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『エジプト・ステーション』クイックレビュー - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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『エジプト・ステーション』クイックレビュー

前作『NEW』は個人的には非常にとっつきにくいアルバムであった。初期のレビューで僕は以下のように書いている。

『NEW(ニュー)』というアルバムは非常に評価の難しい作品である。なぜならこのアルバムは聴く側に何度も何度も繰り返し聴き込むことを要求する、ある意味ではポールらしくない特殊な作品だからである。

そして実際『NEW』の本当の良さがわかるには数カ月の時間を要したと記憶している。

だが、今回の『エジプト・ステーション』に関しては、状況はまるで真逆であった。僕は一聴してすぐにこのアルバムが好きになり、繰り返し聴くたびにますます好きになっていった。そして発売からまだ丸3日も過ぎていないのに2000年代以降の最高傑作とか言い出す始末である(笑)。

『NEW』は好きになるのに時間がかかった分、その後も長期間に渡っていわゆるヘビーローテーションを維持できたアルバムであった。果たして『エジプト・ステーション』は早く恋に落ちた分、冷めるのも早いのか?(笑)それとも・・・


僕が今回のアルバムで特に感じること。それは、「ポールのビートルズ回帰の傾向がさらに強まったのではないか」ということである。

前作『NEW』では遠慮ぎみに、ある意味小出しにしていたビートルズ色が、今回はもう何のためらいもなく前面に押し出されてきているように僕には感じられるからだ。「オレがビートルズをやって何が悪い?」といったような潔さ、とでも言ったらいいだろうか。

自身がビートルズの一員であったにもかかわらず、ポールは真正面からビートルズミュージックを再生産することに極めて憶病な一面を持ち続けている、と僕は常々考えていた。それはまるでポールが「その権利をはく奪された」と信じ込んでいるようでもあり、またビートルズという名の亡霊に未だに憑りつかれているようでもあった。

だが、実際は彼だけがその権利を有する世界でたった一人の人間だったのである。

キャシャーンがやらねば誰がやる。ポールがやらねば誰がやる、というわけだ(古・・・)

というわけで、ビートルズ解散からほぼ40年近くに渡って小出しにはしてきたものの、大半は封印し続けてきた「ビートルズ」というパンドラの箱を、今回初めて全開にしてみました~~というのが『エジプト・ステーション』というアルバムなのではないだろうか?

以上が、僕がこのアルバムを聴いて最も強く感じるところなのである(個人的な感想です)。

だからこそ、こんなにも思い切り、ノビノビと、そして自由に音楽作りを楽しんでいるポールがアルバムの隅々まで充満しているのではないだろうか。

『エジプト・ステーション』は2018年のベストアルバムの1枚になるだろう。今度こそグラミー賞のアルバム・オブ・ザ・イヤー取れるね。


以下、今のところベスト3。

Hand in Hand:この1曲が聴けただけでもう十分と思わせた超一級のバラード。いや~、すごいわポール。

Get Started:なんでこの曲がボートラなのか。でもなんか聴いたことのあるような曲だから意外と古い曲なのかも?

Despite Repeated Warnings:曲の展開がかっこよすぎる。大作だけど長さを感じさせないね。成功。

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コメント
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私は

ビートルズもですが、
ウィングスも感じましたね。

「一番!一番!」にリンダの声が聞こえたような気がしましたし。

静かな出だしから、お祭り騒ぎに突入するあたりは、やはり、金星と火星を彷彿します。
前作は、タイトルチューン以外がポップじゃなかったので、ゴリゴリ感がありましたけど、今回、ポップですねー。それも、思ったより、です。

2018-09-09 12:07 │ from 黒鵺URL

No title

黒鵺さん

今回のアルバムにいい時のウイングスを感じる人も多いみたいですね。

2018-09-09 14:26 │ from Macca Go Go Go!管理人URL

全編聴きました。

どうやら、管理人さまと、
同じ曲が私のベスト・トラックになりそうです。
ボートラの曲が特に。
こういうのを、バック・トゥ・ザ・ビートルズと言うんだと思います。
爽やかでポップなのに、しっかり泥臭いロックに突入しますし最高です。

2018-09-10 20:04 │ from 黒鵺URL

No title

黒鵺さん

ゲット・スターティッドやばいですよね。

私もとりあえずのベスト3書きましたが、ランク付けが難しいアルバムですよね。いい曲が多い。昔ビートルズのアルバムを初めて聴いた頃の事を思い出しています(笑)

2018-09-10 20:21 │ from Macca Go Go Go!管理人URL

No title

お邪魔します。 お久しぶりです。

CDを予約したはいいが再生装置がほぼ全滅状態(笑)、頼みの綱のPCでiTunesに取り込むも、PCが活動限界を迎えており(笑)インポートにムチャクチャ時間がかかる始末。 何度も失敗するし。 インポートの途中でCD聞けないし。
そもそもアマゾンで予約したCDが来んのが遅い!(笑) いつの間にか日曜にポストに入ってたのを取り出したのが月曜。
そいった、もろもろの事情が積み重なってようやく聴けたのが火曜。 ヘビロテしまくりなんですが、とりあえず感想が書ける程度には聴き込みました(ふぅ~…笑)。

そして私のベスト3は 「アイ・ドント・ノウ」「カム・オン・トゥ・ミー」「ファー・ユー」…

…全部シングルやんけ!(爆)

それでは意味がないのであらためて。

ここはみなさんの王道をあえて裏切って(笑)「ハッピー・ウィズ・ユー」「フー・ケアズ」「ナッシング・フォー・フリー」。

特に 「ハッピー」 と 「フー」 は、曲順的にシングル仕様の2曲が終わったあとの2発なので、このアルバムの印象をよくする効果が絶大だ、と思いますね。 「ハッピー」 はアコギのバックがとても心地イイ。 「マザー・ネイチャーズ・サン」 に似ている気もするが、こういうアコギの使いかたは初めて聞いた気がしますね。 「フー・ケアズ」 はやはりバックのエレキギターがいい味出してる。 サビの部分では 「ノー・ヴァリューズ」 を思わせる景気のよさ。 歌ってる内容がまたイカシテルんだ(表現が古い…)。

「ナッシング・フォー・フリー」 はこのアルバムのなかでいちばんポールの声が出ている気がします。 出過ぎ。 別人じゃなかろうな。
出過ぎなんでチト考えてしまうのですが、ポールって近年声の衰えとかよく言われるけれど、実は出るときと出ないときの差が激しいんじゃないんだろうか、という。 ここ数年の日本公演でも、日によって声が出ていた、というのと、声が出ていなかったという感想をよく目にします。
だったら声の調子の最高のときにレコーディングすりゃいい気がするんですが…。 そこらへんよく分かりませんね。
ケンドリック・ラマーとかカニエ・ウェストの影響も感じるこの曲。 正直両名とも私は好きじゃないんですが、ポールはお気に入りのご様子。 このふたり、曲想がとめどないんですよ。 だから結局何をやってるのか、目的がよく分からない、というか。 ポールのすごいところは、ふたりの良さをムシャムシャ取り込んで咀嚼して、ビートルズ世代のために分かりやすく料理してテーブルに出すところ。 ジャバザハットか(笑)。 モンスターですよ正直。

曲想がとめどない、というのはこのアルバムの多くのほかの曲にも言える気がします。 「バンド・オン・ザ・ラン」 のチェンジオブペースを現代風に展開している感じ。 そんな壮大な展開を示すくせに、妙に中心の部分で 「醒めている」。 表現はネガティヴみたいに聞こえそうですがこれは褒め言葉です。 つまり、ごった煮みたいなクセにヤケに整然としている。 これはデジタルシークエンスによるものなのかもしれません。 「サージェント」 の頃はアナログで実現していたものを、「PCで計算ずくでやっている」、という感じ。

それとやっぱり、「ポールも重低音好きなんだな」、というのはありますね(笑)。 「重低音」 というのは現代ポップスの完全なる武器のひとつと化していますが、「プレス・トゥ・プレイ」 の時代からポールはドバシャーンが好きですからね。

面白かったのはボートラ前の本編最後のメドレー。 「だんだんテンポが遅くなるメドレー」、というのはこれまでにないパターンで超新鮮。 しかも 「C-link」 はたぶんポールのギターだと思うのですが、メロディラインが即興ではなくきちんと考えられているようで、バックの楽器やオーケストラとしっかりユニゾンしてるんですね。 いわば、「クロスロードのテーマ」 がメドレーの最後になる、という感じ。 これは、列車が終点に近づいて速度を落としていくイメージなのかな、とも思います。

「バック・イン・ブラジル」 の軽快さも好き。

アルバム全体の評価? もちろん 「最高にイイ」、ですよ!

それにしても 「ドミノス」 の最初の2小節、なんかに似てるなーと思ったけど思い出しました。 ホール&オーツの 「ウェイト・フォー・ミー」 の出だしです(笑)。

2018-09-13 07:50 │ from 橋本リウURL

No title

リウさん

レビューありがとうございました。

今回は評論家もファンも総じて褒めちぎっているところが、かえって心配といえば心配かな?(笑)

けっこうけなされてた時代も知っているだけに、逆に疑心暗鬼に(笑)

しかしやっちゃってくれましたね。胸のすくような快作で、私自身はもう思い残すことはないなと(笑)

2018-09-13 19:24 │ from Macca Go Go Go!管理人URL

ご無沙汰しております

こんばんは。
いやー、今回のEgypt Stationには驚かされましたねー!前作の Newがあまりにも良かったので、それ以上の名作は年齢的にも(声の衰え)もう無理だろうと思ってましたが、まさかNewを超える作品を出すとは思ってもおりませんでした。ポールは年齢を重ねるごとに想像力、発想力、歌唱力が上がってるように感じます笑 化け物なみのパワーです!笑 このアルバムはたしかに飛び抜けたシングル曲はありませんが、一曲一曲の素晴らしさ、楽器の使い所、演奏技術、歌唱力、アルバムの統一感、クライマックスのメドレーの素晴らしさ、、、どれをとっても一級品です。いやー、ただただ感動です!
一つ文句を入れるとしたら、ボーナスのGet startedはアルバムに入れるべきでしたね!笑 ビートルズっぽいキャッチーでノリの良い曲で大好きです!

2018-09-14 00:46 │ from たいしURL

No title

たいしさん

ほんとに仰るとおりです。私はもう化け物を通り越して、神の領域かなと。これが最後にならないことを祈るばかりです(半分マジ)

2018-09-14 03:04 │ from Macca Go Go Go!管理人URL