ポールの曲:『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(With A Little Help From My Friends)』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールの曲:『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(With A Little Help From My Friends)』

リンゴがリード・ヴォーカルを担当しているビートルズの曲の中で、おそらく僕が一番好きな曲がこの『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』である。公式にはレノン=マッカートニーの共作とされているが、ジョン自身も認めていた通り、ほとんどがポールの手になる曲と思われる。

ポピュラー音楽史上最も革新的かつ優れたアルバムとも称される『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の2曲目に、なんとリンゴがヴォーカルをとるこの曲が配されたことはとてつもなく重要な意味を持つ、と僕は考えている。2曲目とはいっても、実際には1曲目はショーの始まりを告げるアルバムと同名のオープニングチューンであるから、『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』は実質的にアルバムのオープニングを飾る顔のような曲と言っても過言ではない。

ひょっとするとアルバム全体のカラーを決定するかもしれない、この極めて重要なアルバムの2曲目にジョンでもポールでもない、リンゴのヴォーカル曲を持ってきたところにビートルズ特有のチャレンジ精神が端的に表現されている。彼らはきっとファンがアッと驚くような事をいつもやりたかったのだろう。「オオッ、いきなりリンゴかよ!」と…。

このアルバムの発売当時、何の予備知識もなくこのアルバムを聴いた人たちは、きっと度肝を抜かれたにちがいない。これではまるでリンゴが主役である。もちろんアルバム(ショー)が進むにつれ、リンゴが脇役であることは徐々に明白になってゆくのであるが、アルバムに1曲も提供していないメンバーにさえスポットライトを当ててやろうとするその姿勢は、ビートルズとはいかなるバンドであったかを理解する助けになるだろう。いついかなる時も、損得勘定を超えた“何か”がビートルズを突き動かしていたことはたしかである。

そういう意味ではビートルズはあえて一つの賭けに出たといえる。そして、見事賭けに勝つのである。そう、『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』はすぐにビートルズの名曲の一つに数えられ、後年リンゴ・スターというアーティストを代表する楽曲にまで成長してゆくのだった。

ポールはのちにこの曲のキーが高くなり過ぎないように気をつけたと語っていることから、最初からリンゴに歌わせるつもりでこの曲を書いたものと思われる。こんなにもいい曲を自分以外のために書けてしまうなんて、やはりこの頃のポールの創作能力は尋常ではないと思う。リンゴのためにポールが書いた曲ということでは、他に『イエロー・サブマリン』という名曲も存在するが、個人的には『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』のほうがずっと好きである。僕の中ではリンゴが歌った全楽曲の中でもきっとベスト3に入るだろう。

サウンド面では、なんといっても溜めのきいたポールのベースが聴きもので、彼の名演の一つに数えられると思う。耳はついついベースを追いかけてしまう。リンゴのヴォーカルもこれ以上ないほど曲にピッタリとマッチしているし、ジョン、ポール、ジョージ3人によるコーラスも曲を最高に盛り上げてくれている。考えてみれば、彼ら3人にコーラスをつけてもらったアーティストというのは世界中でリンゴ・スターただ一人だけだったのかもしれない。当時は当たり前だったのかもしれないが、今考えると気絶しそうになるほど超豪華なコーラスワークである…。ブラボー、リンゴ!

さてポールは来年2月頃にスタンダードのカバーアルバムを発売すると噂されているが、個人的にはスタンダードもいいけど、ポールが過去他人に提供した楽曲のセルフカバーアルバムというのをぜひとも実現してほしい、という思いがある。ま、ほとんど無理だろうが…、ポールが歌う『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』や、『愛なき世界』(ピーター&ゴードン)、『グッバイ』(メリー・ホプキン)なんかも死ぬまでに1度は聴いてみたい、なんて思うのである。冥土のみやげに(笑)。

参考:サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド


コメント
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『イエロー・サブマリン』より『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』のほうがずっと好きというのは、同感です。
出来ははるかにこっちですよね。

ただ二曲とも私の中ではどこを切ってもリンゴの顔が出てくるリンゴ作ですから(笑)、“ポールの曲”でアップされたのがとても意外でした。
(どうにも作者という概念が抜け落ちてまして・・・)

それにしてもどちらもリンゴが歌って良かったというぐらいハマってますね。
アルバムの流れの中でそいつじゃなきゃ絶対ダメだという曲をピンポイントで作られるポールの縦横無尽の才は、ホント素晴らしいです!

2011-11-25 19:14 │ from アイヤーダイURL

「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・マイ・フレンズ」
リンゴのテーマソングと言って良いほど 有名な曲ですよね。
「イエローサブマリン」と並んで リンゴの代表曲となっています。

管理人様がおっしゃる通り、アルバムの2曲目 しかも1曲目のタイトル曲で、ビリー・シアーズと紹介されメドレー形式でリンゴが歌う流れは流石ですよね。
『サージェント~』がコンセプトアルバムと呼ばれる為の 大切な肝の部分をこの曲が担っている気がします。

作者のポールは リンゴのイメージに合った曲を上手く作りましたよね。
友達の助けを借りれば何とかなる… 後のリンゴの音楽活動にも重なる印象的な歌詞ですね。

バックコーラス(ジョンとポールの2人??)が問いかけて リードボーカルのリンゴが答える展開も ユニークで印象的ですよね。
この手法を取り入れたポールは流石です。

それとやはりポールが弾くベースですよね。とてもメロディアスなベースで、ポールはロックの中でベースという楽器の可能性を広げましたよね。今までこんなメロディアスにベースを弾く人はいなかったかも…

次回作『ホワイトアルバム』ではジョンが「グッドナイト」をリンゴの為に作っていますよね。
ポールの作風と違って、子供への子守唄で オーケストラを使ったゴージャスなサウンドが意表をつきます。
ビートルズ主演映画にリンゴが主役の作品が多いですし、リンゴは子供にも人気がありそうですよね、そんなリンゴの為にジョンは上手く曲を作りました。出来ればジョンが歌う「グッドナイト」も聴いてみたいです。
リンゴに提供する曲でも、ジョンとホールの音楽的違いが垣間見れて 面白いですよね。

ポールのセルフカバー集、私も聴いてみたいです。特に「グッバイ」は最高のポップソングだと思います。こんな良い曲を他人にあげてしまうなんて…
このまま、メリー・ホプキンの曲として終わらせるのも惜しい気がします。
何か別の機会でポールのボーカルで披露して欲しいなぁ…

2011-11-26 02:11 │ from テツURL

アイヤーダイさん
コメントありがとうございます。そうなんですよね、リンゴが歌ってるからリンゴの曲とつい思ってしまうんですが、目に見えないところでのポールの功績にももっと世間に気付いてもらいたいと。『イエロー・サブマリン』と『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』。この2曲だけで一生食っていける価値があります(笑)。そう考えるとものすごいプレゼントですよね。もちろんリンゴの人柄あってのことなんでしょうが。うらやましすぎます。ブラボー、リンゴ!

2011-11-26 05:41 │ from 管理人URL

テツさん
コメントありがとうございます。そうそう、私は普段から詩にはほとんど目を向けない悪い癖があるんですが、この曲の詩はまさにリンゴの人となりをズバリ代弁しているところがありますよね。『グッド・ナイト』はポールに負けじとジョンもリンゴにプレゼント、といったところでしょうか。いいなあ~、リンゴは(笑)。
『グッバイ』はポールの弾き語りデモを聴いたことがあり、それが最高だったので世に出ないのはとても残念です。が、アーカイヴコレクションがあるさ。いつの日か収録されるのではと期待してます。

2011-11-26 05:47 │ from 管理人URL

お邪魔します。

ビートルズって、「意表を突く」 ということをすごく重視したバンドだと思います。 「ア・ハード・デイズ・ナイト」 のイントロは言うに及ばず、イントロなしで始まる 「ヘルプ!」「ヘイ・ジュード」(この曲はシングルにもかかわらず7分の長尺だし)、曲間の溝がない(CDじゃ分からない…笑)「ホワイト・アルバム」…。 そのほかにもコード進行やシタールの使用とか、アップル・レコードの設立もそうだし、なにからなにまで、もう 「意表を突く」 コンセプトが透徹している。

「どんなメンバーでもアルバムのオープニングを飾れる、もしくはラストを飾れる」、というのも、彼ら一流の意表の突きかただと私は思います。
ジョージだって 「みんないい娘」 で 「フォー・セール」 のラストを張って、「タックスマン」 で 「リヴォルヴァー」 のトップをこなしてるし、リンゴも 「グッド・ナイト」 でホワイト・アルバムの混沌を締めくくる重要な役割を果たしていますよね。 「イエロー・サブマリン」 は同名タイトルアルバムで変則的にトップだし。
蛇足になってしまいますが、「イエロー・サブマリン」 はポールが、ビーチ・ボーイズの 「スループ・ジョン・B」 に触発されて作った曲でしょうね。 船乗り主役の歌ってことで。 「スループ・ジョン・B」 ではリコーダーも使われていて、のちに 「フール・オン・ザ・ヒル」 のヒントになった気がします。

「ウィズ・ア・リトル…」 は、「サージェント・ペパーズ」 のアルバムのしょっぱな3曲に共通する 「長ったらしいタイトル」 というコンセプトから始まった曲だと私は考えていますが、ショウの構成を重視したポールのアイディアの勝利でしょうね。 コーラスとの掛け合いの部分の洒脱さは、ハンター・デイヴィスの伝記に書かれていた制作過程を読むと、ジョンの功績によるところが大きい気がする。

ベースはおそらく、リッケンバッカーペース。 ホフナーのヴァイオリンベースでは音像がぼやけてしまって、あのツヤは出ません。 このベースをよりよく聴くために、昔はコンポのイコライザーをいろいろいじくったものです(笑)。 「サムシング」 と並ぶ、ポールの 「歌うベース」 でしょうね。 この曲のベースって、 「タメ」 がすごく気持ちいいんですよ。 ほかの歌うベースでは、ここまでタメを重視してない。

「愛なき世界」 は、「ザット・ミーンズ・ア・ロット」 と同じ系統の曲みたいな気がしますね。 つーか、どっちが先なんだ?(笑)
おそらくピーター&ゴードン用の曲だったんでしょう、両方とも。 なんかで読んだ記憶があるけど記憶違いかな。
「愛なき世界」は、ジョンがこの曲を揶揄していたことを思い出しますね。 こういう甘ったるい歌を僕たちがレコーディングできると思うかい?みたいな。 「お願いだ~僕を締め出してくれよ~」 って茶化して歌ってたな。
「グッバイ」 も、ジョンが毛嫌いしそうな甘ったるい曲だ(笑)。
ただ、ジョンの意向は 「俺たちらしさ」「ビートルズらしさ」 を重視したものだったのに対して、当時のポールがこれらの曲を 「捨て曲」 だと考えていたのは驚異ですよね。 確かに当時のポールがジョンの意向に賛同する考えの持ち主だったことは否定できませんが。
「グッバイ」 は甘ったるいけど、「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」 を歌っていたポールですもん、きっとビートルズがやればそこそこの出来になったはずだと私も思いますー。 スタンダードをやるくらいならこっちを、という管理人様のご意見には、激しく同意いたします。

2011-11-26 09:07 │ from 橋本リウURL

リウさん
私が記事で書ききれなかったことをいろいろと補足いただいてる感じです。ありがとうございます。ポールのいわゆる“甘ったるい”部分ですが、実はこれこそポールの本質ではないかと個人的には考えることがあります。この甘ったるさを外部の力のおかげで抑えられたことにより、バランスの良い名作が次々と生み出されていったわけですが、放置されたらどうなっていたことやら(笑)。この甘ったるさが好きになれるか、受けいられられるかどうか、そこがポールをソロアーティストとして愛せるか否かの分かれ目だと思います。もちろん私は甘ったるいポールが超大好きです(笑)。

2011-11-27 04:55 │ from 管理人URL

ビリーシアーズがセンセーショナルに紹介されて、果たしてが誰か?

そこに林檎、いやリンゴというのは意表をつかれますね。大阪人なコケちゃうぐらいのリアクションがあるかもしれませんね。

ただ損得勘定を超えたなにか、というのは疑問で、むしろ損得勘定に長けた、というのが正しいような。メンバー全員にスポットをあてるというのはマネジャーさんのたてたもともとのビートルズの重要な売り込み戦略だったわけですから。
リボルバー以降、ビートルズがぐんと深みを増すわけですが、そんななかでそのアイドルグループのような制約はとても負担だった気がするのです。作曲能力はない、かといってカバーはもう入れたくない、ジレンマがみえるようです。自分たちは進化しているのに世間はまだまだアイドルとしての認識なわけで、その辺のわりきりもできませんしねえ。だからこそこの曲には力がこもっていると思うのです。

2011-11-28 15:27 │ from るんばURL Edit

るんばさん
コメントありがとうございます。るんばさんはビートルズは損得勘定に長けたグループという認識なのですね。ま、人間ですから誰しも損得勘定で動くのは当たり前として、私はビートルズの周囲はともかく、ビートルズ自身は驚くほど損得勘定を考えない人たちだったと思ってます。

2011-11-28 17:13 │ from 管理人URL

損得勘定に長けていたのはマネジャーとかノーザンソングスとかのひとたちでしょうねえ。メンバー自身も金銭的な成功には関心が非常にたかかったけど長けてはいなかったとおもいます。というか下手。だから版権のことなんかでたいへんな目にあってますよね。抜け目だらけというか。ただ利益を度外視してというような聖人君子のような人物像とは正反対だとおもいます。マイケルに出版やれば儲かるよ、と勧めたのはポールでマイケルはそれを忠実に実行してビートルズを買ってしまった。このへんが象徴的ですよね。

2011-11-29 02:30 │ from るんばURL Edit

記事でもコメント欄でも全く話題になっていませんが、「Six o'clock」「Pure Gold」「Private property」「Attention」についてはどうでしょうか。リンゴのソロだと思って甘く見てる人、この四曲も素晴らしい出来栄えなので、是非聞いてみてください。

そういえば、「Let 'em in」や「Take it away」、ついでにジョージの「All those years ago」もリンゴに提供する予定だったらしいですね。皮肉にも三曲ともヒットしてしまいましたが、そうなると、リンゴには悪いですが、提供しないで自ら発表したほうがヒットした物も多かったのではないでしょうか。
具体的に列挙させてもらうと、前述の「Attention」、ジョンの「I'm the greatest」ジョージの「I still love you」「Wreck my brain」の四曲のことですが、これらのオリジナルバージョン(「I'm the greatest」のみ既発表)を聞いてみたくて仕方がありません。

2015-09-02 13:27 │ from TWICEURL

TWICEさん

私もリンゴのソロを甘く見ている一人だったりするのですが(笑)、たしかに中には意外とレベルの高い作品があったりしますよね。

2015-09-04 06:01 │ from 管理人URL