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ポールのアルバム “Ram(ラム)” - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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ポールのアルバム “Ram(ラム)”

事実上のビートルズ解散を意味するアルバム『マッカートニー』の発売から1年1ヶ月。ソロ第2作目として発表されたのがこの『ラム』である。

ポールの数あるソロ・アルバムの中でも、とりわけ叙情的な印象を色濃く感じさせる本作は、ポールが「家族」と「愛」をテーマに掲げ取り組んだ作品と言われている。

このアルバムで特筆すべきは、ミュージシャンとしては全くのアマチュアとも言える愛妻リンダをレコーディングメンバーとして「本気で」迎え入れたということだろう。
僕はアルバム発売当時の状況を知らないから推測するしかないのだが、この決断は一般的に見ても、真剣なファンたちから見ても、おそらく公私混同と思われただろうし、その愛ゆえにポールの音楽的な判断に曇りが生じたと見えたにちがいない。

多少ピアノが弾けたとはいえ、ポールと結婚する前のリンダに、プロとしての音楽的なバックグラウンドは皆無。それだけに、本気でやらせようとしたポールもポールだが、それを受け入れたリンダの心臓も相当なものだと思う。
なにしろ世界最高のバンドにいた、世界最高のソングライター、そしてベーシストのポール・マッカートニーである。彼と共に音楽を作るのだ。ままごと遊びではない。厳しいマスコミ、そして批評家たちの目にさらされるのも当然覚悟しなくてはならない。

だが、いかなる批判、誹謗中傷を浴びようとも、ポールは最後までその意志を貫き通した。そしてリンダもそれに見事応えたのだから恐れ入る。
そして最終的にはリンダが亡くなる1998年まで、実に27年もの長きに渡って、リンダは私生活においても、音楽活動においても常にポールの最高のパートナーであり続けたのだった。
超一流とアマチュアの融合。これはロック史上稀にみる珍事であり、偉業でもあると僕は思っている。

似たようなケースでは、これもまた盟友ジョン・レノンがヨーコを自らの活動に迎え入れたことが思い出されるのだが、リンダと決定的に違うのは、ヨーコは自らが優れたアーティストであったということだろう。
彼女の場合、自ら作詞・作曲をこなし、ソロアルバムまで発売しているのだから、リンダとは根本的に異なる。

ともかく、良くも悪くもリンダの参加がソロ期におけるポールの作品の質に独特の色合いを与えたことは間違いない。
その証拠に、このアルバム“Ram”はポールのどのアルバムにも似ていない。
もしリンダのコーラスを邪魔だと思わなければ、このアルバムはとても独創的で、ユニークで、ある意味ポールらしく、またとてもポールらしくない特別な作品として心に残ることだろう。

このアルバムの発売後、ポールはウイングスを結成し、文字通りリンダと共に再び頂点へと駆け上がる。そして、ウイングス解散後も、やはり彼女はいつもポールと共に在った。僕たちは、ポールの活躍の陰に、常にリンダの存在があったことを決して忘れてはならないのだ。
優しく、強く、賢く、そして素敵な女性。それがリンダ・マッカートニーという人だった。ありがとうリンダ!

さて、同時期に発売されたジョンの『イマジン』や、ジョージの『オール・シングス・マスト・パス』に比べると、『ラム』の評価は発売当時あまり芳しくなかったと言われている。
だが、あれから35年もの時が過ぎ去った今、『ラム』は再評価されるべきではないかと思う。たしかにジョンとジョージのアルバムは名盤だが、当時の2人のシングル盤(『イマジン』と『マイ・スウィート・ロード』)の完成度の高さが過剰な評価を生んでいたのではないだろうか。
アルバム全体の出来を客観的に評価してみれば、『ラム』は決して作品的には劣っていない。ポールファンの僕から見れば、むしろ『ラム』のほうに軍配を上げたいくらいである。

好きな曲ベスト5
1:Back Seat of My Car ソロ初期の名曲中の名曲。時が経つにつれ、ますます評価が高まってきた不思議な作品。
2:Monkberry Moon Delight リンダの無機質なコーラスが独特の雰囲気をかもし出し、パワフルで変幻自在のポールのパフォーマンスが堪能できる。
3:Dear Boy いかにもマッカートニーらしい作品。分厚いコーラス部分が聴きもの。
4:Uncle Albert/Admiral Halsay 前半部の癒し系サウンドが特によい。
5:Too Many People おそらくポールではない(?)ギターの名演も光るポール製ロックサウンド。

参考:
『ラム』リマスター日本語盤まとめ
スーパー・デラックス・エディション(4CD+DVD)
デラックス・エディション(2CD)

『ラム』リマスター海外盤まとめ
デラックス・エディション・ボックス・セット(4CD+DVD)
スペシャル・エディション(2CD)


コメント
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RAM

こんにちは、管理人さん。
私は未年のせいか、気になるアルバムです。
2005年のアメリカでのコンサートを収録したDVDで「Too Many People」が歌われていますが
メドレーで「She Came In Through The Bathroom Window」が続きます。ベースもボーカルも最高です!この二つを繰り返し聞いてますとなんだか「Ram」と「Abbey Road」が全体的に同じように聴こえてきてしまうんです。。。個人的に、ですが。。。

2006-12-04 14:54 │ from トール・カプチーノURL

Re: RAM

“The Space Within US”購入されたのですね。うらやましい~。
私はまだ観ていないので、レビューも書けません(泣)2005年のツアーはポールの声の調子があまり良くなさそうだったので、足踏みしてましたが、やっぱり買ったほうがよいでしょうか???

2006-12-05 13:03 │ from 管理者URL

The Space Within US

管理人さん、こんばんは。
是非お買い求めください。
「I'll Follow The Sun」,「Please Please Me」, 「Till There Was You」, 「I'll Get You」等、
見ているうちに胸が熱くなりました。
確かに声はでていないところもありますが、
演奏している姿を見れること自体がうれしいです。
それと観客とのやり取りも、公園のベンチで隣
の人に気軽に話しかけるような、また気さくな雰囲気でポールらしさが出てますね。
小さな子供まで口ずさんでいる姿にビートルズは
次の世代に既に引き継がれたと感じずには
いられませんでした。
ファンの中には40年前のポールを見て熱狂
していた人がいるんでしょうね。
レビュー、お待ちしております!!
PS 「Fine Line」もよかったです。

2006-12-07 21:08 │ from トール・カプチーノURL

Re: The Space Within US

そうですか。海外のレビューを見ていても、概ね好評ですし、本気で購入を検討します!(笑)
ビッグになっても決して尊大にならず、誰にでも気さくに話しかける姿はポールならではですね。尊敬します。
ますます生きているだけで貴重な存在になってきました。ポール万歳!

2006-12-09 05:32 │ from 管理者URL

お邪魔します。 長文失礼します。
管理人サンの記事を新しい順からずっと遡ってきたのですが、ついに 「ラム」 まで、たどり着きました(笑)。
私がこのアルバムを買ったのは、1979年、中2の頃でした。
いちばん感受性が強い時期だったためか、相当なヘビーローテーションで、このアルバムは聴きまくりました。
故にこのアルバムは、私にとってのベスト1。
なにしろこのアルバムの最大の特徴は、「狂気に満ちている」 という点ではないでしょうか。
「エレクトリック・アーギュメンツ」 を聴いた時、「ラム」 の狂気と共通したものを感じました。
「ラム」 に現代のテクノロジーを融合させると、「エレクトリック…」 になる気がします。

管理人サンご指摘の通り、このアルバムの特色は、「リンダ色が強い」 ことですよね。
「ディア・ボーイ」 のコーラス・ワークを聴いていると、こんな複雑で美しいハーモニーを、リンダがよく歌えたもんだ、と感心するしかないです。 ビートルズ時代でも、こんな優れたハーモニーは存在しないです。

そんなリンダだったからこそ、亡くなったあとに発表された 「ワイド・プレイリー」 には、期待しました。
まあ、それなりの曲も結構あったですが(笑)、やっぱりポールという史上最強のパートナーがそばにいただけのことはあって、予想通りの名曲が多かったです。

「バック・シート」! この曲は、もう、なんと言うか、死にます(笑)。
真夜中にふるさとへ向かう高速をぶっ飛ばしながら聴いたら、サイコーでしょうね!

2010-05-10 20:56 │ from 橋本リウURL

橋本さん
コメントありがとうございます。自分が書いた記事の内容も忘れてしまうほど古い!(笑)3年半も前の記事ですね。ここまで深く読み込んでいただけた方はきっと皆無ではなかったかと思います。感謝です。「ラム」はファンの間でも最も人気の高いアルバムのひとつですね。ポールがこのアルバムで見せる驚くべき多様性には今聴いてもびっくりさせられます。プロフェッショナルな部分と、手作り感が見事にブレンドされているというか。「バックシート」ライブでやってくれないかな・・・。

2010-05-11 18:55 │ from 管理人URL

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