楽の百科事典みたいなもんです。

2014-06-03 10:56 │ from 管理人URL