ポールの曲: 『オンリー・アワ・ハーツ(Only Our Hearts)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールの曲: 『オンリー・アワ・ハーツ(Only Our Hearts)』

『キス・オン・ザ・ボトム』の中で僕が一番好きな曲がこれである。今回このアルバムを聴いて、やはりポールはオリジナルだという思いをより一層強くした。

スタンダードのカバー曲集についてはこれ以上望むことができないほど素晴らしい出来であると思う。最高のミュージシャンの演奏と、最高のプロデューサー、そして最高の録音。仕上がりについては何も言うことがない。しかし、それでもポールのオリジナル作品のすばらしさには遠く及ばないことがこの曲や『マイ・ヴァレンタイン』を聴くとよくわかる。どこがどう違うのか、と聞かれてもそれはなかなか言葉では説明が難しいのだが…。

オリジナルの2曲以外は、ただ「ポールが歌っているから」という理由だけでこれからも時々は聴くことにはなるだろう。だが、『マイ・ヴァレンタイン』と『オンリー・アワ・ハーツ』の2曲については、その他の曲とは切り離して「何の理由もなく」、いやあえていえば「ただ聴きたいから」という理由だけでこれから何度も何度も繰り返し聴き続けるにちがいない。両者にはそれだけ質的な違いがある。ポールの書くオリジナルはある種の永遠性を備えている。

今回発表されたオリジナルの2曲、『マイ・ヴァレンタイン』も『オンリー・アワ・ハーツ』も甲乙つけがたいバラードの名曲である。ただ僕はわずかに『オンリー・アワ・ハーツ』のほうが好きなのだが、これはもう好みの問題だろう。それにしても、今になってポールがこんなにも渋いバラードの名品を書いてくれようとは、正直思いもしなかった。何が言いたいのかというと、つまりこの曲については、それぐらい完成度が高いということである。並のバラードなら、並のラヴソングなら、ポールはいくらだって書ける。だが『オンリー・アワ・ハーツ』は、きっとこれから長い間ファンに愛され続ける重要な曲の一つになっていくことだろう。

僕はなぜかこの曲が、映画のエンドロールに流されている場面を想像してしまう。この曲を最後に聴いて映画館から出ていくところを頭に思い描いてしまう(そして、それはきっととても幸せな感覚であるにちがいない)。それぐらい、この曲はある意味写実的な作品としてもユニークだ。
そしてこの曲全体に流れる安らぎと、暖かさと、癒しの空気感。ポールの優しい歌声と、スティーヴィーの奏でるハーモニカがダイレクトにハートの奥深くにまで響いてくる。長い間ポールの音楽を聴いてきたが、こんな曲は今までなかった。

これはポール・マッカートニーの新たな始まりを告げる曲であると僕には思われるのである。

参考:
キス・オン・ザ・ボトム(日本盤 ボーナストラックなし)
Kisses on the Bottom (UKデラックス盤 ボーナストラック有)


コメント
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お邪魔します。

まだ購入はしておりませんが、やはり私もオリジナルの2曲、特にスティーヴィーとの共演のほうにはしびれました。
「ヴォーカリストに徹する」、ということがポールのあらたなモチベーション、動機になっている気がするのです。
考えてみれば、ポールのスタンスはいつも自作自演ですが、「エリナー・リグビー」 と 「シーズ・リーヴィング・ホーム」 だけは、完璧に他人に演奏を任せている(ちょっと他の曲に今のところ心当たりがないのですが…)。
考えてみたら、オーケストラ曲とかコラージュ曲とか、何でもかんでもやっていたように思えたポールのソロ・キャリアで、唯一やってなかったのって、「完全に他人任せのバック」 じゃないでしょうか。
今回はしかも、そのバックのアレンジやらメンバーやら、まったく手抜きなし。
こういうのは、ポールのあらたな創作意欲をかき立てる、と思うんですよ。
その結果が、「オンリー・アワ・ハーツ」 ではないか、と。

スティーヴィー、いい仕事してますよね。
ハービー・ハンコックとの共演でもハモニカでいい味出してましたが、ポールとは 「ホワット・アー・ユー・ドゥーイン」 みたいな若い時代のファンキーなやつとうって変わって、今回はお互いに歳を取ったからこそできるアンサンブル。 ん~、名演だと思います。

逆に、クラプトンとの共演では、なんか 「ホワイル・マイ・ギター」 のころから、ポールってクラプトンと張り合おうとするんだよなあ、なんて思ったりしました(「ホワイル・マイ・ギター」 のポールのベース、短音ではなくて複音でゴリゴリ攻めてくる、これは名演ですぜ)。

2012-02-29 07:40 │ from 橋本リウURL

私は新作『キス・オン・ザ・ボトム』は、ポールにとって近年の中では、傑作と呼べる作品だと思います。
自ら作詞作曲をし、オリジナル曲を歌う姿こそがポールの本領たと強く思っている方には カバー作品集を傑作と呼ぶ事は 少々抵抗があるかも知れませんが、私は傑作と呼びたいですね。

ポールが今回取り上げたスタンダード曲ですけど、初めて聴く曲が多くて スタンダード曲の奥深さを改めて感じました。
私はポールがカバーしたスタンダード曲も ポールの新曲同様に好きです。
「インチ・ワーム」は、童謡の様な趣もある曲ですけど、こんな曲も違和感なく歌えるのが ポールの個性ですよね。将来 子供に聴かせたら喜ぶかな?
「マイ・ヴェリー・グッド・フレンド・ミルクマン」で聴けるポールの口笛も素敵ですね。ポールって、音楽に関する事なら 何でもセンス良くこなしますね。脱帽です。

今回の新作は、まずプロデューサー、ミュージシャンの人選が素晴らしかったと思います。そしてカバー曲の選曲も超メジャー曲を避けて しかもオリジナル曲を挟み込んだ事で、カバー作品集とは言え かなりオリジナリティのある作品集に仕上がったと思いますね。
この辺りのポールのアルバム作りの巧さは素晴らしいと思います。

ポールは かなりヴォーカルに力を入れているのが分かりますね。1曲1曲 とても丁寧に歌っていて 今回のカバー作品集に懸ける意気込みを感じます。
星の数ほどあるスタンダード・カバー集と比較される事や、通常のロック・ポッフスとは違うフィールドで勝負するという事が、ポールに 良い意味で集中力を高める結果になったのでしょうね。その延長線上に 新曲2曲もあると思います。

珠玉の名曲の中に、自作の新曲を入れる事は 普通のミュージシャンなら勇気が要る事だと思うのですね。カバーした名曲に劣らない曲を収録しないと、作品全体の完成度を落としてしまう恐れもありますし、聴き手からの非難を浴びてしまう心配もありますよね。

でも、ポールは素晴らしい新曲を仕上げた事で、見事にその心配を克服して 他のカバー集と一線を画す事に成功し アルバムを傑作の域まで高めたのではないかな…と思っています。

今回 管理人様が取り上げたポールの新曲「オンリー・アワ・ハーツ」は、素晴らしいバラードですね。新曲ですが すでにスタンダードの風格を備えてしまっています。
何と言ってもポールのヴォーカルが素晴らしい!とても伸びやかな歌声で、私は このポールの歌声が好きです。そして新曲で この様な素敵なバラードを歌うポールを待っていました。

スティービー・ワンダーの、すぐに彼と分かるハーモニカの音色も効果的ですね。ポールとスティービーは 今も交流が続いている様ですね。嬉しいです。

「オンリー・アワ・ハーツ」のラスト、短いフレーズですがポールが聞かせるファルセットを聴くと、たまらなく切ない思いになって 胸が熱くなります…
音楽を聴いてこんな気持ちにさせられるのは、私にとってはポール・マッカートニーだけですね。

音楽を通じて魔法をかけられている様な… そんな気分… まだまだポールの魔法の神通力は健在であると強く確信しました。

2012-02-29 22:40 │ from テツURL

リウさん
コメントありがとうございます。ポールが完全にカラオケ状態で歌っている曲って、これまでには何曲ぐらいあったんでしょうね。自分では調べる気もないですが(笑)、ちょっと知っておきたい気もします。いずれにしろ、ポールが演奏面に関わるゆえの味というものは否定できません。技術的にどれだけ完璧な演奏であっても、トータルで見たらやはりポールの一人多重録音のほうが好きというファンは多いんでしょうね。
共演者の演奏がこれだけ決まったのはポールのレコードではホントめずらしいと思います。このクラスになると、やっぱり好きなようにやらせたのがよい結果につながったのかな?

2012-03-01 01:29 │ from 管理人URL

テツさん
コメントありがとうございます。私も今回のアルバムは近年の充実ぶりを示すよい作品に仕上がったと思います。ただ、傑作と呼ぶには、私自身はもう少し時間を置いてゆっくり聴いてみたい気がしています。というのも、今回はポールのアルバムならいつもやること、つまり発売後2、3週間は毎日休まず聴き込む、ということができていないんです。これは要するにのめり込めない何かを感じているわけで・・・結局このアルバムのレビューも未だ書けずにいることにもつながってます。出来がよいことはまちがいないんですけどね。ま、この辺の感じ方も人それぞれでしょう。

2012-03-01 01:38 │ from 管理人URL

Ac-Cent-Tchu-Ate The Positive

僕は、今回のアルバム購入しました。解説も欲しかったので、ボーナストラックは聴いてませんが、
個人的には「Ac-Cent-Tchu-Ate The Positive」が好きです。落ち込んだ時に聴きたい曲ですね。もちろんポール作詞の曲もとっても良かったです。
僕の父はポールの次にスティービー・ワンダーが好きらしく、今回のハーモニカを聴いただけで
当ててました。スティービー・ワンダーのハーモニカは独特なので分かりやすいんですよね。
ポールとスティービー・ワンダーがコラボしている曲の中では、「Ebony And Ivory」が好きです。
白人と黒人の差別などについての問題を、ピアノの黒盤と白盤に例えているところが
さすがポールだ!!と思いました。
スティービー・ワンダーはこれから好きになりそうです。
話は変わりますが、最近ちょっと怒っていまして・・・
理由は僕の地元のレンタルショップにはポールのアルバムがあんまり無いんです。
これ借りたい!!!と思ってもそのアルバムはない!!どこにも!!
もっとポールのアルバムを入れてほしいと思う今日この頃です。


2012-03-01 18:35 │ from ポールマニアURL Edit

ポールマニアさん
コメントありがとうございます。『エボニー・アンド・アイボリー』での共演からスティービーを知ったファンはけっこう多いのではないでしょうか。当時は2人の天才の共演に本当に胸がわくわくしたものです。私はスティービーのアルバムでは『ホッター・ザン・ジュライ』や『キー・オブ・ライフ』が好きですね。
レンタルショップにポールのアルバムがあまりないのは残念ですね。お父さんはアルバム全部持ってないのかな?。ねだってみるとか?(笑)

2012-03-02 16:33 │ from 管理人URL

そうだったのですね。私は 管理人様が 新作『キス・オン・ザ・ボトム』のレビューを なかなか記事にされないので 何故だろうと思っていました。もちろん、日常の生活の中でもお忙しいとは存じますが…

私は 軽々しく「傑作」という表現を使いましたが、私自身 スタンダード曲等の類が元々好きだったのも すんなりと『キス・オン・ザ・ボトム』を受け入れられた理由の一つかも知れません。この辺りも管理人様が仰る通り 感じ方は人それぞれですね。

正直に言いますと、ボーカルだけで言うと ジヤズやスタンダードを歌う歌手に比べて、ポールのヴォーカルは少々物足りない部分はあります。感覚的な表現で申し訳ないですけど 歌声が軽いって感じなのですよね。
そう考えると 純粋にボーカルアルバムに限定すれば 他に優れた作品は山程あると思います。

だけど ロック・ポッフス側から見れば またポールの作品群から見ると、充分に傑作と評して良いかと思うのですね。
前回の投稿で述べさせて頂いた理由を若干補足させて頂くと やはりポールのプロデューサーやミュージシャンの人選が素晴らしかった事がポイントだと思います。ご存知の通り、ポールは独りでアルバムが作れる程のマルチプレイヤーであり プロデューサーでもある訳ですが、今回はヴォーカルに専念し サウンドメイキングや演奏は 他人に任せてアルバムを完成させた所に 後退ではなくポールの成熟を感じてしまいます。
もちろん本職のロック・ポップスではなく、ジャズに挑戦する事で 謙虚になれたのかも知れませんが、自分でやるより他人に任せた方が良い結果を生む場合もあり、その辺り過剰なエゴを感じず リラックスした雰囲気を作り出せた事は 作品にとって良かったと思います。
特に今回のアルバムは音が凄く良いですよね? レコーディングでの音処理が抜群で プロデューサーを始めスタッフは良い仕事をしたと思います。
ポールは、事前に自身のサイトで全曲を試聴可能にしていましたが、やはりネットで聴くのと それなりの音楽環境で聴くのでは、聞こえ方が全く違います。(あくまで私の感想です)その辺り ポールも音質には自信があり 敢えてネットで全曲の試聴を可能にしたかも知れません。

ポールがある程度 他人に任せ、そして任された各人がポールの狙い通りの活躍をして、そして一枚の素晴らしい作品を完成させた所は 今までのポールには あまりなかった事の様に思います。

そして素晴らしい新曲を収録した事で、他のスタンダード・カバー集とも一線を画する事にも成功したと思いますし 充分に傑作と評しても良いかと思います…

もう… あとは私が聴いて感じた直感ですね。ポールの丁寧な歌唱にも引き込まれましたし これは今までのポールの作品と比べても 充分に素晴らしい作品だと 何度か聞き返して実感しました。

まぁ ポールには若干甘い 私の感想ですので… 辛口の意見等もありましたら お聞きしたいですね。

2012-03-03 02:51 │ from テツURL

テツさん
ポールのファンサイトですので、評価が若干甘くなったり、興奮して大傑作だ!などと叫んだりするのは管理人としては一向にかまわないと思っています(笑)。むしろ日頃誰にも言えないポールに対する熱い思いをコメント欄で発散させてほしいと…。テツさんのアルバム評にも同じファンとして同感する部分は多々ありますよ。私の『キス・オン・ザ・ボトム』評もそのうち記事にしたいと思います。

2012-03-03 14:37 │ from 管理人URL

お邪魔します。
「オーヴァー・アメリカ」 の記事が熱い今日この頃ですが、私いま 「キス・オン・ザ・ボトム」 を毎朝仕事帰りに車の中で毎日聴いている状態で、なかなか 「オーヴァー・アメリカ」 に興味が行きません(笑)。

「オンリー・アワ・ハーツ」 に関しては、CD購入前に自分が書いたコメント通り(もう1年か…笑)でなにも言うことはございませんが、このアルバムを聴いていて、なんとなく引っかかる原因が、自分なりに分かってきたような気がするのでちょっと書いてみます。

まあ、ファースト・インプレッションのときから感じていたことなんですけどね。

このアルバムのポールの声質がまず第1。 やたらと回転数低いんですよ(笑)。 そしてしわがれてる。 それと、ヤケにファルセットを多用するし、ビブラートも使う。 これってポールの歌唱法じゃない。
しわがれているという点については、わざとそうしている気がします。 ジャズ・ヴォーカルってしわがれたものが多いから、ポールはここで勘違いをしている気がするんですよ。 しわがれれば味が出るんじゃないかと。

今までとは違う歌唱法だから、ポールのヴォーカルのイメージが強いファンほど、違和感を抱くことになる気がします。 「エレクトリック・アーギュメンツ」 のときから、声質がことに老人質になってるとは感じていたんですが、あのアルバムはパンクみたいな勢いがあったのでそれをカバーできた。 今回はポールがその 「老人質」 をジャジーな味として、渋みを出すためのワザとして自ら演出しようとしている。

おそらくこれって、テツ様が 「歌声が軽い」 と書いてらっしゃることと一緒かも。
私の印象を言わせていただくと、ジャズ・ヴォーカルの解釈がちょっとばかりアレかな、と(アレって?…笑)。

それが、クラプトンと共演しだすと、1年前のコメントでも指摘したように、ポールって意識的に張り合い出す。 だからクラプトンが参加した曲では、声質がほかのものとまったく違うでしょう。 チャレンジャーになるんですよ。 現役になるんですよ。 老人から戻ろうとする。

そして第2に、やはりポールって、自作自演なんですよね、カテゴリー的に。

「キス・オン・ザ・ボトム」 のアレンジを聴いていると、パターンは数個あるのですが、そのアプローチがかなり似通って聞こえる。
特に導入部分が数行あって、それから本題に入る曲が多い気がするのですが、どのイントロもおんなじ感じで。 確かにウッド・ベースだけで歌うとか、工夫はあるんですが、エレキ・ギターとの絡みとかストリングスの入り方とか、もっとポールが口出しすればよかった気がしてくるのです。

このアルバムに入っているオリジナルも、どうもナンシー夫人絡みのような気がするのですが、アルバム全体が、ナンシーの好みなのでは?と思わせます。 ポールはヘザーの時もそうだったけれど、パートナーの好みに自分を合わせる傾向にある気がするんですよ。
ポールらしいや、と思って聴くと、引っかかりもなくなる気がします。
現に今、1年遅れでマヌケですが、ずーっと車の中で聴いてますので(笑)。 ハマってるんでしょうね、なんだかんだ言って(笑)。

2013-04-13 08:42 │ from 橋本リウURL

リウさん
なんだかんだ言って好きなんですよね、リウさんも(笑)。僕も、もし第2弾があるとしたら、ぜひとも演奏とかアレンジとかプロデュースにいっぱい口出ししてほしいですね。結局僕があの作品を今一つ物足りなく感じてしまったのも、そのあたりに尽きると思っています。やっぱ全部ひっくるめてポールなんだよな~と。

2013-04-14 10:06 │ from 管理人URL