名盤に生まれ変わった『パイプス・オブ・ピース』 - Macca Go Go Go! ポール・マッカートニーファンブログ

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名盤に生まれ変わった『パイプス・オブ・ピース』

前々回の続き。

アルバム『タッグ・オブ・ウォー』はポールの復活作にして80年代を代表する名盤。続く『パイプス・オブ・ピース』は2匹目のどじょうを狙いマイケル・ジャクソンを起用したがシングル以外はパッとしなかったどちらかといえば失敗作。というのが一般的な評価であると思う。

チャート記録を見ても『タッグ・オブ・ウォー』が英米でNo.1に輝いたのに比べ、『パイプス・オブ・ピース』は『セイ・セイ・セイ』という大ヒットシングルがあったにもかかわらずイギリス4位、アメリカに至っては15位という結果に終わっている。

だが個人的には『パイプス・オブ・ピース』はそれほど悪いアルバムではないと長い間思い続けてきた。このあたり、はっきり言って意図的なチャート操作があったのではないかと過去記事にも書いたほどである。

ただ、それでも僕自身このアルバムに関して気に入らなかったことが一つだけあった。それは『タッグ・オブ・ウォー』と同じくジョージ・マーティンがプロデュースしたアルバムであるにもかかわらず、『パイプス・オブ・ピース』にはサウンド面で統一感が感じられなかったことである。特に各曲における音圧の違い(デコボコ感)はアルバムを通して聴いたときに大きな違和感を覚えたものだ。

しかし、アーカイヴのリマスター版では音圧のバランスが見事なまでに補正されていたのである。

そして、たったそれだけの事で『パイプス・オブ・ピース』のアルバム全体のイメージが僕の中でガラッと変わってしまったのだった。

その事実には発売直後にも気付いてはいたのだが、先日長いブランクを開けてこのアルバムを再び通しで聴いたことで、僕はその違いを改めて再認識したのだった。「このアルバムほんとに悪くない、いや、これはポールの傑作の1枚に数えてもけっして悪くないほどの作品だ」と・・・。

今回のようなサウンド面での補正はアーカイヴ・シリーズ・プロジェクトがもたらしてくれた最大の恩恵であると僕は思っている。

それはアルバム全体の印象を簡単に一変させてしまうほどのものなのである。

ビートルズやイーグルス(後期)、フリートウッドマック等に代表されるプロデュース力、総合的なサウンド構成力がいかに聴き手にとって重要なファクターになり得るのかを僕は思い知ったのだった。真の名盤には常に「プラスアルファ」が必要なのだ。

というわけで、今後のアーカイヴリリースでも同様にポールのソロ作品が再評価されてゆくのは間違いないだろう。

参考:パイプス・オブ・ピース(スーパー・デラックス・エディション)(DVD付)

コメント
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No title

お邪魔します。

「パイプス・オブ・ピース」 は、そりゃ 「タッグ・オブ・ウォー」 に比べれば聴き劣りしますが、私は最初からずっと好きなアルバムでしたね。 音圧、ということはCDの仕様のことでしょうか? アナログLPでずっと聴いてたから、あまり感じなかったなー。

ちょっと気になったのは、最後の曲 「スルー・アワ・ラヴ」 のメロディの組み立てが、なんかいろんな断片の寄せ集めみたいに感じたことくらい。 でもそれは 「マイ・ラヴ」 あたりからリアルタイムでポールを聴いてきたから感じたことであって。 今から考えるとまったく問題なしですよ。 却って 「モーター・オブ・ラヴ」 よりはいい曲に思える。

「ヘイ・ヘイ」 とか 「タッグ・オブ・ピース」 の評判が悪いのも、ネットを使いだして初めて知ったことですが、いや~、私は両方とも好きですね。 音が面白いじゃないですか。 「ヘイ・ヘイ」 の後ろで鳴ってるチャカチャカっていう音とか、「タッグ・オブ・ピース」 の、まるで藁を地面に叩きつけてるようなパーカッションの音とか。

「アヴェレージ・パーソン」 などはSEの使いかたが、やはりビートルズから聴いている身にとって 「サージェントから、ここまで進化したよ」 という感慨が深かったし。 「キープ・アンダー・カヴァー」 のストリングスなんか、「エリナー・リグビー」 を彷彿とさせます。 そのストリングスが途切れてすぐに、ポールのベースがブーンと下降する。 タマランっス、この部分。 ふたつとも 「こりゃジョージ・マーティンの仕事だよな」 と妙に感動したし。 「スィーテスト・リトル・ショウ」 の最後でずーと続くコーラス。 「これってテープループかな?」 とか。

なにしろポールが若々しいってのがいいですよ(ハハ…)。 そしてジョージ・マーティンと一緒に顔突き合わせて、新しい音を作ろうとしている姿勢が見えるのがいい!

2018-02-19 07:46 │ from 橋本リウURL

No title

リウさん

なかなか説明するのが難しいのですが、たとえて言えばいろんな場所でレコーディングした曲を適当にぶち込んで1枚のアルバムにしました、っていう感じですかね。とにかく統一感が感じられなかったんです。あと『もう一人の僕』『ザ・マン』『スウィート・リトル・ショー』あたりの音量が大きめというのも気に入らなかった(笑)。

もちろんリウさんみたいな人もいると思います。素材自体はいいですからね。当時のポールの勢いを考えると1位を取っても不思議はなかったと思います。

2018-02-19 11:32 │ from Macca Go Go Go!管理人URL

No title

アルバムの『タッグ・オブ・ウォー』と『パイプス・オブ・ピース』は、当初ポールが2枚組にする思惑があったアルバムでしたね。

レコード会社に2枚組だと値段が高くなり、売上に悪影響を及ぼすと反対され、仕方なく別々のアルバムに分けて発売したとのことです。

2枚組なら『ヘイ・ヘイ』や『タッグ・オブ・ピース』みたいな曲もありだと考えていたのでは?

ホワイトアルバムでいうと『ワイルド・ハニー・パイ』のような役割といいますか。

それをそのままアルバム『パイプス・オブ・ピース』に入れたのは、レコード会社への反抗心なのか嫌味なのか?(笑)

少なくともアルバム『パイプス・オブ・ピース』のなかの一曲として『タッグ・オブ・ピース』を入れたことで、アルバム『タッグ・オブ・ウォー』との深い関連性は伝わります。その意味では、これもポールとしてはアルバムにとって必要な曲だったのでしょうね。ファンはこの曲は要らないなんて勝手なことを言うけど(笑)

2018-03-02 16:29 │ from ゆうURL

No title

ゆうさん

形としては2枚組にはならなかったですが、ファンとしては2枚組のつもりで聴くのもありですよね。リマスター化されて、通して聴くのも以前よりは聴きやすくなったと思います。

そう考えれば、『タッグ・オブ・ピース』や『ヘイ・ヘイ』も『ワイルド・ハニー・パイ』な役割が見えてきますね。ただこの2曲離してほしかった(笑)。

個人的には2枚組として出してほしかったです。

2018-03-02 20:29 │ from Macca Go Go Go!管理人URL

No title

自分は発売された当時にアルバム『パイプス・オブ・ピース』を購入して以降、ずっと気になっていたのが各曲の楽器演奏者が記されていなかったことなんですよ。

アルバム『タッグ・オブ・ウォー』では全曲、楽器演奏者が記されているのに、なぜ?と不思議に思っていたんですよね。

今回のアーカイブ・コレクションの発売に伴う情報公開でその疑念が氷解しました。

『セイ・セイ・セイ』の演奏にポールは参加していないんですよね。マイケル・ジャクソンが、この曲のデモを他のミュージシャンを使って作り、それがあまりにも出来がよかったので、そのまま採用したというエピソードです。

やっぱりポールが演奏していないとなると、楽器演奏者を記すわけにはいかなかったのでしょうね。


ドラムにしても、リンゴでもないし、スティーブ・ガッドでもない。もちろん、ポールっぽくもない。いったい、誰なのか?とモヤモヤが晴れずにいましたが、その霧も晴れました。

2018-03-03 22:29 │ from ゆうURL

No title

ゆうさん

この点については私もノーマークだったので、慌てて自分でも調べてみたところ、なるほど確かにベーシックトラックはマイケルが自分のスタジオミュージシャンたちを使って9割がた完成させたみたいですね。

デモのつもりでポールに聴かせたら、完璧だからとそのまま使うようになったんですね。ベースを担当した人も「たぶんポールが弾きなおすだろうと思ってたら、そのまま使ったのでびっくりした」と発言してます。

オーバーダビングはヴォーカルとバッキングヴォーカル、あと多少の楽器ということになっています。情報ありがとうございました。

2018-03-03 23:54 │ from Macca Go Go Go!管理人URL