ポールの曲:『夢の旅人(Mull of Kintyre)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールの曲:『夢の旅人(Mull of Kintyre)』

1977年のクリスマス・シーズンに世界中で大ヒットを記録したウイングスの名曲。あれからもう35年も経つのかと思うと、つくづく自分も年をとったものだと思う。しかし、今こうして自分の心の中を素直にのぞき込んでみると、純粋に音楽に感動できた10代半ばの頃の自分がまだかなりの部分残っているように感じられるのは不思議なものだ。ほんとうに音楽はすばらしい。それは時間を超える。

マル・オブ・キンタイア…
おお、霧が海から押し寄せてくる
僕の望みは、いつもここにいることなのさ
ああ、マル・オブ・キンタイアよ…


冒頭の一節を聴くだけで、この曲が名曲であることがわかる。

シンプルで覚えやすく、それでいて何度聴いても飽きない。まさにマッカートニー・ミュージックのお手本のような曲だ。

マル・オブ・キンタイアとはポールが1960年代から広大な自宅を所有するスコットランドの半島(岬)のことである。スコットランドと自然をこよなく愛するポールが深い郷愁を込めて作ったこの曲は、本国イギリスで9週間第1位を記録。またイギリス国内で初めて200万枚を超えるシングル曲という偉業も成し遂げた。ちなみにこの売上げ枚数はその後バンドエイドの『ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス』など複数の作品に破られはしたが、チャリティ曲以外という括りで考えると、依然として過去35年間に渡りイギリス歴代1位の記録を保持し続けているのだという。これは一般にはあまり知られていないがすごい記録だと思う。

しかもこの記録にはおまけが付く。というのも『夢の旅人』以前のイギリス国内での売上枚数歴代1位はビートルズの『シー・ラヴス・ユー』(160万枚)が堅持していたからだ。つまりポールは1963年から2013年の現在に至るまで、イギリスで通算約50年もの長きに渡ってチャリティ盤を除くシングル売り上げで歴代1位の座に君臨し、今現在も継続中というわけなのだ。

ビートルズの『シー・ラヴス・ユー』が当時の社会に与えたインパクトの大きさを考えれば、『夢の旅人』という曲がいかに多くのイギリス人に受け入れられ、支持され、愛されたのかを想像するのはさして難しいことではない。おそらく僕たち日本人が考える以上に、この曲の旋律、そしてバグパイプの音色・響きにはイギリス人の心をつかんで離さない何かがあるのだろう。そういう意味で『夢の旅人』は人から人へ、親から子へと歌い継がれるフォークソング(民謡)のニュー・スタンダードとさえいえる。

子供の頃にこの曲をおばあちゃんが歌うのを聴いて育ったというイギリス人の話を聞いたことがある。『シー・ラヴス・ユー』が若者の圧倒的支持を受けた曲であったとするならば、『夢の旅人』はより幅広い年齢層に認知された国民的楽曲といえるのかもしれない。時に「ポールはビートルズに匹敵するような曲を1曲も書いていない」というような論調で語られることがあるが、それは全くの大ウソである。なぜならば、その種の主張は『夢の旅人』この1曲だけで簡単に論破されてしまうからだ。この曲はイギリス全土を揺るがす大ヒットであった。そして、それはあるレベルにおいてビートルズさえも凌ぐほどのものだったのである。これは歴史的事実なのだ。

『夢の旅人』プロモーションビデオ

http://www.youtube.com/watch?v=6SEVPR5Ssck

イギリスのサッカークラブ、ノッティンガム・フォレストFCではこの『夢の旅人』がアンセムに採用されている↓。うん、なかなか感動。

http://www.youtube.com/watch?v=JBGB0SrOYx4

ちなみに僕自身はこの曲が特別好きというわけではないが、時々ポールがこの曲をライブでやるのを見たりするとやはり鳥肌が立ってしまう。それと、アナログ時代はこの曲をよく聴いていたのに、CD化されてからはなんとなく音が平たい感じがしてあまり聴かなくなってしまったということもある。今後アーカイヴ・プロジェクトでリマスター化された際に、本来の立体感や温かみが戻ってくればこの曲の再評価へのきっかけになるかもしれないと思っている。

参考:
Wingspan - Hits and History(iTunes)
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コメント
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過去曲のレビューには敏感に反応してしまう橋本です(笑)。 お邪魔します。 フー・ファイターズとか興味なくて…(スンマセン)。

この曲がデニー・レインとの共作であることが、ちょっと不満な橋本であります(笑)。
この曲、2番で音程が上がりますよね(A基調からD基調になる)、あれが 「子供に光を」 と一緒なんですよ(こっちはAm基調からDm基調になる)。 デニーが絡んだのは、そのアイディアくらいじゃないのかな?などと思ったりします。 あと、3拍子というのも、同じポールとデニーとの共作、「ピンチをぶっ飛ばせ」 と同じだし(というか、そもそもポールって、エルヴィス・コステロとの共作でもやたらと3拍子が多い)。

しかし35年ですかぁ~(ハハ…)。 やんなりますね。 私も今年は年男、2年たてば50ですよ。

こんな50なんかいるのか?というほどの軽さであります。

2013-02-01 07:17 │ from 橋本リウURL

リウさん
コメントありがとうございます。この曲に限らずウイングスにおけるデニーの貢献度はかなりのものでしたよね。しかしウイングス解散後の彼の“売れなさ”を見れば、やはりポールという大きな存在があってこそだったということがわかります。それにしても、この曲の共作者ということで彼の名は永遠に残るんですからね。まあそれだけでもすごいことです。リウさんには軽い爺さんになっていただきたいです(笑)

2013-02-01 16:23 │ from 管理人URL

「夢の旅人」

今回は ポールの大ヒット曲が登場ですね。
私は ベスト盤『オール・ザ・ベスト!』を購入した時に 初めて聴き、以来ずっと今まで愛聴しています。大好きな曲です。

こういうフォーク曲でも 大ヒットを飛ばしたポールの幅広い音楽性には 改めて感服しますが、そんなフォーク調である「夢の旅人」の完成に大きく貢献したのが デニー・レインでしたね。

私は デニー・レイン、嫌いじゃないですねぇ。私自身がフォーク曲が好きな事もありますが 民俗音楽も得意なデニーの音楽性は 自分の感性には合います。

改めて 「夢の旅人」を聴いて考えたのですが、デニーがウイングスに参加した事は 彼のキャリアにとって 本当に幸福な事だったのでしょうか。
彼自身、有能なソングライターであり、マルチプレイヤー そしてボーカリストでもあるデニーは 「ゴー・ナウ」のヒットで有名な ムーディ・ブルースの元メンバーという肩書きさえあれば、70年代をソロとして充分に活躍する事が出来たと思います。

ウイングス時代では「やすらぎの時」なんて 名曲だと思いますし、「チルドレン・チルドレン」はフォーク曲が得意なデニーの個性が発揮された佳曲ですよね。
しかし…しかし、同じバンドの中に ポールがいると、もう勝ち目はないですよね。
どんなに良い曲を作っても アルバムに採用される可能性は少ない。
それにポールのアシスト役みたいなイメージが定着してしまって 彼自身の音楽性や才能に注目が集まる機会も 一般のファンレベルでは少なかった気がします。

デニーの音楽的才能のピークは70年代だった様に思います。その旬な時期をウイングスに捧げ、ポールを支える立場に甘んじてしまった訳ですが、もしソロとして活躍していれば、今頃は もっと違うデニーが聴けた気がしますね。

さらに悲しい事に、ウイングス解散後に破産して 「夢の旅人」の著作権を売ってしまったんですね。自身にとって最高の名誉と成果を 金のために手放してしまった形ですよね、寂しい限りです。
ちなみに デニーの著作権を買い取ったのがポールで 今は「夢の旅人」の印税は すべてポールに渡っているのではないでしょうか。

サッカー会場で 超満員の観客が「夢の旅人」を大合唱している映像を見ると 嬉しくなりますね。
これは本当に ポールとデニーにとっても アーテイスト冥利に尽きるのではないでしょうか、
きっと「夢の旅人」はこれからも様々な人に歌い継がれると思います。そして この曲の作者としてデニー・レインの名前もポールと一緒に 永遠に語り継がれる訳ですね。
ウイングスそしてポールを結成から解散まで支え続けた デニー・レインの70年代最高の そして最も成功した仕事が この曲には刻まれています。





2013-02-02 02:04 │ from テツURL

テツさん
コメントありがとうございます。私も作品的にはデニー・レインは嫌いじゃないですね。一番好きなのは『子供に光を』ですが、それ以外にもアルバムでデニーがヴォーカルを取っている曲はほとんど好きです。が、ウイングス解散後にポールを裏切るような発言をしたことがファンとしてはちょっと心の奥に引っかかってるんですね(笑)。今はポールとは和解していると聞いてますが、まあ仲良くやってほしいもんです。

2013-02-02 15:03 │ from 管理人URL